女子会を開けば、必ず誰かひとりが言う「出会いがない…」。「私も!」と共感したアナタ、もしかしたら目の前にある出会いのチャンスを見逃しているだけかも? 「そんな出会い方、アリ⁉」とアッと驚くような、リアルエピソードを10話をご紹介

旅先でのアクシデントが想定外の出会いを招いてくれたエピソードを語ってくれたのは、大の旅好きだと公言するM.T.29歳、フリーライター)。恋愛から遠ざかっていた彼女に、突然ふと訪れた出会い経験を読めば、すぐさまスーツケースを片手に旅へ出たくなってしまうこと請け合い!?

-彼と出会った場所は?

昨年の夏休みのこと。26歳で前のカレと別れて以降、めっきりと恋愛から遠ざかっていて。会社勤めの友人たちとは休みの時期が合わず、いつしかひとり旅が定番になっていました。旅先は大好きな東南アジアが定番で、去年はタイへ。バンコクからバスを乗り継ぎ、南部に位置するピピ島を目指していました。飛行機で移動してもよかったんだけど、なんとなくバスの方が旅の醍醐味があるな~と。なんとなくの思いつきで、10時間もの長距離バスの旅に出ました。

夜中発の便ということもあり、きっと空いているだろうとたかをくくっていたものの、いざ乗車したらまさかのほぼ満員! 窓側の席をゲットし出発を待っていたら、隣の席に背の高い白人男性(以下F)が座ってきました。どこかマット・デイモンに似た雰囲気で、まあまあのイケメン。「ハイ」と軽く挨拶をすると、「僕の名前はFで、ドイツから来たんだ。君はどこから?」。簡単に自己紹介が済んだところで、バスが出発。眠気もあって、会話もそこそこに深い眠りについていました。

-転機となった出来事は?

気持ちよく熟睡していたとき、ガコン!という大きな音で目が覚めたんです。窓の外を見ると、辺りはまだ真っ暗。先ほどの衝撃でバスが止まってしまったようで、車内は次第にザワつき始めました。すると焦るように席を立った運転手から、身振り手振りで「バスから降りろ」という指示が。外へ出て状況を伺っていると、どうやらタイヤがパンクしてしまった様子。時間は夜中の3時。素人が大型バスのタイヤを交換できるワケもなく、私達一行は路頭に迷うはめになってしまったんです。

そこはお店も民家もない真っ暗な道。路肩に見つけた大きな石に腰をかけ「飛行機にすればよかったかな…」なんてちょっぴり後悔。すると突然、Fが隣にドサッと座ったんです。お互いかなり疲れていたこともあり、無言のまま30分ほどが経過。一向に人手が現れない状況を案じて、Fの方から「かなり時間がかかりそうだね」と話し掛けてきたんです。それからですね、本格的に会話をするようになったのは。

-彼を意識し始めたきっかけは?

それからお互いにポツポツと、自分の仕事や家族のことなどを語り合って。そこで初めて、F33歳で、システムエンジニアとして働いていることを知りました。Fは私と同じく大の東南アジア好きで、年に一度か二度、大型連休を取って訪れているんだとか。そこからはもっぱら、旅の話に花が咲いて。「あそこは行った?」など、思い出話をシェアしていると、ようやくタイヤの交換が完了。時計を見ると、話し始めてから2時間ほどが経過していたことが発覚。時が過ぎるのを忘れるほど男性と会話に夢中になるなんて、いつぶりだろう…?と感動を覚えたのと同時に、彼のことをちょっぴり意識し始めました。

-彼との距離が縮まったきっかけは?

バスが出発してからも、相変わらず会話はノンストップ。まわりがしんと寝静まるなか、ふたりの話し声だけがバスの中に響き渡っていました。予定時間を大幅に過ぎ、ようやく目的地の街まで残り30分ほどのところまで来たとき、Fから「これからどこへ行くの?」と聞かれました。せっかく仲良くなれたのに、もうお別れか…と悲しんでいたとき、彼の口から「僕はピピ島へ行くんだけど」という言葉が。なんと、最終目的地まで同じというミラクルが起きたんです! 「スゴイ! 私もだよ」と伝えると、彼の顔には満面の笑みが。それからふたりでバスと船を乗り継ぎ、ようやく島に到着。

事前にホテルを予約していなかった私は、Fに付き合ってもらい島のインフォメーションセンターに立ち寄ることに。すると係りの人から、「今は欧米人とタイの連休が重なって、どこも満室だよ。今晩まで待てば、キャンセルは出るだろうけどね」と言い渡されてしまったんです。またもや想定外のトラブルに見舞われ、どうしよう!と焦る私。そんなシチュエーションを横で眺めていたFが、「嫌じゃなかったら、僕の部屋に泊まらないか?」と提案してくれたんです。嬉しい気持ちの反面、ほぼ初対面であることを思い出し…不安と好奇心で揺れ動く私の心(笑)。Fに抱き始めている恋心を信じて、提案に甘える決意をしました。

-その後の進展は…?

ホテルの部屋に入ると、目の前にはダブルベッド。その後ビーチでまったり過ごしながらも、頭は「今夜どうなるんだろう?」という疑問でいっぱい。食事を楽しんでホテルへ戻り、心臓が破裂しそうなくらいドキドキしていると…Fはそそくさとベッドに入り、「おやすみ」と言って寝てしまったんです。きっと私を安心させたかったんだなぁ、とFの優しさに感動しつつ、ベッドの隅っこに体を寄せて眠るFの姿に胸がキュンキュンしちゃった。

翌日も、ふたりでビーチへ。海に入りながら夕日を眺めていたとき、ふとFの手が私の手に触れて。ドキドキしながらも、初めて手をつないで。その晩ホテルに帰ると、Fがまたベッドの隅に寝ようとするんですよ(笑)。思わず私からFに擦り寄っていき、誘っちゃいました!

それから1週間のピピ島滞在中は、朝から晩まで片時も離れずに過ごしました。別れが必ず来るからと知っているからこそ、燃えたのかもしれません…。楽しい時間はアッという間に過ぎてしまい、ついに私が帰国する前日。また会いたいけど、重いって思われたら嫌だし…と、わざと明るく装っていたんです。するとその夜、Fから紙を手渡されて。開いてみると、そこには彼の住所や、オフィスの住所、電話番号やメールアドレスが。そして「出会ったばかりでヘンかもしれないけど…これからも、君と会いたい」と言ってくれたんです。「私も!」と即答して、夢のようなバカンスが終了。

最初は不安だった遠距離も、毎日Skypeで顔を合わせて会話することでなんとかうまく進んでいます。年末年始には私がドイツを訪れて再会を果たし、今は絶賛、ふたりで過ごす夏休みの旅先を計画中です!始めはどうなることやらと心配したトラブル続きの旅も、思い返せばどれも奇跡の連続だったなって。「ピンチはチャンス」って、本当なんですね!

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