海外に出ると、色々な国からの旅人と出会います。そして様々なストーリーが生まれて、恋したり、別れたり、一生の友達ができたり…。このシリーズでは、私が海外で出会った女の子たちの恋物語と、彼女たちから学んだそれぞれの教訓を、イラストとともに紹介します。

遠距離を乗り越えた国際恋愛カップル

うまくいくカップル、いかないカップル、理由はいろいろある。

前回、夢を追うことで恋人との関係を手放した遠距離恋愛のケースを紹介したけど、フィンランド出身のニーナの場合は、1年の遠距離恋愛を乗り越えた。ニーナはフィンランド、彼はボリビア出身だ。ニーナがボリビアでボランティア活動をしていた時に、2人は出会った。そして、北欧と南米の間で、1年間の遠恋に…このカップルの絆が、距離に負けなかったのはなぜなのか。

そこに必要なのは、意外にも「友達としての関係」だった。

恋人が友達であるべき、大切な理由

半年は友達として、「海外で生活すること」や「先進国と途上国の違い」など、彼らなりの話題を語り合った2人。そのうちに、恋人としての関係を築いていった。キチッとして穏やかなフィンランド女子が、フィンランドの男子に比べると探究心が強くて、大胆なボリビア出身の彼に惹かれるのも納得だ。共通するのは、世界で起こっていることに対して、知的な会話ができること。出身地は違う2人だけど、惹かれ合うのは全く不自然ではない。

ニーナ曰く、友達の期間が長かったことが、関係の土台をしっかりとさせてくれたとのこと。離れ離れになった1年間はどう乗り越えたのか聞いてみると…

「途中で別れもしたし、全然簡単じゃなかったよ」と語る。

確かに、直接触れ合えないのは、苦しいだろうな、と想像がつく。でも、友達としての時間があったからこそ続けられる会話があった。そして次に会うプランも時間をかけて話し合えた。ニーナはワーキングホリデーで、彼は大学院生として、オーストラリアで再会。離れて1年、オーストラリアでの1年を経て、2人は最近、新たにフィンランドでの生活を始めた。

日本国内での恋愛だと、こんな恋愛にはなかなか出くわさないかもしれない。だけど、フィンランドでは、外国人と付き合うことはそんなに珍しいことではない。国際恋愛が楽しそうとか、憧れるとか、外から見ると難なく関係を続けているように見えるけど、遠距離になってしまう時期もあったり、文化、言語、国籍の違いがあったり、あらゆる試練も乗り越えなきゃいけない。フィンランドのように国際交流が進んでいる国の彼女だからこそ、乗り越えられたのかもしれない。

このカップルが距離、時間を越えて続く秘訣は、やっぱりコミュニケーション。「恋人は、親友」っていうの、案外嘘じゃないのかも。