雑誌83カ国、オンラインサイト49カ国で展開する、女性メディアのグローバルブランド、コスモポリタン。他の国のコスモは、どんな女性たちが作っているの? 彼女たちの仕事にかける思いとは?

コスモポリタン アメリカ版が、各国の編集長を直撃しました!

【コスモポリタン リトアニア版 編集長:ヴィオレッタ・カリカウスキエーネ】

他の多くのコスモポリタン編集長とは違い、メディアではなく政治の世界から編集長に転身した異色の経歴を持つ、ヴィオレッタ・カリカウスキエーネ(42歳)。リトアニアの某市長のアドバイザーを務めていたときの自分は「みじめ」だったそうで、「そんな仕事をしている自分が愛せなかったので、辞めることにした」のだとか。それから"1カ月の浄化期間"を取って自分の人生を見つめ直し、新聞の求人欄でコスモポリタン リトアニア版の編集長のポストを発見。12年前の当初は編集局長から始め、ここ10年間は編集長として活躍中。政治の世界で培ったキャリアも雑誌作りに活かしているそう。

――かつてのあなたと同じく、今のポジションに満足していない若い女性へのアドバイスはありますか?

市長アドバイザーを辞めたことは、私の人生でベストの選択でした。素晴らしい仕事でしたが、私は好きになれなかったのです。自分の好きなことを追い求めることが大切だと思います。

――誰かから受けた仕事のアドバイスで、役に立ったことはありますか?

自分の好きな仕事を見つければ、"働かされている"という意識がなくなります。状況を変えられなくても、自分の姿勢は変えられます。このことは、日々の生活の中で、とても励みになりました。

――コスモ リトアニア版の読者はどんな女性でしょうか?

読者は基本的に、18歳以上を想定しています。ただし上限はありません。主な読者は25歳くらいの女性ですが、60歳の愛読者もいると聞いています。何歳になっても楽しく、大胆不敵になれる。リトアニア版の読者は、人生は常に楽しいことがあるわけではない、間違ったことをしてしまうのはよくあること、だけど常に立ちあがり、前に進もう、という信念を持っている人たちです。彼女たちは、コスモポリタンの「夢は実現できる」というメッセージに共感しているのだと思います。

――読者が好きなセレブリティは誰ですか?

ビヨンセやリアーナといった、世界的に有名なスターです。レベル・ウィルソン(オーストラリアの女優・コメディアン)を抜擢した表紙も好評でした。読者の好きなセレブが多岐に渡るのには驚きましたが、素晴らしいことですよね。またマイリー・サイラスやスカーレット・ヨハンソンにも好意的な反応が多いです。それから創刊記念として、毎年5月号の裏表紙には、リトアニアの男性セレブを起用しているんですよ。(以下、『コスモポリタン』5月号の裏表紙を飾ったのは、ヨナス・ナイニース

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――政治的なバックグラウンドを出版の世界でどう活かしていますか?

女性のために素晴らしい仕事を成し遂げた政治家のストーリーを取りあげました。それから、選挙の前には候補者の考えを知るため、女性の権利や女性に対する差別問題について質問しています。

――リトアニア版の読者は、アメリカの大統領選や候補者のドナルド・トランプ氏についてどう思っていますか?

多くの読者は、現状が飲み込めないようです。私が産休中に滞在していたシカゴから戻った際は、友人たちから「トランプ候補が大統領になるかもしれないって本当なの?」と、何度も聞かれました。私は「そうかもしれないわ」って答えました。

――ヒラリー・クリントン候補についてはどうですか?

どちらの候補が当選しても、女性を支持する風潮になることを願っています。リトアニアには女性大統領(ダリア・グリバウスカイテ大統領)がいるし、国民からの人気も高いんです。その理由は、彼女が女性だからではありません。重要なのは性別ではありませんから。

――リトアニアでは同性婚が法律で認められていません。コスモポリタン リトアニア版ではLGBTの記事掲載は可能でしょうか? また読者はそういった記事を受け入れるでしょうか?

もちろん。LGBTについて、リトアニアにはつらい歴史があります。リトアニアがまだソビエト連邦の一部だった時代、LGBTの人たちは排斥されていました。それにソ連からの独立前は、同性愛者であることが犯罪だったのです。その法律の縛りから解かれて20年。今では、性的指向を理由にしたあらゆる差別は禁止されています。ですから、LGBTに関する記事も自由に書けるわけです。ゲイの国会議員もいますし、ゲイのセレブも多くいます。最近では、レズビアンの人たちや、レズビアンであることがどんなことかについての特集を組みました。もちろん衝撃的にだったり、スキャンダラスに扱ったりしたわけではありません。

リトアニアのゲイの人たちと話をすると、中には法的に結婚が認められていないので国を出る人もいます。同性婚を望むなら、リトアニアを離れなければいけないのです。ですが、いつかは認められる日が来るでしょう。20年前、同性愛者でいることが罪でなくなるなんて、誰が想像できたでしょう?  同性婚についても、同じことが言えると思います。

――衝撃的な記事というと、どんなものになりますか?

明言はできませんが、同性婚をして、子どももいるカップルの記事などでしょうか。

――リトアニアで今一番大きい、男女の格差は?

賃金格差ですね。男性と女性では15%も違うんです。大学卒業生の55%は女性なのですが、女性が占める経営陣の割合は39%に止まっています。

――読者は"フェミニスト"でしょうか?

"フェミニスト"という言葉は、あまり支持を得られていないと思います。もちろん自分自身を"フェミニスト"と称する女性も中にはいますし、彼女たちはみんな、明るく楽しい人たちです。ただ、ときに"フェミニスト"という言葉がネガティブなイメージをもたらす場合もありますから。読者はどうかと言えば、おそらく「違います。"フェミニスト"と言う言葉は好きではないし、自分のこともそう呼びたくはありません」と答えるだろうと思います。ですが、実のところ彼女たちも"フェミニスト"でしょうね。だってフェミニズムの本質は男女平等を求めることですから…とてもシンプルなことなんです。

――リトアニアの女性からよく求められるアドバイスはどんなものですか?

仕事の見つけ方ですね。就職難ですから。市場は再び活発化していますが、私たち、特に若い人たちは不安でいっぱいです。仕事を見つけるのは至難の業です。現在は、小さなビジネスを始める人が増えていて、多くの女性が起業しています。ですから法律面や、友人との起業についてアドバイスをたくさん提供しています。経済危機に陥ってからというもの、いかに自立するかのアドバイスを求める女性が増えました。

――セックスや恋愛関係では、どんな情報が求められているのでしょうか?

男性と出会う方法や、良い関係を続ける方法などです。多くのカップルが遠距離恋愛だと知り、驚きました。ですから遠距離恋愛の特集を組んだこともあります。そのときは、自分たちのストーリーをシェアしてくれるカップルを探しました。

――最近、遠距離恋愛が多いのはなぜだと思いますか?

多くの若者がいろんな国から移住してきていること、またはどこかで良い仕事を探している、もしくは海外留学していることが挙げられます。留学は今、人気があるんです。

――12年前にコスモポリタンに入ったときと比べ、今はどんなコンテンツが人気でしょうか?

12年前はスマートフォンの使い方、それも電話をかける以外の使い方についての記事が多かったと記憶しています。

――驚きですね。

今はネット上のいじめや犯罪、オンラインでのデート、遠距離恋愛にネットショッピング…インターネットに関わるすべてのことが記事になります。ネットでビジネスを成功させる方法や、ビジネスにおけるSNSの活用法、それから有名になるためのセルフブランディング方法なども多いですね。

――リトアニアの読者がよく使うSNSは何でしょうか?

Facebookです。インスタグラムも人気が出てきています。またヨーロッパでは、Twitterはあまり使われていないようです。

――リトアニアの20代女性について、何が一番、他の国の読者を驚かせると思いますか?

リトアニアの20代女性は、非常に高い水準の教育を受けています。大学を卒業する半数以上が女性ですし、確か、リトアニア女性はヨーロッパで5番目に教育水準が高いんですよ。

※この翻訳は、抄訳です。

Translation: Captain & Me, Inc.

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