パートナーとのセックスの相性はさまざま。結婚して定期的にセックスしているからといって、「毎回オーガズムを感じている」「欲求不満にならない」とはいかない人も多いはず。

夫婦生活20年のブライアン・サラザールさんは、結婚後もマスターベーションをやめられなかった理由をコスモポリタン イギリス版に告白。セックスはパートナーとの共同作業だから、毎回「こうして」「ああして」とはなかなか言いづらいし、伝わらないことで亀裂が入るのは本当にツラいもの。

でも彼女の体験談を読んだら、お互いの体を知ることの大切さが改めて分かるかも?

夫のプライドを傷つけたくなかったので、内緒でマスターベーションすることに。

「セックスは大好きです。でももし自分でマスターべーションするのと夫に触られるの、どちらが気持ちイイ?と聞かれたら、私の場合は前者なんです。結婚して20年経つけれど、自分で触りたいときはするし、我慢したりしない。でも今の心境になれるまでには時間が掛かりました。

私と夫は16歳のときに出会い、その2年後に結婚。新婚当時は2人とも若くて経験も浅かったから、セックスそのものは悪くはなかったけど、私はオーガズムを感じることができなかったんです。でも夫のプライドを傷つけたくなかったので、内緒でマスターベーションすることに。一度彼に私が気持ちいいと思える触り方を教えたことがありましたが、クリトリスが痛かったし彼の自尊心を傷つけたことも分かったので、自分が欲求不満なことは黙っていました。毎回セックス後、彼がバスルームに入ったのを確認してから自分で触り、オーガズムを感じていました」

私が夫とのセックスではオーガズムを感じられないことを、彼は知っていました。

「ところが、こっそりマスターベーションするようになって1年が経ったころに事件が。夫がいつもより早くバスルームから戻ってきたため、私がイっているところを見られてしまったんです。

『な、何してるの…?』と驚きながら聞く夫。

何事もなかったように振る舞おうとしたけど、私の息は乱れていたし、何より夫にバレてしまった。夫は動揺しつつも、私の言い訳を聞いてくれました。そしてその年のクリスマスに貰った、夫からのプレゼントはセックストイ。私は喜んでそのプレゼントを受け取り、『(性的欲求は)自分で解決しなさいという意味なのね』と理解したんです。

その後この件について話し合ったことはなかったけど、夫とのセックスではオーガズムを感じられないことを彼は知っていたし、彼がイった後、私がすぐにセックストイに手を伸ばしても彼は嫌な顔はしなかった。むしろ優しく胸にキスをして、私が自分でイクのを手伝ってくれました。

でも次第にセックスそのものが単調になっていきました。結婚5年目の秋、私は夫と別居する決意をしました。2人の子どもに恵まれたものの、ケンカをする時間が増えるにつれて心身ともに疲弊していったんです。その頃、心の平安を求めて宗教にハマりました。自慰行為を禁止する宗教だったため、セックストイを捨て、神にすがりました。でも癒されることはありませんでした。

協議離婚の申請をした後、住み慣れた町を離れ、子どもたちと新しい生活を始めました。そして、マスターベーションも再開。子どもたちが寝静まった後、快感に耽りました。

事実上は再び独身に戻った私は、デートやカジュアルなセックスライフを謳歌し始めました。『こんなセックスが存在していたなんて!』と思うような経験もし、これまで以上にセックスが好きになったんです。そして、自分はクンニされるのが好きなことも発見しました。もしこのことを知っていたら(そして彼が試してくれていたら)、セックスの後マスターベーションする必要もなく、私もオーガズムを感じることができたのに…!

夫とはその後も離婚せずに別居のまま。でも話し合いを重ねたことで、友人としての関係を構築することができました。しかし、その友情がまた愛情へと育っていったんです。結婚7年目の春、私たちはやり直すために再び同居しはじめました。

精神的なつながりが強くなったとはいえ、夫とのセックスが劇的に変化することはありません。夫に口でしてほしかったけど、彼を傷つけたくないばかりにどうしても頼めなかった。その後10年間に渡り、またマスターベーションをし続けました」

切り出すのは難しかったのですが、「あなたとのセックスに満足できない」と正直に話しました。

「ある時意外なことがきっかけで転機が訪れました。夫が結婚前に3カ月間、浮気していたことを告白したのです。結婚前の遠い昔のこと。私は浮気そのものより、こんなにも長い間彼が隠していたことにショックを受けました。でも…よく考えてみると、結婚生活において隠し事があるのは私も同じだったんです。

そう考えた私は、彼に今まで言ったことのないセックスについての不満を打ち明けました。切り出すのは難しかったのですが、『あなたとのセックスに満足できない』と正直に話しました。夫はきっと傷つき怒り出すだろうと思っていましたが、彼はそっと私の手を取り、じっと私の目を見つめながら『もっと良くなるように頑張ってみる』と約束してくれたのです。

私はマスターベーションをしてみせ、どこをどう触ってほしいのか、夫に教えました。彼はあっという間にコツをつかみ、2人のセックスは変わりました。まるでティーンエージャーのように毎日セックスし、その後は笑いながらおしゃべりする時間が続きました。辛い時期があった分だけ、話すことがたくさんあったんです。

そんな情熱的な時期はしばらく経つとおさまったものの、月に数回の満ち足りたセックスの習慣が残りました。…とここまで読んで、『もう2度とマスターベーションすることはなくなりました』という結末を予想するのでは? 残念ながらそうではないんです」

時間を掛けてお互いのムードを温めたいときもあれば、それがもどかしい日もあります。

「セックスはお風呂に入り、ムダ毛を処理し、相手もセックスしたいムードかどうかを確認するなど、長いプロセスが必要な行為です。2人が同じムードになるタイミングは毎日あるわけではなく、私自身100%リラックスした状態でないとセックスを楽しむことはできません。

でも、ただ性欲だけを解放したい日もあるんです。時間を掛けてお互いのムードを温めたいときもあれば、それがもどかしい日もあります。そんなときはセックスよりマスターベーションの方がいいんです。

セックスで満足できないからしているわけではなく、そのとき気持ちよくなりたいからしている。やっとマスターベーションが私にとって、心地よい立ち位置に着地したと感じています」

この翻訳は、抄訳です。

Translation: 宮田華子

COSMOPOLITAN UK