1人の男性が30人近くの女性候補者と出会い、自分の結婚相手を見つけるアメリカの人気リアリティ番組『The Bachelor(直訳:独身男性)』。昨年その第19シーズンに出演し、現在もコスモポリタン アメリカ版に番組レビューを寄稿しているアシュレイ・イアコネッティさん。

番組出演時、26歳でヴァージンであることを公表した彼女は、番組内での出来事によって巻き起こった議論に対し、このように主張していたよう。

彼らはあなたという人を深く知るよりも、あなたを1つのカテゴリに当てはめてしまうことを選ぶの。なぜならそのほうが楽だから。それに対してできる最善策は、自分を恥ずかしいなどとは思わず、社会が決めた枠に自分を当てはめようとしないことね。

「『へそピアスをしているから』『番組で(男性出演者の)クリスに"いかにも"って感じでキスしたから』って理由で、私はヴァージンじゃないと思われてる。自分が出たシーズンのオンエア時期、ネットでは『アシュレイはヴァージンじゃない』なんて議論が巻き起こってた。Twitterで私の処女膜(!)についてのツイートを見たときは、『他にもっとやることあるんじゃないの?』と困惑したわ。

思うに、私は"典型的なヴァージン像"にあてはまらないんでしょうね。クリスとのデートで落ち着いた格好をすることもできたけど、私はかなり深いVネックのドレスを着た。自分のスタイルを見せるのが好きなの。それからスモーキーなアイメイクも、超イケてる男の子とイチャつくのも好き。26歳(2015年当時)のヴァージンは珍しい存在だけど、"ヴァージン=奥手"みたいなステレオタイプって、もはやナンセンスなんじゃない?

女の子はセックスをしなくてもセクシーになれる、というのが私の考え。

ヴァージンとして、今どきの"気軽に付き合う"風潮の中でデートをするのは至難の業。歴代の女性は自分たちのセックスの自由を求めて闘ってきたわけで、(『セックス・アンド・ザ・シティ』に出てくる奔放キャラの)サマンサにも、(お嬢様キャラの)シャーロットにもなれる今の世の中は最高だと思う。どちらもリスペクトするわ。だけどその影響もあってか、1980年~90年代生まれのジェネレーションY世代の多くは、カジュアルなセックスを避けたり、すぐにはセックスさせない女の子と付き合うことをしないの。自分の経験から言うと、男性は『処女性は追い求め、征服するもの』、または『セックス無しの関係は無意味』だと考えているふしがあると思う」

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「私自身は、いろんなことで頭がいっぱい。情熱的で、感情に流されやすいタイプだと思う(『The Bachelor』の視聴者なら、わかると思うけど)。だけど自分がヴァージンであるってことはあまり気にならない。処女を守るのに、宗教的な理由があるわけでもない。したいと思える男性に出会えていないのと、そうしたいと思うタイミングがなかっただけ。"そのとき"って、自分でわかると思うの。『The Bachelor』に出演する2015年まで、会話のネタにしたこともほとんどなかったわ! 仲の良い友だちとは話すけれど、それ以外の人とはセックス関係の話題はいつも避けてきた。自分が処女だってことを恥ずかしいと思ってるからじゃない。むしろ、自分の判断を誇りに思ってる。ただ、この手の話はかなり個人的な事柄だと考えていたから。

だけど『The Bachelor』に出演するからには、そのことをオープンにしなきゃいけないのは分かってた。そうでなければ、応募できなかったはずでしょ? 私はどうしようもないくらいロマンチックな人間で、これまで経験しなかったのもそれが原因かも。恋愛映画で観たような、胸キュンの展開はどこにあるのかってずっと思ってた。そしたら、この番組にあったってわけ! それから、自分が番組でヴァージンであることを告白することで、他の未経験の女の子たちが『自分だけじゃないんだ』と思ってくれるんじゃないかとも考えた。男の子の欲望や社会の風潮に押し切られそうな子たちを勇気付けられるんじゃないかってね。

番組でのクリスとのデートは不思議な感じだった。だけど現実世界でデートすれば、セックスをするかしないかは遅かれ早かれ出てくる問題でしょ? だから彼の反応が怖かったけど、正直に告白した。それまで自分がヴァージンだなんて、あからさまには言ってなかったから。クリスの膝に座ったり、湖では裸になったりしたけど、それが彼に誤解を与えてしまうのではないかと心配もした。

カメラ、そしてスタッフの前で話すのは、気まずかった。クリスの返事もちゃんと認識できなかった。番組を見ていた人なら、彼が戸惑っていたのがわかったでしょうね。その後は取り乱してしまったわ。『ヴァージンと付き合うなんて興味ない』と思われてるんじゃないかって、不安になった。そして出演者の女友だちにあれこれぶちまけたの。自分の気持ちを隠しておくなんて、無理だったから。当時の私が求めていたのは"サポート"であって、"注目"じゃなかったの」

「自分がヴァージンだってことを最初に打ち明けた相手は、同じ出演者のミーガンとマッケンジーだった。ガールズトークの中に聞かれたから、答えたの。別の出演者のベッカも、それから数週間後に似たようなことを言ってた。ベッカに会う前は、自分が未体験だってことで孤独を感じていたの。友だちの多くは20代初めまでにセックスを経験してたから。ベッカは私みたいに、すぐにクリスに打ち明けることもしなかった。そういったことを話すタイミングは、人によって違うでしょ。だけどヴァージンは自分だけじゃないってことを知って、安心したわ。

視聴者の中には、私が『ヴァージン』って連呼するのにうんざりしてた人もいたの。目立ちたいからそうしてる、とも言われたわ。でも考えてみてよ、これは"リアリティ"番組よ? まあ確かに、自分がヴァージンだってことがメディアで格好のネタとなり、皮肉にも番組制作の好材料となった部分はあったと思うけど…。番組に以前出演したショーンとキャサリン・ロウが結婚式の晩までセックスをしなかったけど、2人もそれについてあれこれ聞かれるのを嫌がっていたはず。

私は個人的にヴァージンでいることを推奨してるわけじゃない。だけど自分の決断の良いお手本でありたいとは思ってる。残念なことに、現代社会には"slut-shaming(女性の大胆な性的行動を批判すること)"だけでなく、"virgin-shaming(ヴァージンでいることへの批判)"もあるの。私はその両方を経験してきた。『The Bachelor』への出演から学んだことの1つは、人は他人を単純化したがる傾向にあるってこと。彼らはあなたという人を深く知るよりも、あなたを1つのカテゴリに当てはめてしまうことを選ぶの。なぜならそのほうが楽だから。それに対してできる最善策は、自分を恥ずかしいなどとは思わず、社会が決めた枠に自分を当てはめようとしないことね。

友だちとの絆や、旅、素晴らしい男性との出会いはもちろんだけど、この番組出演によって期待しているのは、自分にとってデートがもっと"しやすいもの"になることなの。今では自分がヴァージンであることや、セクシャリティについて堂々と話せるようになったわ。男性に対して『ネットで私を検索して、あなたの求めている相手かどうか判断してちょうだい』なんてことも、今なら言えるもの」

※この翻訳は、抄訳です。

Translation: Captain & Me, Inc.

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