「セックスは付き合い始めが一番燃える」とよく言われるけど、「付き合いが長くなるにつれ、セックスへの情熱や頻度は減速していくもの」という話も聞いたことがあるのでは? でも、それってホント?

そんな疑問を持つ人に、ぜひ参考にしてほしい情報をコスモポリタン アメリカ版から。臨床心理士兼セックス・セラピストのミーガン・フレミングさんが、「付き合いの長さによって変わっていく"セックスの変遷"」を解説しています。人の個性が異なるように、カップルの形もセックスもさまざま。すべてのカップルが同じ変遷をたどるわけではないけれど、その変化を心得ておくことで、より良いセックスライフが送れるかも?

1. 付き合い始めのころ

もっとも燃え上がる時期でもあるけれど、人によっては神経をすり減らす時期でもあるんだとか。「セックスの喜びを満喫できる時期ではあるものの、"恋人になる"という関係性が生まれることで、セックスに対しての責任感を感じてしまう場合もあるんです」とミーガンさん。「付き合い始めの新鮮な気持ちによってセックスに火がつく人もいる一方で、付き合う前は良かったけれど、"恋人"になったとたん気持ちが萎えてしまう場合もあります」。また、相手を楽しませたいと思うばかりに、ストレスになってしまうケースもあるのだそう。「そういう人の場合は、心からリラックスできる関係を構築することが大切です」。

男女間の交際(ストレートカップル)の場合、オーガズムの感度の差も気になるところ。社会学者のエリザベス・アームストロングが以前行った調査では、「数回セックスを重ねると、オーガズムや気持ちよさの差は徐々に小さくなっていくもの」と考察されているよう。「"ただセックスする"関係から"恋人同士"になるにしたがい、オーガズムの差は半減するようです。これは『どうしたら相手が喜ぶのか』を知るために、ある程度時間が必要なことを物語っているのです」とのこと。

2. 交際開始から618カ月

2,814人の異性愛者を対象としたセックスの満足度について、2016年に学術誌『Archives of Sexual Behavior(性行動のアーカイブ)』に発表された論文によると、カップルがもっとも幸せなセックスライフを送っている時期は交際612カ月頃であり、つまりこの時期が研究者が考える"セックス絶頂期"なんだとか。

しかしミーガンさんは、18カ月を過ぎた頃にこの"絶頂期"は終息を迎えることが多いと指摘。これはその後セックスが楽しめなくなるという意味ではなく、その時期までにお互いの体を知り尽くし、その上でより親密な絆が生まれるということを指すそう。「常に相手に性的魅力を求めていた人でも、ある時期が来るとそういった気持ちが落ち着きます。その代り、相手がどんな状況でも(例えばお腹を壊してヨレヨレの姿を見せられても)、愛情を感じ、セックスしたいと感じるようになるのです」。つまり時間とコミットメント(お互いの関係の深さ)により、別次元の愛情が生まれるということのよう。

3. 結婚(または事実婚)後

結婚そのものがセックスの満足度を高めることはないものの、結婚や長く安定した交際がもたらす"安心感"が、「もっと過激なセックスをしてみたい」「セックストイを使ってみたい」といった大胆な欲求に繋がることがあるんだそう。これは安定した関係のカップルの場合、オープンなコミュニケーションが可能なため「セックスしたくなっちゃった」「こんなセックスがしたい」といった発言をしやすいからなんだとか。

とはいえ、セックスは日常生活や置かれている状況に大いに影響を受けるもの。例えば住宅ローン、昇進、リストラ、転職など人生の転機を迎えた時には、セックスの時間を確保するのが難しくなる場合も。そんなカップルにミーガンさんは「スケジュールを立てること(=セックスする日を決めること)」を推奨。2人が同時にセックスしたいと思わなければ、セックスは成立しないと思いがちです。でもセックスする日をあらかじめ決めておくことで、各々が時間をかけてその日を意識するようになります。そして徐々に気持ちが高まっていくんです」。

4. 子どもが生まれた後

子育てとは時間と労力を必要とすること。だからといって「子どもが生まれたからセックスする時間がない」ということではないはず。「子どもに費やす時間は何より大切ですが、セックスも幸せな関係を左右する重要なポイントです」とミーガンさん。この場合も「スケジュールを立てること」は効果的なんだとか。お互いの状況を把握し、セックスへのコンディションを整えていくことができるからなんだそう。

またミーガンさんは、子どもを持つカップルにありがちなある症状についても指摘。「私は"触りすぎ症候群"と呼んでいるのですが、日中子どもの体に触れながら面倒を見ているため、性行為としてパートナーの体に触れることに嫌悪感を感じてしまうことがあるんです。この場合"モーニングセックス"は解決策の1つでしょう。ロマンチックなディナーの後で親密なセックス…は理想的ですが、子育て中の多忙な時期には非現実的。だからといって、セックスライフを諦める必要はないのです」。

5. 更年期および閉経後

一般的にはセックスの頻度が高まる時期ではないものの、避妊の必要がなく計画外の妊娠のリスクもないため、安心してセックスを楽しめる時期ではあるはず。ただ、「医学的には、セックスするために女性ホルモンは必要ありません。しかし(セックスのために)ホルモン治療を考える女性もいますし、(女性器を濡らすための)ローションがないとセックスできない人も存在します」とミーガンさんが語るように、この時期の女性の体はとてもデリケート。そんな年齢を重ねたカップルに、ミーガンさんは「前戯にじっくり時間をかけること」とアドバイス。「すでにリタイアしている場合も含め、家ですごす時間も増えている時期だからこそ楽しめるセックスもあるはずです」。

同じ人生が2つとないように、セックスライフも人それぞれ。理想型はなく、常にチャレンジがあるのみ。セックスには年齢制限も満足度の上限もないことを覚えておきましょう。

この翻訳は、抄訳です。

Translation: 宮田華子

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