友達と彼氏のラブラブ話を耳にすると、「いい相手と出会えて、この子は運がいい」と思ってしまいがち。でも、恋愛における幸福度って、本当に「運」に左右されるの…?

この点に真っ向から意を唱える女性が綴ったコラムを、コスモポリタン アメリカ版から。これを読んだら、誰でも視点を変えるだけで「幸福な関係」を築けることに気づくはず。

人に幸運だと言われるたびに、私はうんざりしてしまいます。

「あと数週間で、彼とつきあい始めてちょうど10年になります。人にはよく、あなたはラッキーだねとか、彼はラッキーだねとか、言われます。本当に、私たちの長いつきあいが話題になったり、彼に会った人が私に向かって"いい人だね"と言ったりするたび、すぐに『あなたたちは幸運だ』と付け足すのです。親切で頭の良い男性が私の人生に現れ、ボーイフレンドとなり、今も幸せな関係をもたらしてくれているという"幸運"。でも、問題は、"運"は関係ないということなんです。人に幸運だと言われるたびに、私はうんざりしてしまいます。

セレブたちも、この"幸運"なるものに翻弄されています。私が大好きなアデルでさえ。彼女が2016年のブリット・アワードで受賞スピーチをしたときの内容は、『私はボーイフレンドにもたくさんのありがとうを言いたいと思います。あなたのような愛し方をしてくれる人と出会えて、私は本当にラッキーです』。これにはちょっとガッカリしました。彼女は、彼との関係や子育て(しかも、世界ツアーをしながら!)がうまく行っているのは単に幸運だからだとは思っていないはずです。だってそれには、どうしたって調整が必要なんですから! 努力も! エネルギーも! 運だけでは成り立ちません。同じような苛立ちは、例えばジェシカ・アルバが夫との関係について"ラッキー"だとツイートしたり、 大好きなテイラー・スウィフトが歌詞の中で、理想の関係として『人は"あの人達はラッキーだ"と言うでしょう』と歌っていたりすることに対しても感じます。でも、それは本当じゃありません」

幸運は関係ありません。本当に、最も大きな部分を占めたのは努力です。

「もっとも、芸能人だけが恋愛の根拠を幸運に求めているわけではありません。私のSNSはそんな言葉に満ちていますし、きっとあなたのSNSもそうでしょう。インスタグラムの投稿を見れば、婚約パーティーの写真と、いかに自分が『彼と人生をともに過ごせてラッキー!』かというキャプションが。バレンタインデーは最悪。214日になると、恋人がいる人はみんな"ラッキー"になります。

私が言いたいのは、自分もかつてはそういう人間の1人だったということです。時々ボーイフレンドのザックに向かって、これからずっとあなたと人生を過ごせるなんて、私ってラッキー、なんて言っていたものでした。でも、考えてみたんです。

ザックと私が出会ったのは大学生の頃で、私は彼とつきあえるようにあらゆる努力を尽くしました。彼のように活発な性格の人と自分がつきあうのは不可能ではないかと思ったものです。運は関係ありませんでした。本当に、最も大きな部分を占めたのは努力です。私の努力は酬われ、デートをするようになると、今度は正式につきあうことができるように同じくらいの努力をしました。それからの10年のうち、3年間は遠距離恋愛で、2週に1度、ニューヨークからワシントンまで電車に揺られる生活を送りました。今は彼もニューヨークに戻ってきたので、衝突すれば解決したり、ちょっとしたレストラン選びでも互いに歩み寄ったりと、2人して関係を築く努力を続けています。

もう何年も、私たちは週末の過ごし方を話し合っています。外出して、近場に新しいお気に入りスポットを開拓するか(ザックの好み)、友達と会って、家にいるか(私の好み)。お互いに、どちらか一方の好みに合わせすぎるとあまり満足できません。今では時間を等分に分けることにしていますが、現在のバランスはどうやって2人で自由な時間を一緒に過ごし、お互いに満足するかという、たくさんの話し合いの結果です。疲れそう? そのとおり。では、その価値があるか? これも、そのとおり。これらはまったく"ラッキー"なんかじゃありません」

愛に満ち、充実した関係は、たまたま引き当てた当たりくじと同じではありません。

「あらゆる関係(特に、健全なもの)は、努力を要します。これは、すべてのカップルに共通する、ロマンチックとは言えない秘密です。ザックと私、あるいは他のカップルを"幸運"と片づけることは、"愛に満ち、充実した関係は、努力も必要なくたまたま引き当てた当たりくじと同じ"であるかのように錯覚させます。でも、それは私たちが計算して作り上げた(そして、これからも折に触れて作り続ける)大切な2人の世界であり、ずっと育てていくものなのです。私も不思議なのですが、男性よりも女性の方が、"幸運"という言葉を使いたがるようです。でも女性は、関係を作るために恐ろしく多大なエネルギーを注ぐものです。そのことをわかってくれる男性を見つけた女性を"幸運"と呼ぶのは、私たち女性が与えたものを過小評価することになります。

近頃は、パートナーに出会うためにさえ、かなりの努力がいります。アプリで相手を探して、メッセージを送り合って、なんとか日にちや時間、場所を決めて、ときには見知らぬ人とのぎこちない会話に耐えなくてはなりません。さらに、お互いが『いいな』と思った日には、本格的な関係に向けて同じように多大な努力を始めることになりますし、それをしなければ、この消耗するプロセスを最初からやり直さなければなりません。だとしたら、なぜこれが幸運なんて言えるでしょう? 愛とパートナーシップの醍醐味は、懸命に努力するところにあるのです。あなたは互いに満足し、関係を楽しむことができる相手と固い結束を作るための、長いプロジェクトに参加しているのです。このプロジェクトの成功は、運によって決まるのではありません。愛によって決まるのです」

※この翻訳は、抄訳です。

Translation:mayuko akimoto

COSMOPOLITAN US