雑誌83カ国、オンラインサイト49カ国で展開する、女性メディアのグローバルブランド、コスモポリタン。他の国のコスモは、どんな女性たちが作っているの? 彼女たちの仕事にかける思いとは?

コスモポリタン アメリカ版が、各国の編集長を直撃しました!

【コスモポリタン インドネシア版 前編集長:フィラ・バスキ】

フィラ・バスキ(44歳)は、コスモポリタン インドネシア版での10年間の編集長生活を終えたばかり。子どもたちと世界旅行に出かける前に、コスモポリタン アメリカ版のインタビューに応じ、コスモ運営の思い出を語ってもらいました。

――コスモポリタン インドネシア版に出会うきっかけは何でしたか?

私はコスモと同じグループの雑誌『SPICE!』の編集長でした。その前は、こちらも同じ系列の『ハーパース・バザー』誌のシンガポール特派員を務めていました。私の中には常に「Fun, Fearless, Female」(コスモのキーワード。楽しく大胆な女性を指す)があったのだと思います。コスモはアメリカでの大学生時代から読んでいました。ですから(2006年に)この会社がコスモの編集長を必要としていると知り、応募したのは自然な流れだったんです。

――あなたが受けた仕事のアドバイスで役に立ったものはありますか? それは誰からでしたか?

私の母は、私たちはアラーの神のために仕事をしなくてはならないのだと言っていました。ですから神を思うときはいつでも、自分のため、他人のため、すべてにおいて最善を尽くすのです。

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「5月号! セックスや恋愛、キャリアやライフスタイルのアドバイスが満載!」

――インドネシア版での典型的な1日を教えて下さい。

毎日が新しい日です。毎日、私のチームはお互いの業務を把握するために、一緒に過ごす時間をとりました。たとえそれが1分、5分と短くてもです。それは朝、または1日の終わりになることもありました。みんながお互いに、問題なく、ハッピーでいられるようにといつも心がけていたんです。締め切りに追われているときも、もちろんありましたけどね。

――インドネシア版で働きたい女性へのアドバイスはありますか?

もちろん。楽しく、大胆な女性であること。または男性でも! 締め切りや新しいプロジェクトに対応するために、クリエイティブかつクレイジーでいることも忘れないで下さい。

――読者はどんな女性ですか?

ベースはもちろん、楽天的で、大胆な女性です。その多くがシングルで、キャリア志向です。大抵の場合、18歳から35歳ですね。みんな、キム・カーダシアンや、ジジ・ハディッドが大好きなんです!

――インドネシアは同性婚を認めていないだけでなく、ゲイの人たちに厳しい国でもありますよね。コスモでLGBTを取り上げることはタブーなのでしょうか? それから編集長として、こういったテーマを読者に伝える責任感みたいなものはありましたか?

LGBTはインドネシアではセンシティブなテーマです。LGBTの活動家たちは、公的な場での彼らの言動を禁じる法律を変えようと闘っています。公にせず、LGBTとして静かに私生活を送るのは問題ありません。あなた次第です。しかし、「ゲイであることは普通のことだ」と公共の場で声高に主張するといった行動は、インドネシアの法律に反しています。例えば共産主義についても同じで、公の場であれこれ説くことは違法ですが、自宅で共産主義について勉強したり、本を読む分には、誰も気にしません。私はプロのジャーナリストとして、自分が書く記事は必ずインドネシアのルールや規制に沿い、法的にも認められたものであるようにしています。というわけで現時点では、(LGBTについては)何もしていません。

――人工中絶や、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康と権利について話をすることもインドネシアでは違法ですね。人工中絶について、インドネシアの若い女性へのアドバイスはありますか?

インドネシアでの人工中絶は、母体の健康面を懸念し、医師から認められれば違法ではありません。もちろん、その他の場合は法律に反します。それは他のいくつかの国でも同じです。若いインドネシア人女性で違法な人工中絶を望む人は、専門家のアドバイスを求め、ご両親とよく話し合うことがベストな解決策ではないでしょうか。健康面で懸念点があるようであれば、医師のもとを訪れて下さい。

――現在のインドネシアで、最も大きい男女の格差は何ですか?

国外の多くの人は、インドネシアが世界最大のイスラム教信仰国で、女性達にはさまざまなチャンスが与えられていないと思うことでしょう。ですが、それは違います。インドネシアの女性は男性と同じ権利を有しています。私たちのヒロイン、RAカルティニはインドネシアの女性解放運動の先駆者でした。彼女はオランダ領の東インド(現在のインドネシア)のジャワ人の上流家庭に生まれながら、さらに教育を受けることを求めたのです。

――あなたがコスモで編集長を務めて以降、どういったコンテンツが人気を集めていましたか?

セックス、テクノロジー、ファッション、そして美容ですね。ワクワクするテーマばかりでしょ!

―インドネシア版の雑誌とウェブサイトの関係性はどうですか?

私たちは大きな1つのチームです。分離なんてありえません。雑誌編集チームのみんなは、デジタルチームのことを気にかけていますし、逆も同じです。ですが、今はデジタル版のコスモをさらに成長させることに注力する人もいます。

――インドネシアのミレニアル世代に人気のSNSは何ですか?

インスタグラムですね。それから、Path(プライベートの写真共有アプリ)、スナップチャットも人気です。

――インドネシアの20代女性について、何が一番、他の国の読者を驚かせると思いますか?

インドネシア人の20代は世界の動向を把握していますよ! とってもオープンマインドで、新しいアイデアやテクノロジーを受け入れています。

――(コスモ編集長を辞め)今後のプランは? コスモで過ごした時代を振り返って何を思い出しますか?

2人の子どもたちの育児に専念します。上の子は17歳で、間もなく大学に通うでしょう。彼女の夢を叶えるために、最高の教育が受けられるようにしたいんです。下の子は3歳です。父親の顔は知りません。彼は妊娠3カ月のときに亡くなりました。だから子どものそばにいてやらないといけません。私の夢は、子供たちに世界を見せることです。外国に移住するでしょうね。おそらくヨーロッパに。新しく、エキサイティングな冒険を子供たちに与えたいんです。それから自分自身にも。

コスモに関しては、自分の力を出し切ったと思います。昨年、コスモ インドネシア版はScoop(インドネシアの雑誌や本、新聞をデジタルで読むアプリ)の「年間最優秀女性誌」に選ばれました。この賞があってもなくても、コスモは私にとって最高の存在です。次の世代がコスモのブランドネームを最高のままキープしてくれることを願っています。コスモでの10年間は幸せでした。人生でこんなにも貴重な機会を経験させてもらえて、とても感謝しています。

「最高のボスでした!」

※この翻訳は、抄訳です。

Translation: Captain & Me, Inc.

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