「仕事をする」→「賃金をもらえる」は当然の発想だけど、最近発表された研究では「家事労働」→「女性がするもの」という発想もまだ根強いそう。これはジェンダーギャップ(男女格差)がいまだ存在することを示唆しており、21世紀とは思えぬこの結果にガッカリする人も多いのでは?
コスモポリタン イギリス版が学術誌『Sex Roles(原題訳:性別と役割))』に掲載された研究について報じた内容によると、年齢・年代に関わらず女性は「家事労働の大部分を完了させる」役割を担う可能性が高く、このことが「家事をするのは女性」という考えに繋がっているのだそう。また、これは男女間の収入や労働時間の差とも深い関わりがあるんだとか。
カナダの研究チームは、パートナーを持つ900人以上の成人を対象に調査を実施。25歳(成人移行期)、32歳(若年成人)、43歳(中年)のカップルにアンケートを行い、各年代/時期による家事分担の方法や、環境の変化による家事分担への影響を検証したそう。
論文の筆頭著者であるカナダのアルバータ大学のレベッカ・ホーンさんは「(年代に関わらず)女性の方が男性より家事労働を行っています」と説明。「男女間の家事責任分担は、家事労働の分量の違いに関わらず、各年代/時期で一貫した傾向があるのです」。
具体的には、25歳前後の場合、女性、または収入が低い方のパートナーがより多く家事を行い、32歳の場合、労働時間や男性が子育てに費やす時間が家事分担に大きな影響を与えているよう。
ここで、この研究結果に「まあ、仕方ないよね」とうなずいた人。もしかしたら、パートナーとの関係に黄色信号かも? 別の調査によれば、妻は家事を手伝ってくれる夫に性的魅力を感じる可能性が高いことが判明。これは(男性が家事を手伝ってくれることで)女性の仕事と家庭生活の両立に対するストレスが軽減し、また家事責任を共有することで、平等な関係を築くことに繋がるからなんだとか。
また、男性パートナーが家事を「平等に行うべきもの」と認識すると、そのカップルはセックスの頻度が上がり、女性側は性生活への満足度が高まる――と分析された調査もあるとのこと。カリフォルニア大学の社会学者スコット・コルトレーン教授は次のように解説。
「夫婦間で家事を上手に分担するコツは、"男女平等"の認識が同じかどうかでしょう。かつて男性は『妻がすべての家事や育児をするべき』と考えていましたが、女性も男性と同じように働いている現代において、男性も家事や子育ての責任をもっと担うべきなのです」
もちろん、2人のどちらが家事のイニシアチブを取るか、また何をどう分担すべきかは、家庭ごとにベストな方法は異なるはず。でも、もしあなたが家事に負担を感じている場合、こういった研究結果が原因究明や状況を変えるきっかけになるのでは?
※この翻訳は、抄訳です。
Translation: 宮田華子
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