種の違い、文化の違い、言語の違いなど、「国際結婚には多くの"壁"がつきもの」というイメージを抱いている人も多いはず。

そこで、今回は5人のフィリピン人女性がコスモポリタン フィリピン版に語った、国際結婚の成功体験をお届け。外国人と結婚した(あるいは婚約中の)彼女たちによる、彼との出会いや葛藤、そしてそれらを乗り越えたエピソードを読んだあと、頭に浮かぶのはやっぱり「愛さえあれば」という一言かも♡

1. ダイアンさん/アメリカ、ロサンゼルス在住

「夫のマットと私は、共通の友人の紹介で知り合いました。彼は内向的で、私は逆に外向的なんですが、ビビッと通じ合うものがあって、すぐに真剣交際へと発展しました。彼は私の初めての彼氏でした。

もちろん私たちの関係は完璧にはほど遠いし、様々な文化的な違いもあります。でもその原因が、彼がアメリカ人で私がフィリピン人だからだと思ったことは1度もありません。私たちは他のカップルと何ら変わりませんよ。多くの外国人が、その優しくて面倒見のいい人柄ゆえにフィリピン人女性を好むのは知っていますが、だからと言って"従属的なパートナーを求めている"とは限りません。私たちの夫婦関係においても、(家事などに)ジェンダー別な役割がないことを私は嬉しく思っています。

結婚1年目は色々と大変でした。というのも、彼の親戚の中には、私が彼のお金とグリーンカード目当てで結婚したと考える人もいましたから。ある時はフィリピンマーケットで、私に差別的な発言をしてきた数人の女性たちを、マットが怒鳴りつけたこともありました。初めは傷つきましたが、徐々に、自分たちが幸せなら、周りには好きなように言わせておけばいいんだと思えるようになりました。

7年経った今も夫婦円満の結婚生活を送っていますし、息子はお米とピザを同時に食べる子に育ちましたよ!」

2.ジュリアンさん/オーストラリア、メルボルン在住

「アイルランド系イギリス人の夫コリンとは、私がシンガポール在住の頃ネットで知り合い、数カ月後に交際を始めました。彼と話をしていくうちに、お互いの信念(信仰心や道徳観/倫理的考えなど)が同じであることに気づき、私は彼こそが"運命の人"だと感じました。お互いに同じ方向を目指して生きていきたいと思うようになり、その目標に向かって一生懸命努力しました。

しかし残念ながら、いつの時代も国際結婚をあまり好ましくないと思う人がいます。地元の郵便局で働いているフィリピン人女性がいるんですけど、ある時私の夫が白人だと知った彼女に、「よく(外国人と)結婚したわね」と言われました。その言葉には、傷つき怒りを感じました。

コリンも私もそういう出来事があった時は、お互いをなるべく思いやって接していきたいと思っています。特に今は、7カ月になる息子のヘンドリックもいますし、彼にはすべての人種や文化を平等に受け入れられるような優しい子に育って欲しいと思っています。

愛は人種で判断するものではありません。愛はその人とその人の魂を見て、その人が自分の中から引き出してくれる素晴らしいものを見つめることです。そのことをもっと多くの人に知って欲しいと思います。少なくとも、私たちの場合はそうでしたから」

3. マーラさん/フィリピン、マニラ在住

「婚約者のニックと出会ったのは、サンフランシスコで開かれた皮膚病理学の研修会に参加した時でした。私の帰国後、1年半の遠距離恋愛を経て、彼は当時の仕事を辞め、私のいるマニラに移住してくれました。彼にとって決して楽な選択ではなかったと思いますし、むしろ私がアメリカに移住して彼との新しい生活を始めようかと考えてもいましたが、彼は私にとっての最善を考え、この道を選んでくれました。

私のフィリピン人の友人の中には、果たして彼がフィリピンの文化を受け入れられるだろうかと心配し、結婚は難しいのではないかと懸念する人もいました。アメリカ人などからも批判的な目で見られたことがあり、『すぐにでもワーキングビザを取得してアメリカに引っ越したいんだろ?』と決めつけてくる人もいました。医師としてのキャリアを持つ1人の社会人女性としてではなく、まるでアメリカ人と結婚したくて必死な女だと言われているようで、どれも聞くに堪え難いものでした。

でも正直、私も以前は国際恋愛に対して少し偏見を持っていました。なので、時に他人から浴びせられる冷たい視線と闘いながら思うのは、自分自身も偏見を持っていたという事実を忘れずに、それらが自分個人に向けられたものだと卑屈になるのではなく、ニックとの関係作りにもっと光を当てていこうということです。

もちろん文化の違いは避けて通れないものですが、愛というのは個人と個人の間で育むもの。特定の人種に対して抱いている偏見のせいで、自分にとって最善の相手を見落としてしまうこともあると思います。私も自分の中にあった偏見のせいで、危うくニックと出会いそびれてしまうところでしたから。でもそんなのもったいないじゃないですか」

フィリピン人女性5人が語る「国際結婚で学んだこと」
Getty Images

4. チューズデイさん/オーストラリア、ブリスベン在住

「夫のフランクは、2011年にロータリーインターナショナル主催の交換留学プログラムで、オーストラリア人のグループと一緒にフィリピンに来ました。私たちはマカティ市にある貧しい学校で、200人の子どもたちに食事を与えたり勉強を教えたりするプロジェクトを通して出会いました。ロータリークラブの代表にフランクを紹介され、その人は『彼女はドイツで修士号をとったんだ』と彼に私のことを話してくれました。するとなんと、オーストラリア育ちのフランクは実はドイツ人だったんです! 興奮した彼はドイツ語で私に話しかけてきました。でも残念ながら、彼の言っていることがまったく分からなかった私は赤面し、2人揃って大爆笑。あれがお互いに一目惚れした瞬間だった気がします。

フィリピン人が外国人と結婚するということは、多くのチャレンジや差別に立ち向かうことだというのは分かっていました。フランクと出会うまで、様々な国の大使館で入国審査官として働いていたこともある私でさえ、正直このような関係には懐疑心を抱いていました。でも彼と国際結婚をして、私の視野は一気に広がったように感じます。

フィリピン人女性が"より良い人生"欲しさに外国人と結婚する、というステレオタイプが母国にはあります。だからこそ、そういった考えを払拭するために、私は外国人と結婚したフィリピン人女性として、なるべくポジティブなイメージを残せるよう努力しています。友人のネットワークの中にも、様々な国籍や文化的背景を持つ仲間がいることは、オーストラリアという多国籍国家で生活をする上で、非常に支えになっていると感じています。また、周囲の人たちが私に向けてくれる尊敬と享受の眼差しは、夫が私をそう見てくれていることの現れでもあるので、それさえあれば十分だと思えるのです」

5. ヴィアさん/韓国、ウィジョンブ市在住

「夫のチャンジェとは、ネット上の文通サイトで知り合いましたが、それからしばらくして彼が(フィリピンの)ダバオ市に旅行に来た時に実際に会い、交際が始まりました。韓国に帰った彼はその後わずか3週間足らずで、ダバオ市に移住し、私の側に来てくれることを決断しました。夢物語のように聞こえるかもしれませんが、その瞬間彼が"運命の人"だと確信しました(※結婚後、2人はウシジョンブ市に移住)。

当時フィリピンでは韓流ブーム真っ只中だったので、周りの女性たちから『どうやって韓国人男性をゲットしたの?』『韓国のものを惜しみなくプレゼントされるなんて羨ましい!』とか、『韓国人と一緒に韓国で暮らせるなんて運がいいのね』といったメールがよく送られて来ました。そういった言葉に私は苛立ち、『自分の物は自分のお金で買っている』と訂正する返事を送ったりしました。

国際結婚を夢見ている女性へのアドバイスとしては3つ。何よりまず、相手を国籍に関わらず1人の男性として愛すること。次に、お互いの文化を知る努力をすること。最後に、いつでも自分らしくいること。外国人と付き合っているから、または外国に住むからといって、自分のアイデンティティを失ったりしないでください。だって彼が愛したのは、そのままのあなた自身なのだから」

この翻訳は、抄訳です。

Translation: 名和友梨香

COSMOPOLITAN PH