海外に出ると、色々な国からの旅人と出会います。そして様々なストーリーが生まれて、恋したり、別れたり、一生の友達ができたり…。このシリーズでは、私が海外で出会った女の子たちの恋物語と、彼女たちから学んだそれぞれの教訓を、イラストとともに紹介します。

女性を尊重してくれる、インド人男性との恋

これまでの歴史上「男が残した偉大な功績の影には、優れた女の存在があった」とはよく言われること。いまの現代社会ではこう変わったのではないか。

女の成功の影には、優れた男がいる

インド出身のアイーシャは、アメリカで女性建築家としてバリバリ働いていた。世代をリードする女性として、世界でキャリアを積むことを選んだからだ。彼女の活躍は、もちろん彼女自身の実力によるものだが、彼女が選んだパートナーの存在が大きいと私は感じている。2人の出身地であるインドでは「男性が女性を支える」というのはよくある考え方ではない。しかし彼女のパートナーは、「男性と同じように、女性もキャリアで成功するチャンスがあるべき」と、彼女ならではの人生を100%サポートしてくれている。自分は一歩引いて、彼女の成功にスポットライトを当ててくれる…この余裕が、現代女性が求める「真の男前」なのかもしれない。

甘えさせてくれるのではなく、背中を押してくれるパートナー

アメリカでの立派な経験を積んだアイーシャだけれど、数年前に人生の壁にぶちあたったことがある。仕事を失い、伴って就労ビザも失い、帰国せざるをえない崖っぷちだった。そんな時に出会ったのが弁護士の彼だった。同じインド人として気が合うだけではなく、彼は特別だった。理由は簡単。一番大変な時期に側で支えてくれて、普段だったら見せることのない最悪な時の姿を見せても、それも含めてまるごと好きになってくれたから。彼女が自分のキャリアを築くために、自身の足でまた立ち上がれるようプッシュしてくれたのだ。アイーシャはその後、仕事もビザも取り戻すことができた。

それから数年後、2人は母国のインドで盛大に結婚式を挙げた。

インドと言えば、お見合い結婚がまだまだ多く、結婚したら女性は専業主婦になるのが当然という考え方がまだ残っている。自分の夢を追うという選択肢はなく、女性の活躍や自由を奪ってしまうのでは?とふと疑問に思い、直接アイーシャに聞いてみると…。

「彼はね、逆に私に家にいてほしくないの。外出はもちろん自由だし、21世紀の働く女性を代表するように、私には成功してほしいと思ってくれてる」

お互いにとって平等な関係を保ちながら、それぞれのキャリアゴールを見据えているみたい。

今では海外経験のある人々を中心に、インドでも男女平等をうたう男性が増えているとのこと。ただ、伝統とはだいぶ違うだけに、そう簡単に切り替えられる思想ではないのかもしれない。それは日本でもしかり、家庭的であることが素敵で、奥手な方が男性に好かれると思いがち。でも、成功したいと願う女性が必要とするのは、「彼女にも、その人らしく成功してほしい」と言ってくれるパートナー。オープンマインドかつ懐の広さがあるのが理想的。昭和的な三歩下がってついてきてくれる妻に、自分を立ててもらいたいという男性とは違う。

現代を生きる私たちが自分らしく生きるために。私たちは、"なりたい自分"になることをいつも応援してくれる男性を見極める必要がありそうだ。