大好きな人とめでたく夫婦になっても、仕事の都合などで一緒に暮らせなくなってしまう…という状況は珍しくないはず。

いざ自分がそうなったとき、遠距離で夫婦関係を保つにはどうすればいいの?

幾度にもわたって夫との"遠距離結婚"を経験した女性ライターのサラ・マッコードさんが、コスモポリタン アメリカ版に自身の経験を綴っています。

別々の場所にいることが多いと、一緒に過ごせる時間がいかに恵まれているかが分かるんです。

「初めての結婚記念日を今でも鮮明に覚えています。その日の午後はお隣さんとその子どもたちと一緒にプールに入って、それから映画『ハッピー・フィート』を観たんです。"えっ、そんな過ごし方…"とロマンチックさの欠片もないように思われるかもしれないけど、当時私はニュージャージー州にいて、夫はメイン州に転勤中だったと言えば、納得してもらえますよね。

私の夫のマックは大学のフットボール部のコーチです。2008年に付き合い始めましたが、出会ってから今に至るまで、彼はすでに4つの州で、4つの違うプログラムを指導してきています。新しい場所での新しい役職を与えられるたびに、彼はいつも現地に旅立ち、私は荷造り担当として後から追いかけました。再び同じ場所に住めるまでに、時には数週間、数カ月かかってしまうこともありました。

一緒に居られない時間はいつもツラいものでした。1人で出席せざるを得ないイベントでは、他のカップルが手を繋いでいたり、独身の子たちがイチャイチャしたりする姿を、夫を思いながら1人ぼっちで見ているしかありません。スーパーで買ってきた荷物を運び込むのを手伝ってくれる人がいたら…と思ってしまう日もあります。そして何より、ただ愛する彼の腕に包まれて、優しくキスされたい日だってあるんです。

しかし、このツラい時期こそが私たちの糧となり、夫婦関係をより強い絆で結んでくれたのでした」

1.一緒に過ごす時間を有意義なものにすることの大切さを教えてくれる

「別々の場所にいることが多いと、一緒に過ごせる時間がいかに恵まれているかが分かるんです。だから、会えたときは、彼と同じ空間にいられることがあまりに嬉しくて、携帯電話も触らず話に没頭できるし、細かい問題は気にならなくなります。また、些細なことでも相手に感謝できるようになるんです」

2.相手がどれだけ自分にとって大切かを知ると、離れている時間にも目的が生まれる

「離れ離れでいることはイヤかもしれませんが、発想の転換をすれば、その間自分は彼の夢の実現のために貢献しているんだと思えます。自分を笑顔にしてくれる相手をサポートするために苦難を乗り越える方が、家事を全くしてくれなくてイライラさせられる相手をサポートするより断然楽なはず」

3.1人だけの時間を満喫すること。その重要性を教えてくれる

「夫が遠くにいるなら、普通だったら彼と過ごす時間を他の何かに費やす必要が出てきます。友だちとご飯を食べに行ったり、没頭できる仕事を見つけたり、ときには1人で過ごす時間も楽しめなければなりません。そうでないと、いつも孤独感に苛まれてしまうことになりますから。

こういった人生におけるいろんな要素を日頃から大事にできていると、"いざというときに困る"という事態が防げます。夫がいるからといって常に友だち関係を疎かにしていたら、ある日突然自分の予定がガラ空きになっても誰も会ってはくれないでしょう。熱中できる仕事を探すことを怠っていたら、とりあえずやっていた仕事にいきなり生き甲斐を感じるのも難しいでしょう。四六時中夫と一緒の生活をしていたら、ある日突然1人ぼっちになったときに呆然としてしまうでしょう。どこにいようと、多面的な生活におけるバランスを保ち続けることが、いざというときの心の砦になるのです」

4.遠距離結婚はクリエイティビティを要する

「私が最初に就いた仕事はNPO法人でしたが、もし(夫の転勤のために)一度も引っ越しをしていなければ、きっと未だに募金活動ばかりしていたかもしれません。しかし、2年ごとに新しい街で新しい仕事を探さなければならない状況下に置かれ、私にはクリエイティブになることが求められました。結果的に、フリーランスのライター&エディターとしてのキャリアを積み、今ではいつどこへ引っ越しても手に職が持てています。

もちろんすべて簡単ではありませんでした。車も売って、給料も切られて、節約のため毎日パスタばかり食べているときもありました。でも、今得られたフリーランス生活は大好きですし、そもそも転勤続きでなければ、この天職にも巡り会えなかったでしょう。もちろん今日に至るまで、マックはいつも私を精神的にも金銭的にも支え続けてくれました。私が彼との結婚生活のために柔軟に自分を変えたのと同じように。そう、ギブアンドテイクですね。

遠距離生活のストレスにより、多くのカップルが破局しています。どんなに良い"アドバイス"を提示できたとしても、こういった遠距離結婚生活を維持するのは、決して簡単なことではありません。だからこそ、私たちはいつも一緒に相談し、決断しています。お互いの夢や、必要なことをどうやって叶え合っていけるか…健全な結婚生活は、何ものにも代え難い宝物ですからね」

この翻訳は、抄訳です。

Translated by 名和友梨香

COSMOPOLITAN US