79歳、処女の私が「彼との結婚」を決めたワケ

人生は何が起こるかわからない。

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愛し合っていたのに、周囲からの反対で別れ、60年ぶりに再会した男女がゴールイン! そんな奇跡のような結婚を決めた夫婦の女性側に、コスモポリタン アメリカ版がインタビュー。人生は最後まで何が起こるかわからない、そんなことを思わされる、ちょっと切なく素敵なラブストーリーをお届け。

私の母は彼のことが好きじゃありませんでした。年上過ぎるし、カトリックじゃないからって。でも私はそんなことどうでもいいと思っていました。

インタビューのとき、マーガレットさんは自分がどんな結婚式をしたくて、どんなウェディングドレスを着るか、既にはっきりと決めていました。ドレスはよくある真っ白でゴージャスな白いガウンではなく、友達や家族とブライダルサロンに行って、運命のドレスと感動の出会いを…なんて場面もなく、試着もせずにカタログ上で買った、裾にフリルをあしらった白いロングスカートに、水色の手編みのトップスを選んだのだとか。そして頭には、黒髪に映える生花を差す予定。

「立派な白いウェディングドレスは着たくないの。若かったら良かったかもしれないけれど、もう年老いてしまったからね」

マーガレットさんは現在1人暮らしで、結婚式が終わるまではそのまま1人暮らしを続けるそうです。なぜならこのカップルは、"婚前交渉反対"の理念をとても真剣に捉えているから。実際マーガレットさんは、まだ処女とのこと。

結婚式の会場は、新婦が生まれてからずっと通い続けているカトリック教会。これだけだと、一見よくある伝統的な結婚式のように聞こえるはず。ただ"よくあるパターン"と違うのは、新婦のマーガレットさんは79で、そのフィアンセのヘンリーさんは85という点。

マーガレットさんとヘンリーさんの出会いは60年以上前。どちらもオハイオ川沿いの小さな村で生まれ育ち、マーガレットさんが高校3年の終わりに差し掛かった17歳のとき、近くの製鋼所で働く当時23歳のヘンリーさんに出会いました。

「私の母は彼のことが好きじゃありませんでした。年上過ぎるし、カトリックじゃないからって。でも私はそんなことどうでもいいと思っていました」

彼の妹が代わりに電話に出たのを覚えています。彼の心をボロボロにした私に、ヘンリーはもう二度と会いたくないと言っている、と言われました。

2人はすぐに恋に落ち、その後4年半の月日を共に過ごすことに。少し離れたところにあるケント州立大学に通っていたマーガレットさんは、製鋼所で働くヘンリーさんに週末や祝日、長期休暇のたびに会いに帰っていたそうです。

「本当に、彼が運命の人だと思っていましたし、今でも思っています」とマーガレットさん。

しかし、よくある大恋愛映画のように、彼女たちの関係にも家族や地元の人たちからの激しい反対が…。大学4年のイースター休暇に帰省したとき、母親から「村中で噂になっているから、彼とはきっぱり別れるように」と言われてしまったマーガレットさん。どちらも田舎の貧しい家庭の出身で、マーガレットさんの家族は大学に進学した彼女の将来に大きな期待を寄せていて、ヘンリーさんの存在が足手まといになると思っていたようです。

そういったプレッシャーの中、ヘンリーさんも2人の関係に自信を喪失し始め、「自分はただの貧乏な製鋼業者だから、君にとってふさわしい未来を叶えてあげることはできないと思う」、とマーガレットさんに伝えたのだとか。そしてイースター直前のある土曜日に、当時21歳のマーガレットさんは泣く泣くヘンリーさんに別れを告げることに…。本心は別れたくなかったものの、他に選択肢がないように感じ、外部からの圧力にももはや太刀打ちできなくなっていました。

しかし、「"私のことは決して忘れない"と彼は言ってくれました」と話すマーガレットさんは、すぐに大きな過ちを犯してしまったことに気づいたと言います。彼をフッてしまったことに大きな罪悪感を覚え、翌日ヘンリーに電話して謝り、やり直して欲しいと頼もうとしたのですが…。

「彼の妹が代わりに電話に出たのを覚えています。彼の心をボロボロにした私に、ヘンリーはもう二度と会いたくないと言っている、と言われました。でも私の心もボロボロでした」

それを最後に、マーガレットさんが再び彼に連絡をとることはなく、彼もまた、彼女に連絡をしてくることはなかったそうです。落胆したマーガレットさんは、大学に戻り最後の1年をなんとか修了。教育学の学士を取得して卒業した彼女は、その後大学院へと進学し、それから人生のほとんどを小学校の教員として務め、30年後の60代前半で定年退職しました。どうして結婚もせず、子どもも産まなかったのかという質問に、「いつも忙しかったから、寂しいと感じる暇がなかったの」と答えた彼女。それに加え、彼女は20年間一緒に暮らしていた病気の母親の面倒も見ていたのだとか。

「彼女は仕事が恋人だったのよ」と義理の妹のサラさんは言います。

その間数人の男性とお付き合いをし、そのうちの1人とは真剣交際にまで発展したものの、結局ヘンリーさんほどの人はいなかったのだそう。「ヘンリーは特別でした。誰も彼にはかないませんでした」とマーガレットさん。まるで織り姫と彦星のような運命にあるかのように思われた2人…10カ月ほど前に、何も知らない家政婦さんが突然「どうして一度も結婚しなかったの?」とマーガレットさんに尋ねるまでは。

「家政婦さんにヘンリーのことや、無理矢理周囲に別れさせられたけれど本当は今でも愛していることを話したの。彼はいつだって私の心の片隅にいたわ」

すると、そのわずかな情報を頼りに家政婦さんは数日かけて検索し、ヘンリーさんの電話番号と住所を探し当てたのだそう!

「なぜだか彼女は彼の情報を見つけることができたんですよ、何やら四角い機械を使って」とマーガレットさん。

彼女の言う"四角い機械"というのはiPhoneのこと。

「でも、彼の妹に何年も前に言われた"ヘンリーはもう二度とあなたに会いたくない"という言葉が忘れられなくて、彼の心にまた踏み入るようなことはしたくありませんでした」

79歳、処女の私が「彼との結婚」を決めたワケ

家政婦さんに促されても、マーガレットさんは彼に再び連絡をすることに対して気が進まなかったと言います。

2週間半かけて悩んだ末、ようやく電話してみることにしました。ダイヤルを回して待つ間、震えが止まりませんでした」

以下が、60年ぶりに交わした2人の会話。

マーガレット:もしもし。ヘンリーはいらっしゃいますか?

ヘンリー:はい、僕ですが。

マーガレット:昔、製鋼所で働いていましたか?

ヘンリー:(少々ためらいながら)はい。

マーガレット:私、あなたの遠い昔の恋人です。マーガレットです。

マーガレットさんいわく、当初は短く甘酸っぱい会話で終わる予定だったのが、気づくと3時間近く話していたのだとか。その会話の中で、ヘンリーさんがその後結婚はしたものの、子どもはおらず、最近になってまた独り身になったことを知ったと言います。

「彼は、ずっと私を想っていてくれたそうです。いつだって頭の片隅にいて、忘れることはなかったと話してくれました」

10カ月前の最初の電話以来、ヘンリーさんは毎晩マーガレットさんに電話をかけ続けました。

「まるで、私たちは一度も離れず、ずっと一緒にいたかのようでした」とマーガレットさん。

電話での会話が数週間続いた後、ようやく2人は直接会うことに。ヘンリーさんは1時間半かけてマーガレットさんの家まで車を走らせました。

「彼がドアをノックし、私が扉を開けに行きました。彼を見て『まぁ、年を取ったわね』と私が言うと、『あぁ、君もね』と彼は答えました」

電話や訪問がその後も数カ月間続いたある日、ヘンリーさんは意を決して「よし、しよう」とマーガレットさんに言ったそうです。「何を?」と彼女が聞き返すと、「結婚だよ」と彼。

しかし、最初は断ってしまったというマーガレットさん。理由は60年間も離れていたことで、もう相手のことをほとんど知らないような気がしていたから。でもそんなことではめげなかったヘンリーさん。むしろ、より一層情熱的に彼女にアタックをし続けたのだそう。毎晩彼女に電話し、毎週のように会いに行く予定を立て、そして数カ月後、ヘンリーさんはプロポーズに再挑戦。彼女に「婚約指輪を欲しくないか」と尋ねました。

周囲は噂するでしょう。おかしいものね、私はもう79歳だから。でも本当にお互いに愛し合っているなら、そんなことは関係ないんです。

今回は彼女も「イエス」と答えたものの、その前に1つだけ聞いておきたいことがあったそうです。それは、「どうして60年前に自分を迎えに来てくれなかったのか」ということ。ヘンリーさんの回答は、静かに胸を打つものでした。

「彼は、『あのときは君の人生の邪魔をしたくなかった。良い人生を歩んで欲しかったし、大学にも行っていない自分にはそれを君に与えてあげることができなかった』と話してくれました。でも私は、そんなことどうでも良かったのよ、と伝えました」

2度目のプロポーズを受けるのは簡単だったものの、今度はヘンリーさんとの交際を再開したことを知らない周りの友達や家族に、婚約のことを話さなければならなかったマーガレットさん。

「昔マーガレットがヘンリーの話をよくしていたのを覚えています。でも、当時自分は徴兵に出ていたので、彼に直接会ったことはなかったんです」と話すのは、マーガレットさんの兄、トムさん。「その年になってまでどうして結婚したいのか。一緒に暮らせばいいだけじゃないかと彼女に尋ねました」。

トムさんも初めは婚約について戸惑っていたものの、今は妹の思いに賛同し、「ただただ彼女に幸せになって欲しい」と語っています。

結婚後は、ヘンリーさんがマーガレットさんの家に移り住む予定。結婚初夜について尋ねると、「特に具体的な予定はないのよ」と恥ずかしそうに答えるマーガレットさん。これまでずっと処女でいた理由については、未婚であったことと、宗教的な理由による部分が大きいよう。

妹のサラさんによると、「カトリック教徒としては、セックスは結婚前ではなく結婚後にするものなんですよ」とのこと。

周囲の人たちが、この年になって結婚を決意した彼女の気持ちを理解するのが難しいことは、重々承知しているのだとか。それでも今度こそ、彼女の決断は揺らぎません。

「周囲は噂するでしょう。おかしいものね、私はもう79歳だから。でも本当にお互いに愛し合っているなら、そんなことは関係ないんです」

現在結婚式の準備は着々と進んでいるとのこと。一緒に過ごせる時間が限られていることを知っているマーガレットさんとヘンリーさんですが、それでもマーガレットさんはこう話します。

「わずか2年でも彼と一緒に過ごせれば…いえ、たとえ1カ月でも、私は幸せな女として死ねるでしょう

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名前はすべて仮名です。

この翻訳は、抄訳です。

Translation: 名和友梨香

COSMOPOLITAN US

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