モデルや女優業を経て映画監督へと転身した、イタリア人女優イヴォンヌ・ショー。伝説的なファッション・フォトグラファーであるロクサンヌ・ローウィットを主題としたドキュメンタリー映画「ROXANNE LOWIT MAGIC MOMENTS」で、初の映画監督をつとめたイヴォンヌが、京都国際映画祭での上映に合わせ初来日! 日本ならではの繊細な美的感覚に触れて、すっかり日本に惚れ込んだという彼女に、インタビューを敢行。その生き様から、「美しく生きるためのヒント」を紐解きます。
イヴォンヌ・ショー
イタリアはローマに生まれ、モデルや女優として活躍。華やかなセレブとしての地位を確立するも、監督という新たなキャリアへと挑戦を続けるイヴォンヌ。実は、娘を持つワーキングマザーという顔も。「毎日が戦い」だと語る彼女を、突き動かし続けるものとは…?
1. 自分のやり方を大切に
イタリアを拠点に、子役時代から活躍していたイヴォンヌ。テレビドラマ出演を果たし、すぐに脚光を浴びるものの、「実際はなかなか仕事が好きになれなかった」んだとか。そこで彼女は、無理にでも仕事を続けるという選択をせず、まずはしっかり演技を勉強することから始めることに。時間をかけて「本当に自分がやりたいことなのか」を見極めたうえで、映画や舞台での活動に本格的にシフトしていくようになったそう。
その後も「本場ハリウッドで勝負をしたい」と、高みを目指し続けるイヴォンヌ。周囲から「イタリアにいればスターなのに、誰も知らないアメリカに行くなんて」なんて言われながらも、自分を信じて渡米。「自分のキャリアだからこそ、他人の意見に流されすぎずに自分のやり方を大切にする」のが彼女のモットー。自分の気持ちに正直でいるという姿勢が、彼女のキャリアを押し上げてきたのだ。
2. 美の秘訣は、無理せずハッピーでいること
「多くの働くママたちと同じで、忙しくてなかなかエクササイズの時間が取れないのよ」と笑うイヴォンヌ。とはいえ、衰えぬ美貌は見ての通り。そんな彼女の美の秘訣は、イタリア人の人生観「Dolce Vita(甘い人生=人生は美しい)」に通ずる、ポジティブな姿勢から生まれたもの。
「人生は神さまの贈りもの。ワインを飲んで、美味しいものを食べて、愛する人のそばにいて、自分にできることは頑張りつつも、無理せずにハッピーで健康でいることが一番なのよ。もちろん悲しみに暮れる時もあるけれど、人生をできるだけ良いものにしたいから、くよくよしないの!」
3. 自分を放り出すくらいの気持ちで挑戦して
ファッション業界では知らぬ人はいない伝説的なフォトグラファーであり、親しい友人でもあったロクサーヌ・ローウイットを撮りおさめたドキュメンタリー作品「ROXANNE LOWIT MAGIC MOMENTS」。この映画ではじめてメガホンを握った彼女が、並々ならぬ思い入れを語ってくれた。
「私の人生から切っても切り離せない、友人・映画・ファッションという大切な要素がひとつに繋がるこのプロジェクトは、絶対に自分の手で成し遂げたかったのよ。その一心で、映画監督というまったく新しい世界に踏み出す決心をしたの。まさに"自分を放り出すくらいの覚悟"だったわ」
しかし実際のところ、映画制作にとどまらず、プロモーションやマネージメントなども行わなければならず、かなりの激務だっという監督業。そんな状況においても、「むしろ色々な経験ができて勉強になったわ」と、平然と語るイヴォンヌ。彼女の芯の強さは、夢を追う女性たちにとっても良き道標になるはず。
4. 迷っていても、やりたいことを考え続ければたどり着く
アメリカでの活動を終えてイタリアに帰国いた後も、セクシーな役回りばかりのイタリア芸能界で、自身のキャリアについて再び考えを巡らせるように。そして自然とたどり着いたのが、ドキュメンタリー映画の監督だったんだとか。
「まるで、今後の自分のキャリアを示されているみたいだったの。自分が心から望んでいるものに一直線で辿り着く人なんていないし、誰しも紆余曲折をしながら、徐々にやりたいことへと近づいていくものなのよ。でも、『コレだ!』と思うものがあったら一目散でつかみに行かなきゃだめよ!」
5. 自分の人生を幸せにするのは、自分
母として、監督として奔走する日々は多忙だけど、常に自分のベストを尽くしつつ、叶えたい夢を持ち続けるのがイヴォンヌ流。「誰かが自分を幸せにしてくれるかも…なんて待っていたらもったいないわ。自分の人生は自分で幸せにする、くらいに構えていなきゃ!」と、語ってくれました。
現在、新しいファッションドキュメンタリーを制作中の彼女。次回作では、今回の来日中に日本各所で撮影したシーンも登場するんだとか! 夢に向かって生き生きと輝き続ける彼女のこれからの活躍にますます期待したいところ。