日本ではセックス時の避妊法と聞いて、コンドームかピルを思い浮かべる人が多いのでは?
今回はコスモポリタン アメリカ版から、海外ではピルと並んで人気があるといわれている「IUD(子宮内避妊具)」に関する基礎知識を紹介。 "避妊リング"の通称で呼ばれるこの避妊方法の効果は99%以上と高く、IUDの種類によっては最長12年も効果が持続するものも。
IUDには基本的に、銅付加型とホルモン付加型の2種類があって、避妊のメカニズムはそれぞれ異なるそう。銅付加型(パラガードなど)は子宮内環境を化学的に変化させて精子を死滅させるのに対し、ホルモン付加型(ミレーナ など)はプロゲスチンというホルモンを体内に放出することで排卵を抑止するんだとか。
高い避妊効果が期待できるとはいえ、子宮内に長期間入れておくものだから、興味のある女子もそのデメリットや不向きなケースを慎重に押さえておきたいところ。ここでは、産婦人科医のテリー・ヴァンダーリンデ氏と、臨床性科学者でSEXカウンセラーでもあるエリック・マーロー・ギャリソン氏の監修のもと 、IUDに「不向きな女子」について解説!
1. 性感染症対策をしていない人
IUDには性感染症の予防効果が無いことは忘れないでおきたいところ。複数の相手とセックスしている人や、コンドームなどのバリア式避妊法を利用していない場合、IUDを唯一の避妊手段とするのは得策ではないそう。
2. 生理が重くて不定期な人
生理を軽くしたい場合はピルを服用する女子が多いよう。IUDの種類(パラガードなど)によっては、避妊用ピルのように生理痛緩和効果は無く、逆に生理が重くなるケースもあるのだとか。以前コスモポリタン アメリカ版で紹介されたシェリル・チャスティーン医師の解説によると、「パラガードを装着してから6カ月ほどは、副作用で生理の経血量が多くなったり、生理痛が悪化することがよくあります」とのこと。でも、がっかりするのはまだ早いかも。ミレーナのようなホルモン系のIUDを装着した場合には、生理の量と痛みがともに軽くなったという女子も多いそう。
3. ウィルソン病経験のある人
ギャリソン氏によると、ウィルソン病とは銅代謝異常で銅を体内に蓄積してしまう障害なのだそう。ウィルソン病を持つ人には、銅付加型のIUDは不向きで、ホルモン付加型のミレーナがオススメとのこと。
4. 特定の子宮筋腫がある人
子宮筋腫(子宮にできる良性の腫瘍)のある女性は、いずれのタイプのIUDも使用を避けた方がよさそう。ヴァンダーリンデ医師によると、筋腫の位置が子宮筋層内にあり内膜に影響しない場合は大丈夫なんだとか。ただし、筋腫が子宮の内側にある場合はIUDがうまく機能しない可能性があるそう。つまり、IUDが効果を発揮するには、正しい位置に装着される必要があり、筋腫が子宮の形を変えてしまうと位置がずれて効果が薄れる場合があるということ。
5. 子宮の形が適さない人
ギャリソン氏いわく、超音波検査をすれば、子宮の形がTの字型のIUDに向いているかが診断できるそう。ちなみに海外にはGynefixというI字型をした銅付加型の小型IUDがあり、これは糸に銅のビーズをつけたようなつくりで、子宮内に固定するというよりは"浮かせておく"んだとか!
6. 体内に装着なんて考えただけで恐い、という人
ギャリソン氏いわく、このタイプの人たちは「体内恐怖症」に分類されるそう。IUDをはじめ、体内に"異物"を入れるという発想に抵抗がある人は、その装着プロセスを想像することで生じる精神的不安とストレスが、IUDの避妊メリットを上回る可能性が…。
7. 経血量が異常な人
これはIUDを諦める決定的な要因ではないそうだけど、ヴァンダーリンデ医師いわく、「経血量が異常に多い女性は装着前に必ず医師の診断を受けるべき」とのこと。経血量の異常は、子宮内膜がんのような深刻な病気の兆候である危険性もあるんだとか。
8. 性感染症にかかっている人
性感染症を患った状態でIUDを入れてしまうのは危険なのだそう。病院でのIUD装着の際、事前に性感染症のテストを受けるのがオススメ。感染した子宮頸部にIUDを装着すると、感染を拡大させてしまったり、骨盤内炎症性疾患になってしまうこともあるので注意が必要とのこと。
9. 妊娠の可能性がある人
銅付加型のIUDは緊急避妊薬と同じ働きをするそうなので、妊娠の可能性がある女性はやめておいた方が賢明のよう。
IUDは必ず専門医による装着が必要なので、上記を含め気になる点がある人は、担当医師に相談しながら装着を検討しましょう。
※この翻訳は、抄訳です。
Translation:シャー順子