経験人数の豊富な男性は「すごい」と言われるのに、それが女性だと「軽い」と言われる…。そんな社会の中で、女性は自身の性体験についてなかなかオープンに話すことができずにいるのが現状。

そこでコスモポリタン フィリピン版が、8人のフィリピン人女性に、これまでセックスした相手の数と、過去に対する思いやそこから生じた問題などを、赤裸々に語ってもらうインタビューを敢行しました!

インタビュー対象者(すべて仮名):

ドリー:21歳、交際中、経験人数は1

トニ:29歳、既婚、経験人数は3

ジャム:26歳、内縁関係、経験人数は10

アン:33歳、既婚、経験人数は12

アースラ:35歳、交際中、経験人数は2030人(女性3人、残りは男性)

ステフ:27歳、交際中、経験人数は3040人(女性5人、残りは男性)

デイジー:23歳、交際中、経験人数は4550人(女性1人、残りは男性)

マリア:25歳、交際中、経験人数は74人(女性53人、男性21人)

人の目を恐れ、女性がセックスした相手の数を伏せるのはよくあること。

最近まで経験人数が0人だったドリーは、結婚するまで処女を守ると決めていたので、自分が処女であることを知られることに抵抗はなかったのだそう。でも最近になって経験してしまったため、周りにはそのことは言わないようにしているんだとか。

これまで彼氏は2人、セックスパートナーは12人いたというアンは、その数字に関して、新しい関係を始めるときに「ウソをつく」と告白。「どの男の人に対しても、その人が元彼以外で最初に寝る相手だってウソついていますよ。"じゃあ元彼は何人いるの?"って聞かれたら、"1人"って本当のことを伝えます。2人目の彼氏である今の旦那も、未だに自分が私の2人目の(セックスした)相手だって信じていますから!」。

経験人数が3人のトニは、自分の数字が他より大幅に低いことを気にしているのだとか。「時々周りと比べて、自分の独身時代はつまらなくて、全然謳歌できていなかったんじゃないかって感じてしまいます」。

ジャム、ステフ、デイジーはそれぞれ、自分たちの性経験に自信を持っているようで、その数字を周りに知られるのを拒まない様子。ただ、ステフ曰く「男性相手には低めの数字を伝えます。万一彼の方が少なくて、落ち込まれたりしたら微妙ですから」。

最多記録を持つマリアは、その数について幾度となくウソをつき、誰かに聞かれたら大体57人と話しているそう。「大勢の人とセックスしていると、ヤリマンだと思われるじゃないですか。でも、自分がプライベートで親密さを育むためにやっていることに対して、周りにとやかく言われたくありません」とのこと。

他の女性の数字は、たいして気にはならない…?

グループの中で最も数の少なかったドリーは、それを理由に経験人数の多い人を軽蔑することはないそう。「セックスする理由は人それぞれですから。楽しむためにする人もいれば、愛情表現としての人もいるし、あらゆる理由があるからこそ、決めつけるのはお門違いだと思います」。

「セックスした人数が多くても少なくても、その人を見る目は別に変わりませんよ。単純に、人数が多い人の方が性的に冒険心が強いのかな、って思うくらいですかね」と話すのはアースラ。

ジャムは、数字がどうあれ、女性の性における選択の幅が広がっていること自体が称賛されるべきことなのでは?と主張。「私たち女性は、ここに来てやっと自由な自己表現が認められ、ベッドルームでも自分の欲求を表すことができるようになったんです」。

そしてトニは、「私は偽善的なことは言いません。セックスパートナーの多い女性を見下すことはしませんし、逆に少ない女性はきっと単調な人生を送ってきたんだろうなと判断します。でも、結局のところ、本人が幸せならそれでいいと思います」とコメント。

男は性体験が豊富だと讃えられ、逆に女性は卑下されるなんて不公平。

「女性の社会進出がますます盛んになってきた世の中なのに、女性の性への充足に関してはまだまだタブー視されているように感じます。いち女性、いや人間として、私は自分の身体は自分のものだと思っていますし、それによって他人に見下されたりするのはごめんです」と話すジャム。

アースラもこの風潮に対し悲痛な声を上げる1人。「未だに女性は何人ものセックスパートナーがいると、ヤリマン扱いされます。セックスを純粋に楽しんでいいのは、男性も女性も同様の権利だと思います」。

セックスした相手の数が問題になって、辛い思いをしたことも

つい最近まで、結婚まで処女を貫くつもりだったドリーは、それが理由で男性から交際を躊躇されたことがあるのだとか。「彼は元カノ全員とセックスしていて、私とはできないと分かると、実際に付き合うまで私との交際を何度も考え直していました」。

ジャムの数字(10人)は、交際前からトラブルの原因に。「私みたいな女性を受け入れてくれない男性もいます。事あるごとにいつもその数字を振りかざしては、こっちを言い負かそうとしたり、それが理由で被害妄想に陥ったりして、結局こっちが悪いみたいに思わされるんです」。

デイジーもまた、経験人数を男性に批判されたことがあり、その男性との関係を終わらせたそう。「一方的に決めつける人は我慢ならないんです。"女はこうあるべき"とか、人にどう見られるかばかり気にするのなんてまっぴら」。

それでもやっぱり、1人の人と真剣交際してセックスする方が、遊びの関係に勝る…?

「基本的に"私の身体はみんなのもの"みたいな概念が好きじゃなくて。セックスをする時はいつだって、自分の一部を相手にあげるような感覚なので、それをみんなに対してはしたくないんです」と話すドリー。

トニは、「両方の関係を楽しんだ経験のある私から言うと…遊びの時は人生最大のスリルを味わうことができるけれど、罪悪感などから来る苦しみは一生つきまといますね」とコメント。

ジャムもその後味の悪さに共感する様子。「一夜限りの関係は、いつも罪悪感が残りますね。私は基本的に人と深く関係を持ちたがる性分なので。もうそれなりの年齢だし、そろそろただの遊びじゃない関係を求めたいな~って思います」。

ステフは、交際中ならばその人とだけのセックスが理想だけれども、シングルの時は誰としてもOKなスタンスなんだとか。「食事みたいな感じですよ。今日食べたいものを食べればいい的な。私がシングルの時は、常に47人くらいの男性をいつでも誘えるようにキープしていました」。

マリアも同様に、本気の交際が始まると目移りはしないそう。「付き合っている相手がいる間のセックスは、その人とのみ。でもシングルだったら、いつでもウェルカムです」。

いずれにせよ、後悔はない!

宗教的な背景のあるアンだけは、12人という数字が1だったら良かったと思う時もあるようだけど、それ以外の女性はみんな、自分のセックスパートナーの数に満足している様子。

「数字が低いから満足しているというより、高くても低くても満足すると思います。いつだってセックスしたい相手とできて来たということに対して、満足していますね」とトニ。

ジャムも、過去の数字が今の自分を形づくっているという意味で、満足しているそう。「無駄な人なんていませんでした。ほとんどが自分の人生において最高の出会いだったし、深い感情的なつながりも持てました。無理矢理セックスを強いられたことは一度もなかったし、すべて自分の選択です。若くてナイーブな時代に、自らの官能的な一面を発見できたのは良かったです。ケイティ・ペリーの『Teenage Dream』の歌詞のように"No Regrets, just love(ただただ愛だけ、後悔はなし)"ですよ」。

この翻訳は、抄訳です。

Translation: 名和友梨香

COSMOPOLITAN PH