平均的なアメリカ人女性の生涯獲得賃金は、資格や職種が同等の男性と比べて数十万ドルも低く、人種の違いによって、賃金格差はさらに広がるそう。"子育てがキャリアアップの妨げになる"というのはよく聞く話だけど、コスモポリタン アメリカ版によると、男性が1ドルの報酬を得るときに女性が得られるのは0.79ドルなのだとか。そこで今回は、ある調査を通じて見えた、収入の異なるアメリカ人女性4人のライフスタイルの違いをお届け!
【年収100万ドル(約1億円) :ハイディ・バークハートさん 34歳】
居住地 ニューヨーク州マンハッタン
職業 不動産仲介業(手頃な価格の住宅が中心)
Q.家族構成は?
「恋人はいるけど、同居はしていません」
Q.持ち家ですか? 賃貸ですか?
「賃貸で、家賃は6500ドル(約68万円/月)です」
Q.予算は守るほうですか?
「全く。常に変動してます」
Q.1週間の食費は?
「約200ドル(約2万円)。クライアントの接待があれば1000ドル(約10万円)を超えることもあります」
Q.必要だけど資金が足りないものを1つ
「ないですね。必要なものがあれば働いて稼ぎます」
Q.望んでいるけどできないことを1つ
「もっと旅行すること。でもバランスよく仕事していきたいから、プライベートジェットがあるといいかな」
Q.しっかりと計画して買った、一番新しい物は?
「そういうことをする必要はもうありませんね」
Q.クレジットカードはありますか?
「持ってます。個人用2枚とビジネス用2枚」
Q.借金は?
「投資資産のローンがあります」
Q.退職後に備えて貯金は?
「もちろんしてます。24歳から始めて、貯金額は100万ドル(約1億円)を超えました」
Q.賃金格差の影響は感じますか?
「この手の質問は嫌いです。人のせいにするのは好きじゃないので。起業して、自己実現のために懸命に働いて、年齢や性別に関係ない収入を得てきました。もちろんもっと少ない時期もありましたよ。私にとって大切なのは、私自身の価値やモラルや幸福を守ることなんです」
Q.何歳で退職したい?
「永遠に働いていたいですね。働けるうちは」
Q.10年後の年収はいくらだと思う?
「目標は純資産5000万ドル(約53億円)」
Q.日々の幸福度を1から10までで表すと?
「幸せなことを選んでやってますから、10の日がほとんど」
Q.よくお金の心配をする?
「いいえ。取引が遅れればクレジット額が膨らみますけど、生産性が高かったら心配も少ないので」
Q.税金が高すぎると思う?
「関心ありません」
【年収35万ドル(約3,700万円):ミーガン・R・ウィリアムズさん 37歳】
居住地 テキサス州サンアントニオ
職業 医師。不動産投資もしている。
Q.家族構成は?
「14年前に結婚し、子どもは3人(4歳・3歳・11カ月)です」
Q.持ち家ですか? 賃貸ですか?
「不動産投資を学生時代からやってきました。賃貸は学生時代までで、今は持ち家です。37万9000ドル(約4,000万円)のローンです」
Q.予算を守るほうですか?
「家計に関しては私が責任を持ち、月末に残った分を使うようにしてますが、多く残ることはありません」
Q.1週間の食費は?
「食料品費が225ドル(約2万3,000円)、外食費が300ドル(約3万1,000円)くらい」
Q.必要だけど資金が足りないものを1つ
「ないと思います」
Q.望んでいるけどできないことを1つ
「家族と過ごす時間がほしいですね。もっとゆったりと暮らしたいですけど、当分はガンガン働かないと暮らしていけません」
Q.しっかりと計画して買った、一番新しいものは?
「13年間乗っていた車を甥にあげることにして、新車用に貯金しました。支払いは4カ月で終えました」
Q.クレジットカードはありますか?
「子どもの保育費用の支払いに使う1枚だけ。できるだけ借金なしで生活していきたいので」
Q.借金は?
「家のローンと、不動産投資のローンが2件。奨学金と他の不動産投資2つは完済しました」
Q.退職後に備えて貯金は?
「もちろんしています」
Q.何歳で退職したい?
「働いていない自分は考えられないですね」
Q.賃金格差の影響は感じる?
「家族の中で女性として、私が子どもの世話に一番関わっています。学校で具合が悪くなれば迎えに行くし、学校が休みの日は一緒に家にいます。自分がそうしたいからしているんです。子どもが5カ月のときに、働き方をパートタイムに変えました。同僚の男性より収入は少ないけれど、彼らのように仕事にすべてを捧げることはできません。それでいいんです。お金は考えて使っているし、投資もしていますから」
Q.子どもたちの教育プランは?
「3人とも、生まれたときから貯金をしています。夫が、私の母校のデューク大学の学費分を蓄えようと計画を立てたんです。その貯金ですべてカバーできるといいのだけど」
Q.10年後の年収はいくらだと思う?
「2カ月前に純資産100万ドル(約1億円)でした。500万ドル(約5億3,000万円)に達したら、利子で暮らしていけるんじゃないかしら。受動的所得が20万ドル(約2,100万円)あれば、働く必要はないでしょうね」
Q.日々の幸福度を1から10までで表すと?
「8くらいですね。1日の終わりには必ず、子どもたちの顔を見ます。長男は養子で、その後、体外受精で妊娠したんですが、子どもたちがいればどんなにヒドい1日でも8になりますね」
Q.よくお金の心配をする?
「今はそうでもないです。実習生の頃まではお金がなくて、常に悩まされてて、お金の心配をしなくて済むようになりたいと思ってました」
Q.税金が高すぎると思う?
「いいえ。道路を走れるのだって税金があるからだし、介護が必要な人にはなくてはならないものですよね」
【年収8万ドル(約840万円):ジル・シャンクマンさん 38歳】
居住地 ニューヨーク州ハドソン・バレー
職業 公立小学校の教師
Q.家族構成は?
「9歳と2歳の子どもがいます。夫は専業主夫です」
Q.持ち家ですか? 賃貸ですか?
「2004年に家を購入しました。月々の支払いは1800ドル(約19万円)です」
Q.予算を守るほうですか?
「私が資金の調達係で、話し合いながらやりくりしてます。売れ残り商品をうまく利用してますよ。購入係は夫です」
Q.1週間の食費は?
「175ドル(約1万8,000円)です」
Q.必要だけど資金が足りないものを1つ
「車のチューンアップ。夏まで待たないと」
Q.望んでいるけどできないことを1つ
「プールがほしいなあ」
Q.しっかりと計画して買った、一番新しいものは?
「娘のキャンプ。2週間で670ドル(約7万円)でした。税金の還付金で行かせました」
Q.クレジットカードはありますか?
「ふだんはデビットカードを使って、大きな買い物のときだけクレジットで。夫には、予定外の歯医者の支払いとかメガネが壊れたとかでなければ、次の給与が入るまで待つように言ってます」
Q.借金は?
「クレジットカードのローンが2万ドル(約210万円)ほど。何年か分の借金なんですけど、支払いがキツくて。ほかにも夫と私の奨学金返済が合計2万5000ドル(約262万円)」
Q.退職後に備えて貯金は?
「私は公立学校の教員なので、年金があります。夫にはわずかですけど企業年金があります」
Q.何歳で退職したい?
「55歳で退職可能ですが、教師になって30年になる56歳まで働くつもりです。次女が遅く生まれたので、その頃はまだ大学生。もう2~3年多く働かなければならないかな」
Q.子どもたちの教育プランは?
「私は心理学の学位を取りましたが、父には今でも役に立たない学位だと言われていて。修士号を取ろうと学校へ戻ったので、47歳までその奨学金の返済があります。だから子どもたちの大学進学費用のことは考えてます。長女は成績が良く弁護士になりたいと言っているので、応援しています。子どもたちがしたいことが分からないなら、無理強いはしません。両親は私に進学しろと言いましたが、私は子どもたちがやりたいことを見つけるまで待つつもりです。大学の学位を必要としない職業もたくさんありますから」
Q.賃金格差の影響は感じる?
「教師としては標準だと思っています。でも重役のアシスタント職だった22歳の頃は感じました。『ハニー』とか『スウィーティー』なんて呼ばれて、我慢できませんでしたね」
Q.10年後の年収はいくらだと思う?
「10万ドル(約1,000万円)くらいあるといいな」
Q.日々の幸福度を1から10までで表すと?
「9ですね。良い日も悪い日もあるけれど、意味のあることをしていると自負しています。愛する夫と子どもがいて、副業のライター業も楽しいし。誰かに嫉妬したりなんてしません。暮らしていくのが精一杯でも、幸せです」
Q.お金の心配はする?
「します。でも健康の方がもっと心配」
Q.税金が高すぎると思う?
「収入の割にはそうでもないと思います。ニューヨークは不動産税が高いことで有名ですが、税金が低めで、良い学校がある地域なんです」
【貧困層の少し上:週給650ドル(約6万8,000円):モニカ・ピラーさん 38歳】
居住地 カリフォルニア州ノバート
職業 子どもの面倒をみながらエステティシャンとして働いている。
Q.家族構成は?
「4年前に離婚して、6歳と4歳の息子が2人。2人とも自閉症と診断されています。元夫が子どもに会える回数を増やせと要求しているので、毎年、裁判所に出向いています。近くに家族はいないので、助けが必要です。友だちもお金も何もかも置いて、あの家を出てきました。下の子は生後2週間でしたけど、子どもたちのためでした」
Q.持ち家ですか? 賃貸ですか?
「ギレアデ・ハウスという、私のようなシングルマザーに一時的に住居を与えてくれる非営利の団体に助けられています。2年前からお世話になっていて、私は学校へ行き、高卒認定試験に合格できました。息子たちも支援してもらってます。毎月の家賃は400ドル(約4万2,000円)ですが、6月には移らなければならないのでどうしたらいいか…」
Q.予算を守るほうですか?
「子どもたちはセサミストリートが大好きなので、ケーブルテレビに40ドル(約4,100円)。私はまだ医療保険制度の資格があり、子どもたちの父親が子どもたちの保険料を支払っているので、病院の支払いは多くはありません。でもクリーニング代がかなり。車のローンが360ドル(約3万8000円)です」
Q.1週間の食費は?
「息子たちはグルテン抜きの特別な食事でないとだめなので、毎日お弁当を作っています。毎週大体250ドル(約2万6,000円)ほど。時々、私も子どもたちの学校から無料の食事をもらえます。外食はしません」
Q.必要だけど資金が足りないものを1つ
「問題なくやっていると思います。食べる物は十分。でもそれも支援団体のサポートがあるからこそです」
Q.望んでいるけどできないことを1つ
「(子どもに)トレーニング用の後輪がついた自転車を買ってあげたい。貯金しなくちゃ」
Q.賃金格差の影響は感じる?
「はい、とても。賃金の低い女性は産休も取れません。進んでいるアメリカなのに。知ったときはショックでした」
Q.しっかり計画して買った、一番新しいものは?
「クリスマスプレゼント。そして今考えているのは、母をコロンビアからここへ連れてくることです。65歳なんですが、子どもたちの世話をしてもらえば、仕事ができますので」
Q.クレジットカードはありますか?
「1枚持っていますが、プリペイドカードです。クレジットスコア(信用偏差値)を上げるために使っているんです。基本は現金だけで何とかやっています。元夫の名前で何でも作られてて、私のパスポートも社会保障カードも持っていかれてしまいました。私のクレジットカードも私が知らないうちに使っていたんです」
Q.退職後に備えて貯金は?
「仕事をやめることは考えたことがないです」
Q.子どもたちの将来のプランは?
「長男は高機能自閉症ではないので、まだ言葉を話すこともできません。私の目標は、息子たちが自立して、夢を求められるようになること。でも、長男とずっと一緒に暮らしていく準備もしています。幸せになってほしいので、自立してほしいと願ってますが。家を買うために必死で働いています。家があれば、私が死んでも住む場所に困りませんからね。4歳の次男の症状は重くなく、ようやく話し始めました」
Q.10年後の年収はいくらだと思う?
「働き者なので、したいことがうまく行っていれば、月に7000ドル(約73万円)くらい」
Q.日々の幸福度を1から10までで表すと?
「8ですね。息子たちと朝、目覚めたときは10。安全で、安定した暮らしができています。息子たちは適切なプログラムを受け、私は学校に行くことができました。母を連れてきて、もっと長時間働けるようになりたい。私はとても前向きな性格なので、それがすごく助けになっています」
Q.お金の心配はする?
「いつもではないです」
Q.税金が高すぎると思う?
「一般の人にとっては、高いと思います」
※この翻訳は、抄訳です。
Translation:Yuko Oguma