理想とする企業で活躍するため、まず突破しなくてはならないのが面接。とはいえ、やる気に満ち溢れるほど、不安や緊張もしてしまうもの。自分をしっかりとアピールできるように、本番に向けた入念な準備をして挑みたい。

…けれど実際、企業は面接で自分の何を見ているの? そんな疑問を解消すべく、さまざまな企業の現役人事担当者にアンケートインタビューを敢行! 魅力的と感じる人物像、ふさわしい服装、採用の決め手など、面接時にチェックしている10のポイントを明らかにします。

1. 指示待ち体質の若者が多い今、自ら進んで行動できる人に魅力を感じる

「当社の採用の基準は、10年、20年、30年といった長い目で見て、会社にどのような影響を与えてくれるかということ。 時代の変化に伴い、目まぐるしく変化する市場のニーズに対して、既存のやり方にこだわらず、自分の考えで商品や会社を変えていける人物か。また、部下や場合によっては上司も巻き込んで行動できるか。指示待ち体質の若者が多い昨今、自ら進んで行動できる人に魅力を感じますね」(大手旅行代理店・人事担当)

2. 自分を公平に評することができる人は強い

「過大評価も過小評価もせず、自分自身を公平に評することができる人は強いと思います。また、たとえ前向きになれない場に直面しても、周囲のせいにせず、仕事として取り組んでいける自責思考も欲しいですね。相手をリスペクトし、共同関係を築いていける人が理想です」(金融系会社・人事担当)

3. わかったフリをせずに、物事を把握した上で言動しているのかどうかを見ている

「マルチタスクに対応できそうな、テキパキとした印象がある人は目に留まります。それにプラスして、場合に応じて適切な言動ができる、しっかりと傾聴できるかどうかという点も見ています。レスポンスが早いというだけではなく、わかったフリをせずに、物事を把握した上で言動しているのかどうかを見ているんです」(ITサービス系会社・人事担当)

4. 服装が採用に大きく影響するかと言えば、一概にそうとは限らない

「清潔感に欠ける装いは、当然第一印象が悪いです。ですが、採用に大きく影響するかと言えば、実のところはそうとは限りません。常識の範囲内で、あくまでビジネスに沿った装いが好ましいとは思っています」(建築系会社・管理担当)

5. 濃いメイクは、相手とのコミュニケーションにも壁を作る

「真っ黒な髪色に一辺倒なリクルートスタイルでは、みんな同じに見えてしまうし、なにより暗い。自分に合った色やサイズのスーツを着用するだけでも、明るい印象に変わると思いますよ。濃いメイクは相手とのコミュニケーションにも壁を作るのでNG。清潔感のある装いが好ましいですね」(大手出版社・人事担当)

6. 話をしてすぐに不採用と決める場合もある

「面接にかかる時間は人それぞれ。ただ、面接に来ているのに働きたいという気持ちがまったく感じられない人の場合、話をしてすぐに不採用と決める場合もあります。その逆で、話を始めてすぐに次のステップに進んで欲しいと思う人もいますよ。また会って、もっと話を聞いてみたいと思わせる人が残っていきますね」(アパレル関連会社・人事担当)

7. 最終的な決め手はズバリ資格

「当社の面接にかかる時間は平均して3040分程度。採用したいと思う人がいた場合は10分で決まりますね。最終的な決め手はズバリ資格です」(建築系会社・管理担当)

8. その人が働いている姿が想像できるか否か

「基本として面接は3回行い、最も早い時で1週間ほど、遅くても3週間で最終面接まで進み内々定となります。 評価の決め手は一緒に働きたいと思う人材かどうか。特に最終面接では、その人が当社で働いている姿が想像できるかどうかを重視し、判断を下します」(大手旅行代理店・人事担当)

9.離職率や残業時間を聞くことは控えたほうが無難

「面接の『質問はありますか?』に対し、離職率や残業時間を聞くことは控えたほうが無難ですね。ダメではないけれど、やる気よりネガティブなイメージに繋がります。採用オファーが出たあとは自分に決定権があるので、そういったことを質問するのはそれからでも遅くないと思いますよ」(大手出版社・人事担当)

10. 嘘でもきっぱりと、前向きな理由で辞めたということを伝える

「職務経歴を話す際、採用側としてはなぜ辞めたかという理由を知りたいので伺う場合があります。その時に曖昧な回答をしたり、ネガティブな発言をしたりすると悪い印象を与えてしまい、採用に繋がりません。この場合、嘘でもきっぱりと、前向きな理由で辞めたということを伝えるのが最善だと思います」(建築系会社・管理担当)


面接を控えている読者へ、人事のプロ達から5つのアドバイス

・与えられた時間を有効に使って、いかに自分をアピールするかをよく考えること

・自分を作り込み過ぎず、これまでの経験や将来のビジョンなどを笑顔でアピール

・重要なのは「その時にどう対応するか」。難しい質問に答えられず頭が真っ白になってしまっても、正直に前向きな切り返しを心掛ければ大丈夫

・就職は結婚、面接はお見合い。会社がどういう自分なら受け入れてくれるか、反対に、自分はどんな企業で働きたいかを明確にして、相性の合う会社を見つけることが大切

・上手くいかなくても、その会社との相性が悪かっただけ。落ち込まず、前進あるのみ!