自分のしたいことを明確に持っていそうな、フランスの20代女子。 彼女たちの将来への不安は? 人生のプランは、どう立てているの…? 夢がいっぱいの20代前半女子と、夢を追い続けるべきか迷っている20代後半女子による「キャリア&将来」についての座談会スタート!

座談会参加者のプロフィール

■ジャネット(22)職業:学生

ギャラリーを開くことを夢に、大学卒業後は、アート業界でキャリアを重ねる予定。

■マリー(23)職業:アルバイト

大学を卒業したばかり。映画製作を学ぶ大学院へ進学するまで、アルバイトをして過ごしている。

■シモーヌ(27)職業:フリーランスライター

映画ジャーナリストになる事が小さな頃からの夢だけど、"狭き門"という現実の厳しさに葛藤している。


―まず、みんなの今の現状を教えて!

ジャネット:アート業界の仕事に就くための勉強を大学でしているの。小さい頃は体が弱くて絵を描いたり、詩を作ったりして過ごしていて。だから、私の人生に必要不可欠なアートを通して、自分のキャリアを作っていきたい。今は、美術誌にライターとして記事を寄稿したり、ギャラリーの展示を手伝っていて、大学に行かない日は、読書や絵を描いたりしているわ。

マリー:私は、映画監督になるのが夢。今は大学院に入るまで時間があるから、その間に、メディア関係の短期アルバイトをして過ごしてる。それにできる限りいろいろな仕事から社会勉強したいから、ホテルでのアルバイトもしているわ。

シモーヌ:パリのファッション専門誌で編集者として働いていたけど、大失恋して、彼との思い出を忘れるために仕事を辞めて、新しい人生をはじめるために南仏に引っ越してきたの。今はフリーランスライターとして、たまにライフスタイル誌に記事の寄稿をしているんだけど、それだけでは暮らしていけないから、接客業でのアルバイトもしているわ。フランスでジャーナリストになるのは、かなりの狭き門。パリの一流大学を卒業している友達ですら、苦戦しているし。今は、正直夢を追い続けるべきか、キャリアの道を変更するか悩んでいるところ。

―みんな夢を追いかけていて素敵! 次のステップに進むために挑戦してみたいことは?

ジャネット:私は、卒業後にイギリスのギャラリーで働いて、世界中から集まる人から刺激を受けてみたい。でも、ただ経験を楽しむだけでなく、将来のギャラリーを開くための情報収集やネットワーク作り、資金の工面など、土台をきっちりと作っておきたいな。

マリー:私も、外国に出て刺激を受けることは大切だと思っていて、世界旅行をしてみたい! 外国の美しい景色や文化、人の生き方に触れて冒険してみたい。キャリアでの夢は、映画監督になることだから、自分が世界旅行で素晴らしいと感じた場所で作品を創って、観客にその感動をシェアしたいの。

シモーヌ:今はパリに戻って夢を追い続けるべきか、海外で挑戦するべきか、それとも夢を諦めるべきか…って、正直、自分自身がどうすればいいか分からない状態。せっかく良い教育を受けたのに活かせてない気がして少し焦っているの。

ジャネット:気分転換に、外国に出てみるのもいいことかもね。フランス国外で就職した友達を見ていると、文化交流してチャレンジ精神も旺盛になって、考え方も生き方も大胆になっている子が多いわ。英語を話して生活するのは確かに挑戦だけど、入ってしまえばあとは成長するのみだし、私たちはフランス人でネイティブではないんだから、初めのうちは上手く話せなくて当たり前だと思う。

―安定した仕事を探すよりも、夢を追うことで、将来に関して不安はある?

ジャネット:周りの友だちは就職することに関して「あの娘も、まだ仕事が見つかってない。まだ、安心して大丈夫」など、人と自分を比べながら行動している人が多いし、人が成功すると焦り始める人も多い。でも、私は愛読していた哲学の本の影響を受けたせいか、自分が本当にやりたい事をしていれば、その中で道が変わっていってもいいと常に思っていて、不安はないわ。この本は、自分を見失わないためにカバンに入れて、いつも持ち歩いてるの。

マリー:私も、映画製作の勉強が楽しいから、不安はない。それに、20代は自分の人生を思いっきり楽しむべきって、両親から教えを受けていたから、したいことへのワクワクでいっぱい。スカイダイビングに挑戦したり、外国の料理を試したり、車を借りてロードトリップをしたり…でも、同時に、大学院を卒業したら、自分の働きたい業界で仕事を得るためのキャリアプランを建てないといけない、とも思ってるわ。

シモーヌ:不安という感情はないけど、自分の人生に対して、何をするべきか疑問でいっぱい。それを見つけるために、旅にでも出ようかなと考えてる。毎朝起きて、「私はいったい人生で何をするの? どうするべき?」と、自問しているわ。引っ越してきたばかりのときにティンダーで知り合った友だちとよく集まるんだけど、みんな20代後半に入って、同じように自分が人生の中で何をするべきか見失ってる子が多い。

―結婚については、どう思う?

マリー:結婚はいつかはしたいと思うけど、自分の夢を叶えて自立してからが理想。私の仕事を尊重して、出張が多いライフスタイルや仕事の忙しいスケジュールを理解してくれる人を選ぶのが大切だと思ってる。大学のときの友だちは、30歳になる頃には、家、子ども、結婚の3つを揃えたいという人が多かったわ。だけど正直、それって"今"の不安解消にしか見えないし、将来のことを考えているように見えて、実は考えていない気がする。だって、本当の愛情でなく、安定のために結婚しても、60歳になった時に「私の人生返して」って後悔するようになる気がするわ。

ジャネット:同感! 私の友達は、すでに彼氏と同棲している人が多いの。学校が終わって、夕食の買い物や、部屋の掃除などの家事ばかりしてる子もいて…。でも、正直、彼氏がいない人のほうが、いる人より野望や向上心があって、オープンマインドな気がする。

マリー:お金に対して不安はある?

ジャネット:夢に向かって充実して暮らせていれば、最低限で充分と思ってるから、特に不安はないかな。

シモーヌ:私も、ないわ。今は将来自分がどういう方向性にいくべきか見失ってるから、とりあえずお金だけはきちんと貯金しているの。

―最後に、みんなの人生において大切なことは何?

ジャネット:向上心や夢を持ち続けること。そのためには、私にとって"旅"と"読書"は欠かせない。

マリー:私にとっては、家族。人生の初めから最後までずっと繋がっている人だし、評価したりせず、いつも私自身を愛してくれるもの。この家族に生まれて、本当に幸せと思ってる。

シモーネ:"幸せ"を感じて過ごすこと。周りに友達がいて、一緒に悩みを語ったり、笑いあえたりすることで、どんな状況に陥っても心に温かさを感じることができるわ。気分が落ちるときはあるけど、常に多くの人と出会って、自分の世界を広げていくことが大切だと思う!


いろいろな夢を追う中で、みんな"幸せ"と感じて過ごすことを大切にしているよう。また、自分が本当に"情熱"を持てることを実際に行動していると、自然と不安はなくなるのかもしれませんね。