オンラインやスマホの普及に伴い、パートナー探しの方法もどんどん進化し、恋愛に対する考え方も変化している現代。コスモポリタン アメリカ版の恋愛ライターが、過去10年のデータをもとに、その推移を以下のように分析しています。

この10年で、人々のデートに対する意識は大きく変わりました。10年前はまだ出会い系アプリは存在せずウェブサイトだけでしたが、当時はオンラインデートがまだ一般的ではなかったため、「内緒で」サイトに登録し、「こっそり」とパートナー探しをしていた人が多かったはずです。でももう時代は違います。スマホに出会い系アプリを何個もインストールして恋活・婚活(またはセックス相手の検索)するのが、ごく普通のこととなりました。

オンラインデートサービスを提供している<OkCupid>では、サイトがローンチした2005年からデータを蓄積しています。下記に紹介するアンケート結果をみると、「アプリ以前」から「(アプリ登場後の)現在」まで、人々のデートやセックス、恋愛への向き合い方がどう変化したのか、そして携帯からの恋愛やセックスへの導線がいかに多様化したのかが分かります。

Q:初デートでセックスしてもいいと思う?2005年:はい(69%) いいえ(31%) 2015年:はい(50%) いいえ(50%)

OkCupidの調査によると、2005年に比べ、初デートでセックスを期待する人は減っています。初デートでのセックスに最も関心が少ないのはストレートの女性ですが、時代と共にさらにこの傾向は強まり48%(2005年)から25%(2015年)に減少しています。

上記質問に「はい」と答えた人の内訳ストレート男性:2005年(81%)→2015年(64%)≪17%の減少≫ゲイ男性:2005年(83%)→2015年(57%)≪26%の減少≫バイセクシャル男性:2005年(90%)→2015年(72%)≪18%の減少≫ストレート女性:2005年(48%)→2015年(25%)≪23%の減少≫レズビアン女性:2005年(66%)→2015年(48%)≪18%の減少≫バイセクシャル女性:2005年(69%)→2015年(53%)≪16%の減少≫

OkCupidはこの結果を「(アプリ登場以後の現在)人々は単にセックスだけを求めているわけではない」、「『性的行為』と『恋人がほしい』という願望を差別化するようになった」と分析しています。

また同データによると、「相手が過去に何人とセックスしたか気になる」、「女性が性的なことを大胆に話すことに抵抗がある」、「セックスをするためだけにデートしたことがある」と答えている人の数も減少しています。

これは人々が「セックスするのをやめてしまった」ということではもちろんありません。「彼氏」「彼女」だけでなく、「パートナー」の枠組みの中に「セックスフレンド」という新カテゴリーも登場したことを意味します。最初のデートでセックスする人が減っているのと同時に、2回目のデートでセックスする人も減っているようです。まずは「飲みにいく」、「ちょっとお茶する」、「一緒にテレビやDVDを見る」関係になり、その後セックスをする、というのが一般的な流れになってきていますが、この過程で「(そのうち)セックスはすると思うけど、きっと恋人にはならない」というグレーゾーンの人間関係が生まれます。

OkCupidのデータによると、「恋愛や長期的交際ではなく、セックスすることを主目的とした友人関係(セックスフレンド)を持つことを考えたことがありますか?」という質問に「はい」と答えた人は2010年の50%から61%に増加しています。

Q:恋愛や長期的交際ではなく、セックスすることを主目的とした友人関係を持つことを考えたことがありますか?2010年:はい(50%) いいえ(50%)2015年:はい(61%) いいえ(39%)

また下記の質問も、興味深い結果です。

Q:(将来の展望について考えないで回答する場合)愛とセックス、どちらにより興味がありますか?2005年:愛(75%) セックス(25%)2015年:愛(75%) セックス(25%)

人々は10年前も今も同じように「愛」を求め、そして「セックス」にも興味があるのです。でもこの10年で変わったのは、「本当はセックスしたいだけだけど、とりあえずデートしてみる(そしてあわよくばセックスが出来たら、そのままドロン!)」的なまわりくどいことをせず、人々がもっと欲望に忠実に行動するようになったこと。これは出会い系アプリの登場とその機能による部分も大きく、女性も「セックスしたい」と意思表示することが社会的に受け入れられやすい環境になったことを物語っています。

といっても、まずはデートをするのが一般的。すると「また会いたい」、「またデートしたい」人かどうかわかります。そして引き続きデートをつづけた後にいつかセックスする。これが現代の「デートの3段階ルール」として定着しつつあるようです。

Q:素敵な人と出会い、デートを始めたあなた。初めてセックスするまでに何回デートが必要ですか?1~2回 :2005年(22%)→2015年(28%)≪6%の増加≫3~5回 :2005年(44%)→2015年(47%)≪3%の増加≫6回以上 :2005年(27%)→2015年(20%)≪7%の減少≫結婚するまでしない:2005年(7%)→2015年(5%)≪2%の減少≫

でもこの「3段階ルール」に違和感がある、とりあえずセックスしてみたいという人もいるでしょう。そういうタイプの人はセックスフレンドを探せばいいのです。

恋愛を育てるには時間が必要です。楽しいデートの終わりは(セックスではなくて)「ドアの前でハグするだけ」という時期があっていいのではないでしょうか?

OkCupidによる他の比較データはこちらから。

※この翻訳は、抄訳です。

Translation: 宮田華子

COSMOPOLITAN US