家族の絆が強い家庭で育った場合、親や兄弟が自分の彼氏や結婚についてどう思うかが、人生の決断を揺るがす大きな一因になることも。

コスモポリタン フィリピン版では、親が反対する恋人と一緒になることを決めた5人のフィリピン人女性たちが、その家族事情や波瀾万丈な経緯、そして同じような悩みを抱える女性たちに贈るアドバイスをシェアしてくれました。

エリースさん(30歳)の場合

すべての女性のみなさんへ。自分の決断を信じて、心に素直に従って欲しい。

「大学時代に知り合った私たちでしたが、それから10年経ってようやく付き合うようになりました。彼はいつも私の側にいてくれましたが、私の方が心の準備が出来るまでに時間がかかってしまい、それもあってか付き合い始めてわずか2カ月でプロポーズされました。

私の母は彼のことが気に入らず、あらゆる手を尽くして別れさせようとしました。彼が家に遊びに来た時は玄関の鍵を締めて入れないようにし、直接私と別れるよう説得を試みたこともありました。彼と婚約してからは、母は一切口をきいてくれなくなり、私にとってはとても辛い時期でした。

すべてから少し距離を置こうと思い、私は市外に転職しました。でも、彼は距離にめげることなく、その1年後再びプロポーズしてくれました。私はプロポーズを受けましたが、忙しくて結婚式の準備は出来ないと伝えました。すると彼は全部自分の方でやっておくから心配するなと言ってくれました。

私は家族に結婚を決めたことを伝えました。その間、彼は結婚式の準備をすべて1人で進め、私は式当日の10日前に帰省しました。

母はそんな彼の努力を買ってくれたのかもしれません。結婚式以降、私たちの関係は少しずつ良くなっていきました。私の家族は、彼が私をどれだけ大切にしてくれているか、どれだけ責任感があるか、どれだけ愛してくれているかに気づき始めました。おかげで今では、円満な関係を築けています。

すべての女性のみなさんに贈りたいアドバイスは、自分の決断を信じて、心に素直に従って欲しいということ。あなたのことを誰よりも大切にし、あなたの幸せを最優先にしてくれて、あなたが相手の前でありのままでいられるような、素敵な男性を見つけてください。そして見つけたら、決して手放さないでくださいね」

Rさん(29歳)の場合

最終的にあなたの人生を決めるのは、あなた自身。他の誰でもありません。

「ジョセフとは映画学校で出逢いました。私の家族のほとんどは彼のことをそれなりに受け入れてくれましたが、母だけは違いました。

母は彼の悪口ばかり言いました。彼と一緒にいることは私にとって良くないと。彼がいい人であることは認めているようでしたが、とにかく私には合わないと言い張りました。そして、彼と数年付き合っていたにも関わらず、何度も会社で私と同い年の男性を探して来ては、私とくっつけようとしました。

しかしそんな試みも、私が妊娠したのを機になくなりました。ジョセフに対する母の意見は変わっていませんが、少なくとも前よりは暴言も控え、上手く付き合ってくれるようになりました。

家族か愛かの選択を迫られることは、すごく辛いことだと思います。そんな選択、本当はしなくてもいいはず…。でも万一そういった状況に陥ってしまった時は、どちらかの肩を持つのではなく、両者の間に立ってあげることが大事でしょう。もし親が彼のことを気に入っていないのならば、彼と一緒に親の前にいる時は、特別気遣って親に優しくできるように努力するのもいいと思います。

最終的にあなたの人生を決めるのは、あなた自身。他の誰でもありません」

イェンさん(35歳)の場合

苦難を乗り越えて愛を選んだおかげで、今は幸せだし、満たされた人生を送れています。

「彼と出逢ったのは、歯科医師免許をとった後、皮肉なことに両親を通してでした。彼の両親は私たちの関係を認めてくれましたが、私の両親は彼に下心があるのではないかと疑い、認めてくれませんでした。なので、デートはいつも内緒で会うか、あるいはウソの口実を作って出掛けなければなりませんでした。

2011年に彼のことで、私は父と大喧嘩をしました。そのせいで家から出ていくように言われ、私はそれから1年後に密かに彼と結婚しました。そのことを後から知った両親は、ものすごく悲しみました。

それから5年が過ぎた2017年現在、私は夫と一緒に家族と離れて暮らしています。母は私たちの結婚を認めてくれるようになり、夫とも仲良くしてくれています。父とは残念ながら今も絶縁状態ですが、いつか私の決断を理解して受け入れてくれる日が来ることを願っています。

私と彼の関係は、家族内で多くの波乱を巻き起こしました。でも、自分の下した決断に後悔はしていません。結果的に苦難を乗り越えて愛を選んだおかげで、今は幸せだし、満たされた人生を送れていますから。"愛は勝つ"ってね」

クラリッサさん(26歳)の場合

辛くても、しっかりと自信を持って立ち続けなければならないんです。

「私の両親はとても保守的な人たちでした。私たち姉妹は大学を卒業するまで彼氏を作ることを禁止されていたので、誰かと付き合ってもずっと秘密にしていました。

初めて彼氏が出来たことを伝えた時、当然両親はまったく良い顔をしませんでしたが、2人目の彼氏との間に子どもが出来たことを伝えた時は、なお大変でした。

両親は、自分たちがほとんど知りもしない彼と私が結婚することを嫌がりましたが、同時に生まれて来る子どもが婚外子にならないようにするためには結婚して欲しいと言い、その狭間に立たされ苦しみました。別れるか結婚するかのどちらかにして欲しいと迫られたものの、私たちはどちらの選択肢も考えていなかったんです。子どもが無事に生まれて来れるように一緒に頑張るつもりでしたが、かといってそれを理由に結婚を急ぎたくはありませんでした。

時間はかかりましたが、最終的に両親も私の思いを尊重してくれました。まだ彼のことは家族の一員として受け入れてくれていませんが、いつかそんな日が来てくれることを願っています。

辛くても、しっかりと自信を持って立ち続けなければならないということを、私は学びました。結局自分の決断に従って生きていくのは自分自身ですから、後悔しない道を選びたいですよね」

タラさん(30歳)の場合

何があろうと、やっぱり親はわが子を愛しています。

「彼とは高校1年生の時からの知り合いでした。彼は昔から私を好きでいてくれたようですが、付き合うことはなく、ずっと仲の良い友達でした。でも5年経ったある時、お互いその先に進んでみようかと考えるようになり、付き合い始め、そのまた5年後に結婚しました。

私の家族は保守的なカトリック教徒だったのに対し、彼は自称ロックミュージシャンで、育ってきたバックグラウンドの違いから、両親は彼を気に入りませんでした。当時彼は私よりも髪が長くて、小汚い格好をしていて、タトゥーもあってと、両親が期待していたような素朴な男性、または立派な彼氏像とはほど遠い存在でした。

両親が別れさせるために特別何かをしたわけではありませんでしたが、彼はいつも無視されて、除け者扱いされていました。家族に気に入られていた姉の旦那や、妹の彼氏と比べられることも多々ありました。

しかし私が妊娠すると、結婚して欲しいと言って来たのは周りの目を気にした両親の方でした。もちろん私も子どものことを考えたらそうするべきだろうと思ったので、反論はしませんでした。

今では両親も彼とだいぶ打ち解けてくれて、親に認めてもらえるよう変わる努力をしてくれた主人にも、頑張ったねって言ってあげたいと思います。両親も、人を外見で判断するのではなく、受け入れていく重要性に気づいてくれたようです。

私のアドバイスは『自分の決断を大切に』ということ。もちろん家族は1番大事。でも、自分が全身全霊で"この人について行きたい!"と思う人がいるのなら、その気持ちにも誠実であってください。だって、何があろうと、やっぱり親はわが子を愛していますから。そしてあなたが選んだ彼も、本当にあなたを愛し尊重してくれているのなら、あなたの家族を自分の家族のように大切にしてくれるはずです」

この翻訳は、抄訳です。

Translation: 名和友梨香

COSMOPOLITAN PH