旅に出ると、色々な国からの旅人と出会います。そして様々なストーリーが生まれて、恋したり、別れたり、一生の友達ができたり…。このシリーズでは、私が海外で出会った女の子たちの恋物語と、彼女たちから学んだそれぞれの教訓を紹介します。

感情に素直に、恋するイタリア女子

カロラは、典型的なイタリアンだと言われるだけあって、表現力豊かだ。Yes or Noをハッキリと言う。日本人の私とはいろんな意味で反対なところが多いし、だからこそ、学ぶことも多い。私は彼女から「恋する時には感情を隠さず表現して、自分に素直に恋愛を楽しむことが大事」ということを学んだ。子供のように無邪気に見えるその表現力。実は、理屈や固定概念に惑わされやすい現代社会に生きる私たち日本人が忘れがちな、本質的なことだった。

期限限定の恋でも。瞬間の気持ちをブツける

ある日、カロラはフランス人の男性に出会った。青い瞳に一目惚れ。お互いにたどたどしい英語でなんとかコミュニケーションを取っては見つめ合い、はにかみ合う。ニュアンスが伝わらなくたって気にしなかった。どこから来たなんてもちろん関係ない。相手の過去だってどうでもいい。日が浅くても、旅中の期間限定の恋でも、常に100%入れ込む向こう見ずさに「大丈夫かな? 別れる時に痛手を負いそうだな…」と横目で見てしまう私。

でも心配は無用、と彼女は言う。

今、彼と時を過ごさなかったら、いつ美しい思い出を作るの? 今しか一緒にいられないんだから

そっか。別れがあるから、好きにならないわけじゃないんだ。五感の全てで好きになったのを止める必要があるの? 自信を持って、彼を好きって言って何が悪いの? 確かに、恋に理屈なんて、必要ない。そんな当たり前のことに気づく。

彼女はオーストラリアを旅行中にできるだけ彼に会って、楽しんで、帰国するまで存分に彼と向き合った。

「自分が傷つく」「これからどうなる」といった守りの姿勢じゃなくて、とにかく気持ちに素直な彼女。だからこそ、別れがツラくても、後悔はしない。感じたことは素直に表現して、この恋に全て出し切ったから。子供っぽいって言われる恋だって、いいじゃない。気持ちを抑えて、表現を隠すことが大人なんじゃないんだ、って言い切れる。彼のことはいつか忘れるかもしれない。でも、その想いが美しかったのは、確かだから。一生懸命に彼が好きだったのは、私も確かに感じたから。