専門家が語る「性暴力被害」によるトラウマを癒すには?

「あなた自身は何も変わらないのだと認識することが重要なのです」

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性暴力被害者にとって、心と体が癒されるまでのプロセスは辛く、そして時間を要するもの。事件直後に警察に通報したり、検査を受けたりしても、その後の長く続く人生において、ほとんどの被害者たちが十分なサポートを受けることなく苦しんでいるとも言われているそう。

セックス・セラピストのヴァネッサ・マーリン氏と、大学で性について講義しているローラ・マクガイア博士が解説する「性暴力被害者が精神的に癒され、立ち直るための方法」をコスモポリタン アメリカ版から。性暴力被害が年々増加する昨今。「1人で苦しまず、家族や友人、そして専門家に助けを求めてほしい」と訴える専門家の意見を紹介します。

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1心の傷を癒すためにたどる道は人それぞれ

性暴行被害者の心の中に、事件後最初に噴き出す感情は怒り、悲しみ、恐怖などが多いものの、中には何も感情が沸き上がってこない人もいると語るマクガイア博士。「これらはすべて大変自然な反応です。被害者の感情は常に変動し、心の回復のためにたどる道も人それぞれです」。トラウマから立ち直るために「こうすべき」「こんなこと考えてはいけない」というルールはなく、どんなことを思い、考えることも自由なのだと覚えておきましょう。

2.自分を責めないで

回復のためのルールはないものの、「被害にあったのは自分のせい」と思うのは間違い、とマクガイア博士は指摘。「私が面談した性暴行被害者の学生の中には『私があの人と付き合っていなければ事件は起きなかった』『私が自分で招いてしまったこと』など、自分を責めてしまう子たちがたくさんいました」。自分を責めるのではなく、あなたの話を聞き、あなたの立場になって考えてくれる人にまずは心を打ち明けてみて。

3.専門家の助けを求めて

専門家によるカウンセリングやセラピーを受けることもぜひ検討してほしい、と話すマクガイア博士。「トラウマを抱えてしまったとき、脳は『心が落ち着くまで、考えるのをやめよう』と指令を出すことがあります。これもある意味、回復のためには必要なプロセスです。もし事件について考え続けてしまったら、身も心も壊れてしまうので、本能が知るブレーキとも言えるのです。でももし『誰かに相談したい』と思うなら、ぜひ専門家に連絡し助けを求めてください」。

4.パートナーと一緒にカウンセリングを受ける

付き合っているパートナーがいる場合、一緒に(または個別に)カウンセリングを受けるのも効果的なのだとか。しかし被害者が事件後すぐにカウンセリングに繋がることは少なく、パートナーとの関係に問題が起って初めて「カウンセリングを受けなくては」と考え始めることが多いよう。

性暴行事件について悩みを抱えるカップルは、被害者本人だけでなくパートナーも"被害者の1人"であるとマーリン氏は指摘。「被害者のパートナーは『(性暴力被害者の)彼女が信頼してくれないのは自分のせい?』『僕に魅力がないから彼女が愛情を示してくれないのか?』と悩んでいることが多いのですが、こういった反応は被害者によく見られるものです。カウンセリングは被害者本人だけでなく、パートナーのためのものでもあるのです」。

5.助けを求める際、人選は慎重に

「被害者が家族や友人に助けを求めるのは当然のことですが、時としてごく親しい人に頼ることが逆効果になることがあります。適切にサポートしてくれる場合もありますが、彼らに性暴行についての知識がない(または被害の事実を知らない)場合、親しいだけに心無い言葉を投げかけたり、辛い質問をすることもあるからです」とマクガイア博士は説明。「事件のことを多くの人に話す必要はありません。誰に話し、そして誰に頼るのかをじっくり考えることは、あなた自身を守るために必要なことです」。

6.自分の心に耳を傾ける

少しだけ落ち着きを取り戻したころに、心の声に耳を傾けることで回復の糸口が見つかることもあるとのこと。「日記をつけたり瞑想をすることで、心の動きや考えを浮き彫りにすることが可能です。この作業を1人で行うのが辛いと感じる場合は、専門家にぜひ相談してください。何が一番辛いのかを一緒に見つめ、解決法を探す手助けをしてくれるはずです」とマクガイア博士。

7.辛い記憶を思い起こさせるものをリストにする

被害者が心の傷を癒すためにもっとも重要であり、かつ難しいことの1つが「性暴行の記憶を思い起こさせるきっかけになるもの」を突き止める作業。「ある特定の言葉を耳にすると事件を思い出してしまう」「セックスのときにある体位をすると、事件の記憶がよみがえる」など、記憶のスイッチを入れてしまうパターンを理解することで、回復への大きなステップを踏み出せる可能性があるとのこと。しかし被害者にとって、これは辛い作業であることも事実。「セックス中、パートナーの姿が見えない体位のときに急に不安になり、暴行されたことを思い出してしまう女性が多いのです。また加害者が発した言葉や名称などをパートナーが言っているのを聞くことが、記憶を呼び起こす引き金(トリガー)になってしまうこともあります」とマーリン氏は解説。「"引き金リスト"を作ることで、問題が解決するわけではありませんが、認識することで避けることはできます。被害者が少しでも安心感をもって生活できることがもっとも重要なのです」。

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8."引き金(トリガー)"を無視しない

被害者は、「特定の行動や言葉によって辛い記憶が呼び起こされてしまう」という事実そのものに最初は驚くのだそう。「引き金(トリガー)を無視せず、引き金にならないことをすればよい、と考えることが大切です。たとえばパートナーとのセックス中に辛い記憶がよみがえってしまうと、『なぜこんなことで苦しまなくてはいけないの? 私は今安全な場所にいるはずなのに』と思いがちです。でもこれは頭が理解していることと体の反応は、必ずしも一致しないことを物語っています」とマーリン氏は説明。"引き金"を無視して無理を続けると、心のダメージはさらに大きくなる可能性もあるとのこと。

9.「安全リスト」も作成する

7と同様に「安全リスト」を作るのも回復へのステップに繋がるそう。「『パートナーにマッサージをしてもらっているときは、いつも安心した気持ちでいられる』など、辛い記憶を呼び起さない"安全な行動"は必ずあるものです。『引き金リスト』と共に行動の参考にすることで、より安全に楽しく生活できるはず」とマーリン氏はアドバイス。また、"引き金"となることがセックスに関係することだけなのか、そうでない普段の生活にも存在するのかを知ることも大切。もしセックス中だけなのであれば、パニックを起こしそうになったらベッドを離れて隣の部屋に行く、すぐに散歩をする、など、安全な行動と組み合わせるオプションを先に想定しておくこともできるのだとか。

10.「人生は楽しむべきもの」と自分に言い聞かせる

性的快感やパートナーとの親密な関係は本来、人生の喜びを思い出させてくれるエッセンスの1つだと思い返すこと。パートナーとのセックスで「気持ちいい」と思えることがあったら彼にリクエストしたり、少しずつ自分が楽しめる方向にしていくのも効果的なのだそう。

11.「ノー」と言うことを恐れない

日常生活でもセックス中でも、嫌なこと、してほしくないことにきちんと「ノー」と言えることは回復に繫がるレッスン。「女性は『ノー』と言うのが苦手な傾向にあります。でもどんな状況でも丁寧に、かつハッキリ断ることは大切なことです」と強調するマーリン氏。友人に何か頼まれたとき、同僚にシフトを変わってほしいとお願いされたとき、出来ない/やりたくないのなら丁寧に、でも罪悪感を持たずに断ってOK。そうすることで自分自身に自信をもつことができるはず。

12.幸せな気持ちになれること、心が落ち着くことは何でもトライする

「これをすると癒される…」と感じることは、人それぞれ違うもの。料理や散歩、音楽鑑賞など、心が落ち着く行動があるなら、進んで取り入れるのも効果的なのだとか。性暴行被害の後の治療や回復へのプロセスは、"引き金"や辛い行動を特定するなど厳しい現実に向き合うものも多いけれど、自分自身が楽しみながら癒しに繋がることも必ずある、とマーリン氏。「自分が楽しいと感じる行動を繰り返すことで、心に『私は幸せになるべき』というメッセージを送ってください。性暴行の被害にあったことで、あなた自身が変わったわけでは決してないのです」。

13.キスやハグを楽しんでみる

もしキスやハグがあなたの"引き金"ではないのなら、性的な行為への抵抗を少しずつ減らすレッスンとしてトライするのも良いそう。

14."引き金"が生涯残ったとしても、幸せは必ずやってくる

性暴行被害から完全に癒されることは、長く困難なプロセスであることは事実。良いと言われることはすべて試し、カウンセリングに通い、楽しめることを探してみたところで完全に回復するのは難しく、"引き金"が残ってしまう人もいるそう。しかしマーリン氏はこう説明。「性暴行被害によるトラウマは回復が難しいものですが、"引き金"が消えないからといって癒されていない、前に進めていないということではありません。完璧に忘れ去ることがゴールではなく、被害を受けたとしてもあなた自身は何も変わらないのだと認識することの方が、ずっと重要なのです」。

あなたには、信頼できる人と共に充実した人生を送る権利があるのだということを、どうか忘れないで。

この翻訳は、抄訳です。

Translation: 宮田華子

COSMOPOLITAN US

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