人には話しづらいけれど、実は多くの人が抱えている"セックス"にまつわる悩み

最近の研究では、セックスが夫婦関係においてどれほど大切かを解いているものも。この研究の著者リンジー・L・ヒックスさんいわく、セックスの頻度は円満な結婚生活に密接に関わっているとのこと。「それによってパートナーに対する自発性や積極性、ならびに感覚的な感情が変わってきます」と、ヒックスさん。

では、いざパートナーとのセックスの悩みに直面したとき、どのように向き合えばいいの? コスモポリタン イギリス版では、<ハーリー・セラピー・ロンドン>のセックスセラピスト、ステファン・ウォルターズさんにインタビュー。セックスの問題と向き合う際に知っておきたいことを、専門家の目線で語ってくれました。

1.セックスについて話すのはいいこと!

「性生活についてオープンに話すことは未だタブー視されがちで、セックスに関する考えはプライベートなものとして隠し通しておくべきだといった概念がまだまだ根強いです。でも実際のところ、セックスはあなたのアイデンティティの大事な一部であり、どのように人と関わっていくかを形づくるものでもあるのです。だから、それについて話すことはむしろ良いことだし、それを恥ずかしく思ったりする必要はありません。自分の性的な考えは生活の他の場面においてさほど関連はないと思うかもしれませんが、時として自分の内なる欲望をシェアすることにより、何か新たな側面に光が当たることもあるのです」

2.でも、ただ話すだけではダメ

「多くの場合、セックスで生じる問題は症状の1つであり、原因そのものではありません。セラピーに来る人の多くはセックスの問題を解消したいと言って、そのことばかり話して他のことには目を向けないことがあります。しかし、その問題の裏を辿っていくと、実はベッドルームで起きていることの背景には色々な思いや感情が密接に関わっていることが分かってきます。例えば引っ越しや転職などといった一見関係なさそうに思われる出来事でも、無意識にそちらに気を取られてしまっている結果、予想外の影響を性生活にもたらすことなどがあります。大切なのは、やはり問題の全体像を捉えることです」

3.最大の生殖器は「脳」である

「多くの人は性器にばかり注目し原因を探ろうとして、脳のことは忘れてしまいがちですが、セックスというのは非常に心理的な営みであり、誰かにとってのオンのスイッチが、誰かにとってはオフのスイッチになりえるのです。というのも、人それぞれ感覚や刺激の感じ方が違い、過去の経験などに沿ってそれらに対する肯定的・否定的な受け止め方があるからです。体でセックスを楽しむことはできても、本当に最高のセックスを体験するには脳との連動が必要なのです。結局のところ、脳に魔法のような快感のエネルギー(ドーパミン、セロトニン、オキシトシン、エンドルフィン等)が流れ込んだ結果、オーガズムのハイな状態を引き起こすのですから。なので自分の脳がどんな時に喜ぶのかを探っていく必要があります」

よい性生活の定義は、1つではない。

4.人によって、また時と場合によって、セックスはそれぞれ違う意味をなす

「よい性生活の定義は、1つではありません。セクシュアリティは常に変化するもので、欲望やニーズは人それぞれだし、日ごとに変わっていきます。例えば、交際が始まったばかりの頃、セックスは主に快感や情熱がその主要目的になることが多いですが、時間が経つにつれ親密さや繋がりがより重視されるようになりますし、カップルが子どもを持ちたいと思うようになれば、突如結果を求める行為へと変わっていくでしょう。中にはこういった変化や、セックスに求めるものがパートナーと噛み合わないことに戸惑う人もいます。だからこそ、セックスについて話し合うことが大切なのです」

5.後回しにしない

「セックスに関する悩みや心配があるのであれば、そのことについてなるべく早く誰かに相談することをおすすめします。家族や友達、あるいはパートナーと話すのに躊躇してしまうなら、専門家や、他に相談できそうな相手を見つけるといいでしょう。後回しにすればするほど問題が頭の中で膨れ上がり、さらに複雑化していってしまう恐れがあります。問題は見て見ぬ振りをせず、早期発見・早期対処が一番。未だかつてないほど、現代の人々は性についてオープンに話すようになってきています。だから、悩みを自分1人で抱えないでください。誰にだって、性的に満たされる権利はあるのですから」

この翻訳は、抄訳です。

Translation: 名和友梨香

COSMOPOLITAN UK