レイプ被害者が心身に受ける傷ははかりしれません。たとえ暴力による身体の傷が癒えたとしても、心の傷はトラウマとなり、癒えるには長い時間が掛かるはず…。

コスモポリタン アメリカ版では、レイプ事件後、身体に起きた"ある異変"について告白した被害女性の記事を紹介。「自分と同じ体験をした人に伝えたいことがある」と勇気を出して声を上げた彼女の告白には、性暴力の残酷さがにじみ出ています。

私は、タクシーの運転手に暴行されたんです。
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ステファニー・ジョルジさんは、27歳の誕生日の2日前に見知らぬ男性からレイプされました。事件があった日、彼女は午後からお酒を飲んでおり、夜も友だちと飲みに出掛けていたそうです。

「その日、私は本当に酔っていたようでした。たぶん、相当泥酔していたんだと思います。一緒にいた友人たちが『もうステファニーは家に帰ったほうがいい』と私のためにタクシーを呼んでくれました」とステファニーさんは回想します。

「私はそのタクシーの運転手に暴行されました。帰宅途中から翌朝目覚めるまでの間にレイプされたのです」

レイプ被害女性が告白。事件後の身体に起きた異変とは?pinterest
Cosmopolitan//Facebook

彼女は車中のことは記憶にないものの、タクシーに乗り、そして家に着きドライバーと話しはじめたことは憶えているそうです。その後、我に返ったのは翌朝でした。「レイプされたときの記憶の断片が頭をよぎりました。あの男は誰? でも運転手はまったく面識のない人でした」。

友人たちは「あの晩大丈夫だった? 何かあったの?」と聞いてきたものの、ステファニーさんは事実を話そうとはしなかったそうです。

「皆は何があったのか聞きたがったけど、私はあの晩の話を避けていました。私がレイプされたと分かったら、社会から色眼鏡で見られると思ったからです」

しかし、しばらくすると異変が起こりました。ある日シャワーを浴びていると、髪の毛がどんどん抜け落ちていくのです。これは普通の抜け方ではない、と彼女は気づきました。

「身体が叫び声をあげていたんです。『もう辛くて壊れそう、となぜ声をあげないの? ずっと黙っていたら、心の代わりに身体が悲鳴をあげてしまうのに』と、私の身体が心に向かって語りかけていました」

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そしてやっと医師の診察を受けたステファニーさんは、脱毛はレイプへのトラウマ(精神的外傷)に対する身体の反応であると知りました。

「それを聞いて、悲しい気持ちになりました。身体は健康なはずなのに、と。脱毛したなら思い切って髪を剃ってしまい、『モデルのアンバー・ローズみたいにしただけよ』と明るく言えたらよかったのですが、そのときはそんな風にはできなかった」

脱毛に気づいた約2カ月後、彼女はとうとう髪を剃りました。そうすることでウィッグがフィットするようになるからです。

「髪を剃ったとき、まるで新鮮な空気を吸っているようなすがすがしい気持ちになりました。だって、もう髪が抜けるのを見なくていいのですから」

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そして今、彼女は事件を振りかえりつつ「今の自分だったら、当時とは違う言葉を自分自身にかけていたはず」と語ります。

「もしレイプされた翌朝の自分の耳元にささやくことができるなら『ちゃんと自分の足で立って、自分自身を守りなさい』と言いたい。レイプされたことはうやむやになんかできないことだった。だから『こんなひどいことをされてしまった! 誰か助けて!』とすぐに声をあげるべきだったんです」

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ステファニーさんはあの日起きたことを受け入れることができるようになったそうです。今となっては、"事件が起きたのは自分のせいではない"ということも理解し、自分自身を責めることもなくなりました。そして自分と同じような経験をした女性たちに「あなたは1人ではない」ことを知ってほしいと願っています。

「誰もあなたの言うことを信じなくても、私はあなたを信じます。あなたは悪くない。そしてあなたは美しく、強い女性です。今は悲しみに打ちひしがれていても、あなたの強さが消え去るわけではありません。幸せになりたいと思いさえすれば、必ず立ち直ることができるのです」

この翻訳は、抄訳です。

Translation: 宮田華子

COSMOPOLITAN US