雑誌83カ国、オンラインサイト49カ国で展開する、女性メディアのグローバルブランド、コスモポリタン。他の国のコスモは、どんな女性たちが作っているの? 彼女たちの仕事にかける思いとは?

コスモポリタン アメリカ版が、各国の編集長を直撃しました!

【コスモポリタン タイ版 編集長:ピムシリ(ピム)・ジャイヤ】

編集長のピム ジャイヤは現在29歳。コスモポリタン タイ版では、マーケティング・コーディネーターとしてキャリアをスタートさせたのだとか。学生の頃はポケットサイズのコスモをバッグに入れて持ち歩くほど(タイではサイズが2通り)、ずっと憧れの雑誌だったそう。この3年間で急速に成長したウェブ部門について、また、中絶が「タブー」であるとされているタイでの紙面づくりの難しさについても語っています。

――これまでのキャリアの中で受けた、ベストなアドバイスはなんですか?

いつも笑顔を忘れないこと、ですね。同僚たちに限らず、意地悪で苦手だなと思うような人物に対しても、笑顔でいるように努めること。笑顔で挨拶することでいろんな人と繋がることができ、友情が芽生えます。そして、仕事に対し真剣に、誠実に向き合うこと。また記事を書く際には自分の本心を精一杯ぶつける、ということでしょうか。

――オフィスでの1日の過ごし方について教えてください。

コスモの編集部は、笑いが絶えない、楽しい職場です。編集部は合計12人、男性が3人で残りは女性というチームです。とても仲が良いので、ランチタイムはみんなでおしゃべりを楽しみます。社会・政治のニュースから、セレブやゴシップについてまで、何でも話せる雰囲気です。にぎやかなので、コントをしているみたいだって言われるんです。コスモの編集部ですから、それもありですよね?

――コスモで働きたい、という女性たちに対してどんなアドバイスをしますか?

オープンで恐れない心を大切に、ってことでしょうか。タイの女性はとてもシャイで、ありのままでいることを恐れ、みんなと同じようであろうとしてしまいがちです。もちろんそれが彼女たちにとっては普通のことなんでしょうけど、コスモのような媒体に携わろうとするなら、きちんと自分の意見を言えて、社交的でないと務まりません。

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――読者層についてお聞かせください。

10年前のコスモ タイ版は、就職して間もない女性から、35歳くらいの女性をターゲットにしていました。ですが実際は、読者の多くが若い女子大生。彼女たちがコスモに求めていたのは、友人たちが教えてくれないような恋愛アドバイスや、デートの勝負服、週末のショッピングに役立つ情報でした。しかし、こうしたコスモが一番得意な分野へのニーズが高かったにもかかわらず、実際の読者の希望がないがしろにされていたのです。

ですから私は読者ターゲットを、18歳から30代女性に絞ることにしました。今年の頭にはミレニアル世代を対象にした「ジェネレーションC」という新しい企画を発足して、より多くの若い読者に読んでもらおうと試みています。彼女たち世代は、おもしろそうなものがあればダブルクリックして、欲しいものがあればページをキャプチャしておく、そして憂鬱な月曜日の朝を明るくしてくれるような一言をリグラムする、そんな層だと思うのです。

――タイではどんなセレブが人気ですか?

2000年代はタイのセレブを中心に表紙を組んでいたのですが、あまり好評ではありませんでした。今は年に1度だけ、タイオリジナルの表紙を組むことにしています。そのとき最も影響力のあるセレブを選ぶようにしていますが、選定の時期というのは気合いが入りますね。その他、通常ですとセクシーで賢いセレブが人気です。昨年はキム・カーダシアンの号も大きな話題になりました。意外だったのは、キリッとした表情のサラ・ジェシカ・パーカーが表情を飾ったときでしょうか。とても大きな反響がありました。

――タイでは多くの場合で人工中絶が禁止されていますよね。

タイでは違法なだけでなく、道徳的にもタブーとされています。女性にいかなる理由があっても中絶は許されないのです。ですから、なによりもセーフセックス、避妊についてきちんとした知識を得ることが大切だと思います。でも、実はタイの保健の授業では、避妊や正しいセックスについて触れないのです。これはとても大きな問題だと私は思っています。あまりにもシャイな国民性が影響し、男女が同じ教室で性教育を受けることに未だに抵抗があるのです。

――シャイな国民性であっても、セックスに関する記事は掲載され続けていますが、読者はセックスや恋愛について、どんなアドバイスや情報を求めているのでしょうか?

セックスの体位や、スキャンダラスな経験談などについてタイの人が語ることにはまだ抵抗があるみたいなので、その分野に関してはアメリカ版のものを扱っています。しかし、「Inside Men's Mind」という、タイの男性が恋愛やセックスに対してどう考えているか、という連載記事は大人気です。

――"フェミニズム"についてどう定義しますか? コスモ タイ版の読者はフェミニストでしょうか?

独立した女性であることや、独身でいることが、フェミニストになるうえで必要な要素だとは考えていません。人間関係の構築の仕方や、理性的であるかどうか、自分の意志で決めることができるか、などによって自分自身のバランスが取れ、幸せを得られると思うからです。読者はきっとフェミニストでしょう。なぜなら、自分自身を最高の女性へと導く術を知っている女性たちだと思うから。

――コスモで働き始めてから、どういったコンテンツが人気を得ていますか?

ネット関係や、デジタル世代特有のネタを扱ったコンテンツだと思います。例えば、元彼によるFacebookでのストーキング行為とか、出会い系アプリの詐欺を見抜く方法とか、あるいはジェネレーションギャップが存在する職場でうまくやる方法などが挙げられます。また、健康全般やライフスタイルのヒントになるようなコンテンツも人気です。旅に関する情報、<Airbnb>に関する情報も当てはまると思います。

――タイのミレニアル世代は、どんなSNSにハマっていますか?

今年から動画に力を入れ始めてからは、Facebookの人気が再燃しました! コスモの動画コンテンツや話題のトピック、プレゼント応募なんかも、Facebookでチェックしてくれている人が多いようです。読者によりダイレクトに魅力的な情報を届けられるという点では、インスタグラムも活用できますね。

――タイの若者事情で、他の国の読者たちが驚きそうなことはありますか?

タイの女性は"色白・美白"への憧れが非常に強いのですが、タイでは何百年にもわたって人種問題の議論で必ず浮上するテーマでもあります。タイの女性の自然な肌の色は、日焼けしたハニー色、"ハニー・タン"ですが、多くの女性はそれを嫌がります。世界中でその色こそ憧れの肌だとされているにもかかわらず、彼女たちの多くは、韓国人のような白い肌になることに憧れているのです。ただ最近になって、カーダシアン姉妹の人気のおかげもあってか、本来不要な美白用化粧品をわざわざ買って使うよりも、健康的な褐色の肌でいる方がいいという若い女性も増えてきたようです。

※この翻訳は、抄訳です。

Translation: Captain & Me, Inc.

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