「海外で暮らしてみたい」「働いてみたい!」と、思ったことがある人って、案外多いのでは? とはいえ、日本以外の生活に飛び込むって語学も準備もお金も…と、具体的に考えれば考えるほど、尻込みして行動できなくなってしまうもの。

そこで8月のテーマ「初体験」にちなんで、海外で暮らしている(していた)人に「"初めて"海外暮らしに挑戦したときの話」を聞いてみました。ツラかったり、嬉しかったり。この初体験エピソードにワクワクした人、あとは行動あるのみ!

渡航した国:タイ

渡航した年齢:30歳

滞在期間:8年

1人目に紹介するのは、夫と2人のお子さん、犬&猫と一緒に、タイの自然溢れるチャーン島で暮らす貴美江 チュンハオパットさん。彼女が海外暮らしを始めたきっかけは、観光で訪れたタイでのウィークエンドマーケットでのこと。今ではバリバリとネットショップ<MMPW>を運営していますが、そこに至った経緯とは…?

インターネットさえあればどこでも仕事ができたので、日本にいなければならない理由がなかった

――海外で働こうと思ったきっかけは?

タイのウィークエンドマーケットで、日本ではあまり見かけないような魅力的な洋服に出会ったんです。忘れられず2カ月後には再びタイへ。まずは日本でのフリーマーケットで出店を始めて、頻繁に買い付けのためタイと日本を行ったり来たりするようになりました。2年後、タイ人の夫との結婚を結婚を機に移住。

特に「日本を出よう!」と思っていたわけではないのですが、インターネットさえあればどこでも仕事ができたので、日本にいなければならない理由がなかったのです。

――そもそも、タイに旅行に行ったのは以前から興味があったのですか?

もともとは別の国に旅行する予定だったんですが、ギリギリになって見つけた良いツアーがたまたまタイだったんです。理想的な商品に出会えて、お店を立ち上げて…結局今に至るまで、最初予定していた国には行けてないんです(笑)。

――タイに移り住み、一番大変なのはどんなことでしょう?

今でも苦労し続けていることですが、言語の問題と現地の人のいい加減さですね。期日を守らない、商品に不良や間違いがある。それでその問題のある商品を交換・返品を要求すると、こちらが血も涙もない人扱いされるなど(笑)。最初は、それはもう憤ったんですが、「タイがダメなんじゃなく、日本がすごいんだ…」という考えになりましたね。

ただ、別の言い方をすれば「とても柔軟」なんです。例えば、役所でもなにかアクシデントに巻き込まれて、閉まる時間を過ぎてしまいそうなときは、電話をいれると時間のある人が残って待っていてくれることもありました。できることをできる限りしてくれるという優しさがあるんです。その分、こちらにも忍耐を求められるわけですが(笑)。今では、「このくらいの方が生きやすいんだなぁ」と、心地よく感じるようになりました。

言葉については、観光だと英語だけで問題ないのですが、いざ住み始めると補いきれないことがあります。子供の友達は英語を話さないので、預かるときは必死です(笑)。でも、タイ語を話すことで現地の人と距離が縮まります。

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――反対に、暮らしの中で楽しいと感じる瞬間は?

買い付けから戻ってきて、商品を片っ端から開けて恍惚としているとき、ふと窓をみたらキレイなサンセット。愛犬と子供たちを連れてビーチに出てボーっとしていると、多幸感に包まれます。

あとは帰宅して慌ただしく夕方を過ごし子供たちを寝かせた後、メールを開いて注文いただいてるともう寝るのも忘れ仕事に没頭してしまいます。好きなことを仕事にしているので、空いた時間はずーっと仕事していたいくらいなんです。主人に手伝ってもらいながらも、基本は1人で運営しているので、ものすごく孤独で大変なんです。でも、手ごたえが直に返ってくるのでやりがいがあります。 オンラインショップのお客様が、ブログを読んで島まで会いに来てくれたときは本当に嬉しかったですね。「商品だけでなく店主さんの生き方考え方全部好きで会いに来ちゃいました!」と言われたときは、照れながらも感激しました。

子供たちがもう 少し育って時間ができたら、たくさんのお客様に遊びに来てもらえるような実店舗をオープンするのが夢です。

――海外で暮らしたいと思っている女性にアドバイスはありますか?

海外生活における不満点は、日本の優れた点の裏返しです。私は海外で暮らして、日本のことを誇らしく思い改めて大好きになりました。ゼロからのスタートは大変なこともありますが自由に満ちています。みなさんの持つスキルをフル活用して、充実した生活を送ってください!