最近では心療内科やカウンセリングを受けることが一般化されているけど、人の悩みを解決してくれるカウンセラーってどんな仕事なの?という素朴な疑問についてのコスモポリタン アメリカ版の記事をご紹介。コロラド州フォートコリンズでカウンセリングを行っているジル・クーン氏が答えてくれました。
1.実際のカウンセリングはTVドラマとは大違い
「インクの染みを分析するテストや連想ゲームが一般的になされていると思われているかもしれないけど…。通常は患者が悩みについて話し、話し合い、前回のセッションからどんな変化があったか、ということが話題の中心。映画ではカウンセラーと患者が恋愛関係に陥ることもあるけど、これは重大な倫理違反!私の場合、私自身の悩みについて話すなど、患者との境界線を曖昧にするような行動は一切しません」
2.大学での専攻やキャリアは慎重に選ぶ
「修士号を取得すれば研究、教育、心理学鑑定を行いますし、博士号を取得すれば教授になったり、個人で開業したりするという選択肢がある。精神科医になりたい場合は医学部に通う必要がありますが、私の場合は博士号を取得した後に開業。スケジュールは柔軟に組めるけど、教授職ほどの収入はないんです」
3.資格を取得するまでに10年かかる(注:アメリカの場合)
「学部課程で4年、博士課程で5年、インターン生として1年、論文執筆、ライセンス取得した精神科医の指導を受けながら2000時間の実施訓練が必要なんです。これほど修行期間が長いとは思ってもいなかったし、金銭的な負担も大きい。ライセンス取得前に子供を生むなんて至難の業ですね」
4.セッション中、患者は積極的であるべき
「私がカウンセリングするのはうつ病、不安神経症、心的外傷後ストレス障害、産後うつ、妊娠中のうつ病、10代のトランスジェンダーを含むLGBTなどの患者たち。マニュアルに添ってというよりも、患者のペースに合わせて柔軟に対応している」
5.信頼関係を築くまでには複数回のセッションが必要
「カウンセラーにとっては忍耐力が肝心。特に、初回のセッションは慎重に行っています。患者がより多くのことを話すようになったら、うまく行っている証拠」
6.人は言葉以外で多くのことを語る
「姿勢、口調、体の緊張度などは患者の気持ちを大いに伝える。特に親と10代の子どもたち、夫婦などとセッションを保つ場合、彼らのボディランゲージを観察するようにしています。言っていることとボディランゲージが相反している場合は多く見受けられるんです」
7.患者を救うことができず、「自分は無力」と感じるときがある
「すぐに気持ちが晴れる人もいれば、そうでない人もいる。『今でも深く傷ついている』と言われれば、胸が張り裂ける思いがします。私が彼らに掛けられる最善の言葉は、『今でも苦しんでいるのですね。でも、あなたの話はしっかりと聞いていますよ。そして、悩みが解決するまで、私もあきらめずに頑張りますから』ということ」
8.患者から「振られる」こともある
「特に10代の患者とのセッションの場合、親は続けたがっているのに、本人が嫌がる場合があります。本人にやる気がなければ、すべてが無駄になりがち。そんなときは状況を受け入れ、自分のせいではないと言い聞かせるようにしています。カウンセラーと患者の間には相性があるので、もし私が適任だと思えない場合には、別のカウンセラーを推薦することもありますから」
9.患者数が安定するまで数年かかることもある
「個人で開業した場合、仕事が軌道に乗るまでは時間がかかる。専門分野ごとにカウンセラーが探せる<Psychology Today>というウェブサイトで経歴を掲載するなどもしましたね。これは役に立ちました」
10.身内を心理学的に分析したい誘惑に駆られる
「私の夫もカウンセラーなのですが、長女が成長過程では彼女から、『私のことを分析するのはやめて!』とよく怒られましたね。家族や友達の支えになりたいという気持ちと、彼らを分析の対象として見てしまう職業病とのバランスは難しいものです」
11.自分がアドバイスすることは、自分も実行しているべき
「患者に対して、よく、『自分を大切にしていますか?』『自分だけの時間を確保していますか?』とよく聞いているものの、これは自分に対しても当てはまること。仕事以外にも、友人や家族と時間を過ごしたり、散歩したり、趣味を持ったりするように心がけています。そうすることにより、心に余裕が出て、よりよいアドバイスができるようになりますから」
12.知らない人に対して自分の職業を決して明かさない
「1度、飛行機に乗っている時、隣の席の人にカウンセラーだと言ったが最後、散々悩みをぶちまけられた上、デリケートな問題へのアドバイスを求められたことがありました。それに懲りて、次回からは他人との会話をシャットアウトするためにイヤフォンをつけっぱなしにしています。さもないと、名刺を渡してセッションの予約をするように言わざるを得ないから」
※この翻訳は、抄訳です。
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