意識的・無意識的にかかわらず、人は毎日さまざまなことを記憶に基づいて行っている生き物。例えば毎朝飲むコーヒーを好みの濃さで淹れたり、ルーティーンエクササイズを順番どおりに行ったり、家から駅まで迷わず行けるのも、すべて記憶が蓄積されているからこそ。

そんな大切な「記憶力」を活性化させる"意外な"方法について、コスモポリタン イギリス版がレポート。その方法とはなんと、「セックス」!

米学術誌『Archives of Sexual Behavior』(201611月発行)に発表された研究論文によると、セックスと記憶力(特に言語にまつわる記憶)には関連性があり、挿入行為を伴うセックスを高い頻度で行っている女性は、そうでない女性と比較し言語面での記憶力が高いとのこと。

上記の研究では、カナダ・マギル大学のチームが1829歳の女性78人を対象に調査実験を実施。その内容は、まず性行動と日常生活についての質問をし、その後コンピューターを使用して"言葉"と"顔写真"をランダムに見せ記憶させるというもの。そして再度被験者に、1度見せたものと新規のものを混ぜた写真を見せ、見たことのある"言葉"や"顔写真"を正しく言い当てられるかを調査。

実験結果を分析すると、男性器を女性器に挿入するタイプのセックスを高い頻度で行っている女性は、そうでない女性と比較して"言葉"の記憶力が高いという結果に。しかし"顔写真"についての記憶力とセックス頻度との関連性は発見できなかったのだとか。この結果から、挿入型のセックスによる刺激には脳の言語の記憶をつかさどる部位「海馬」におけるニューロン新生(神経細胞が分化する生理現象)を助ける働きがあるのでは?と研究者たちは考えているよう。

今回の研究では短期的記憶についてのみ調査が行われたものの、論文の著者の1人であるイエンス・プルスナー博士は「長期的記憶についても、同様の結果が得られるのでは」と考えているそう。また今回の研究には盛り込まれなかったけれど、セックスは海馬がつかさどる他の認知機能、たとえば空間認識(建築物などを起点に方向・方角を記憶する能力)などへの効果も期待できると解説。

今回の調査は被験者の数も少なく、また自己申告ベースでの回答も使用しているため、今後さらなる研究が必要とのこと。とはいえ、セックスする理由がまた1つ増えたことには変わりない!?

この翻訳は、抄訳です。

Translation: 宮田華子

COSMOPOLITAN UK

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