イギリスで200年以上も女性に愛されている作家、それがジェーン・オースティン。日本でもグウィネス・パルトロー主演の『エマ』や、キーラ・ナイトレー主演の『プライドと偏見』でおなじみ。本国イギリスでは今でも繰り返し彼女の作品がTVや映画で映像化されたり、スピンオフが制作されたりと人気は衰えることを知りません。
華やかなジョージ王朝時代の豊かな暮らしが鮮やかに記録されたジェーンの作品。人気の秘密は、現代にも通じる恋愛の機微が、事細かに描かれているから。しかも、ロマンティックな恋愛だけでなく、失恋、現実の厳しさや、妥協までもしっかりと描かれているんです。
そこで、ジェーンの作品を原作とした映画に登場するヒロインたちをピックアップ! 自分と似た恋愛スタイルを分析しながら、映画を楽しんでみてもいいかも♡
シャーロット:自分から行動に出る、現実的に相手を選ぶ女子
『高慢と偏見』のヒロイン、エリザベスの親友シャーロットはとにかく現実的。自分が美人でも魅力的でもないと割り切っていて、エリザベスに求婚して拒否されたコリンズという男に速攻で近づき、自分の方に求婚させ、まんまと妻の座に収まってしまうという早業を達成。「私が相手に求めるのは快適な暮らしだけ」と言い切り、事実快適で安定した暮らしをゲットします。
シャーロットのいいところは「自分が求めるのは何か」をはっきりと知っていること。ダサくて退屈でも、ある程度資産があって扱いやすい男と結婚するのが得だと割り切っているところです。実は、オースティン作品の中で一番学ぶべきところの多い女性かもしれません。ダーシーがエリザベスとお似合いだと唯一見抜いていたのも実はシャーロット。とはいえ、お金のためだけにつまらない男とでも結婚できるのは相当神経が太くないと無理かも…。
マリアンヌ:情熱的、感情優先の危なっかしい女子
姉エレノアと違い、とにかく見た目や口先にころっと騙されるマリアンヌ。実は大人で落ち着いた年上男性ブランドン大佐から求愛されているのに関わらず、そちらには見向きせず、派手な馬車(現代だったらフェラーリ?)を高速で乗り回す浅はかで口のうまい男ウィロビーに夢中になり、まだきちんと交際してないうちに彼と大っぴらにイチャイチャ。案の定、振られてしまいゴシップのネタにされてしまうという気の毒な展開。
本来は正直で可愛くて誰よりも優しいマリアンヌ。最終的には情熱的な女の子には、遊び人よりもやっぱり自分のいいところを正しく評価してくれて包容力のある男性の存在が必要かもしれない。相手選びや普段の行動はあくまで慎重に。
エマ・ウッドハウス:自分の問題から目をそらすアダルトチルドレン
幼なじみで、自分にとってはお兄さん的存在だと思っていたジョージ・ナイトリーを他の女性に取られそうになって初めて「自分が好きだったのはナイトリーだったんだ!」と気づくおとぼけなエマ。
やもめで神経質な父親の世話や、体の丈夫じゃない姉を子供の頃から気遣って、知らず知らずのうちに「いい顔をしてしまう」癖がついてしまったエマは、ある意味今でいうところのアダルトチルドレン。そんなエマは実は自分を唯一心から心配して忠告をしてくれる大人な幼馴染の男性ナイトリーに恋してしまっていたみたい。他人の恋愛にばっかり首を突っ込んでいるのは、自分の問題から目をそらしているサイン。そんなことばかりしていると大事な人を逃がしてしまうかも。
ハリエット・スミス:周りに振り回されて幸せを逃しかける自分がなさすぎる女子
ハリエット・スミス:周りに振り回されて幸せを逃しかける自分がなさすぎる女子
すでにロバートという好きな人がいるのにもかかわらず、周囲に簡単に振り回されて幸せを逃しかけたり、自分と友達の前で見栄を張ってロバートを好きじゃないふりをしたりしてしまう、ダメ女の典型がハリエット。
こんな事になるのは、別に出世したいとか、お金持ちを捕まえたいからじゃなく、基本的に自分に自信がなく、劣等感があるから。本当は優しさや思いやりなど、いいところはたくさんあるのに、他人に振り回されて自分本来の良さを忘れてしまいそうになってしまう。お金や地位、見た目は大事だけど、最終的に本当に大事なのは、気持ちの優しさやお互いに対する想いだというのを肝に銘じておかないと、ハリエットのように幸せを逃しかかるかも。