「ソフトSM」は、支配する・されるというロールプレイなどを含んだちょっと過激なプレイのこと。服従する側は全面的に主導権を明け渡して、支配者側に従うのがポイント。実際に何をするか(ボンデージやお尻叩きか、またはやや荒っぽいセックスか)はお好みで。そして一番重要なのは、"お互いの合意のもとに行う"という点。

「ベッドでいつもとガラっと変わった役を演じてみたい」という願望があるあなた。特に「正しいやり方」というのはないけれど、コスモポリタン イギリス版によると、うまくいくように段取りするポイントがいくつかあるそう。そこで、ポジティブにセックスを楽しむための情報サイト<Kinkly>で、この道の専門家たちに聞いた、初心者向けの「楽しく安全なソフトSMの心得」をお届けします!

1. 話してみよう

「全身全霊をこめてパートナーの目を見つめ、手を握ってにじり寄り、耳元で『あなたを縛りあげてエッチなことがしたいの』と囁く…というのもまあアリだけど、最初は軽めにアプローチするのも手。まずは『SMってちょっと興味あるのよね』と言ってみる。SとMどっちになりたいかもまだよくわからない…という段階でもOK。何か言ってみるのが大事。あくまでも軽やかに、リラックスして、パートナーがどう感じるか、乗ってくるかどうか、ゆっくり待ってみてください」

2. 空想を分けあう

「さて、SMっぽいことをしてみたいとパートナーに告げました。もしパートナーが乗り気なら、その先に行ってみましょう。試すのは、ちょっとお尻を叩くお仕置きか、ボンデージ(縛ったりする行為)か? SMプレイをしたい、と言うだけではまだ何も始まりません。どんな風に? というのは2人で決めていくのです。ワインでも飲んでまったりしているときや、セックスの後(つまりリラックスしているとき)でもいいので、ちょっときわどい妄想を相手に告白してみる。大学教授と学生のロールプレイをしてみたいとか。パートナーをいたぶって、『もっと!』と懇願してもらいたいとか。何でも好きなことを正直に言ってみてください」

3. 笑いを入れて、楽しんで

「SMは傍から見るとちょっとダークでシリアスすぎる、と感じるかもしれません。でも別に、黒革のコスチュームに鞭や鎖が絶対必要、ということはないんです。本当は他のセックス・テクニックと同じで、楽しくできるものなんですよ。思わぬアクシデントもつきものだし、相手の脚がつったり、あなたの方がコケそうになったり。でも、何が起こっても笑いとばすこと。淫靡で暗いイメージに聞こえるSMプレイだって、楽しくあってほしいんです。どうも楽しくないな、と感じたら、きっぱり止めましょう。緊縛やお仕置きは真剣にやる、とはいえ、あまり真剣すぎるのもいけません」

4. おもちゃも投入

「あらゆることがSMプレイになるし、どんなシチュエーションでも、それに適した大人のおもちゃやコスチュームは存在します。パートナーのお尻を叩きたければ、スパンキングパドル(鞭)があります。"オーガズム・デナイアル"を試したければ、いつものバイブレータを使えば簡単だし、快感も強まる。軽くボンデージを試したいときは、拘束具があれば、ロープの正しい縛り方なんて習わなくても大丈夫。おもちゃを加えることで、日常の心理状態から脱出するのが楽になります。パドルやバイブ、拘束具を使った方が、SやMの役割になりきれるのです」

5. ストップするサインも考えておく

「どんなSMであれ、2人とも始める前に内容が頭に入っていて、全面的に賛成なのは必須です。どちらかがあまり乗り気でないなら、決してやらないこと。何をするかについて2人が了解していて、その上で行き過ぎだと感じたときには全てをストップする方法も知っておくべきです。これはダメだなと感じたときに、そこでストップする合言葉"セーフワード"は良い方法。どんな言葉を選んでもいいけど、ポイントは場面に"似合わない"ものにすること。お互いが了解している限り、どんな言葉でもOKです(『やめて』や『ダメ』以外にしましょう)」

6. 途中のチェックをする

「おもちゃも選び、演じる状況も決めました。2人とも準備が完了してワクワクしています。そしてセーフワードも決め、裸になってソフトSMをたっぷり楽しんでいる…ここで、ちょっと待った! パートナーがあなたと同じように感じているか、チェックする必要があるんです。ほんの一瞬で終わりますから、支配者側の人がほんの少しだけ現実に戻って『今の、大丈夫?』とか『こういうの好き?』と小声で聞いてみるといいでしょう。時にはシンプルに『続けてほしい?』と言うだけで十分。この時相手の答えが『ノー』なら、完全に止めてしまってもいいし、力加減を変えることもできます。大切なのは、2人が両方とも最初から最後まで楽しめることです」

7. 事後のチェックもする

「SMプレイはつい激しくなることもあります。カラダは慣れない感覚(ぶたれたり、縛られたり)を経験するので、筋肉が痛んだり、喉が渇くかもしれません。プレイが終わったら、2人とも大丈夫か確かめて、回復のための時間をとってください。SMプレイでは非常にリアルな感情が呼び覚まされることもあります。なのでハグしていたわり合い、笑い合うのはお勧めです。息が整ったところで、あれこれ話すといいでしょう。良かったことや、あまり好きでなかったこと、次にどうしたいかをシェアしてみましょう。うまくいかなかったことがあっても失敗と思わず、むしろ発見であり、次に活かせば良いと考えるんです。いつでも次回、別のことを試せるのだから。

それからもう一つ大切なことがあります。

SMのようなちょっと過激なお楽しみは、あなたとパートナーがどんな"行為"をするかということだと思っている人が多いのですが、本当は何をするかでなく、2人の間の感情的つながりが大事なのです。

ちょっとしたことことがパワーに火をつける…たとえば顔つきや声のトーン、たったひとつの命令でも。要するに、コントロールを握ることはシンプルで、それは人に力をあたえるし、セクシーだし、楽しいことなんです。

"正しく"行うために必要なポイントはごくわずかです。パートナーが積極的に同意していること、心の中のエッチな嗜好を分け合おうという気持ち、そして何がうまくいくか探していこうという意欲。

それさえ押さえれば、これが正しい、というようなひとつの方法はありません。どちらがSでもMでもいいし、強弱も自由、セックスにいたらなくたってOK。パートナーといっしょに、2人にとって一番楽しいソフトSMを見つけてくださいね♡」

※この翻訳は、抄訳です。

Translation: Noriko Sasaki (Office Miyazaki Inc.)

COSMOPOLITAN UK