その人のアイデンティティの大部分を占めるセクシュアリティ(ここでは"性的欲求の対象"の意味)。私たちの社会はそれが男性か女性かをはっきりさせることに躍起になっている気もするけれど、「学生時代に同性の友達を好きになった」経験のある人も実は少なくないみたい。

とはいえ、ある程度の年齢になると、自分が男性または女性のどちらを恋愛対象に選ぶかは大体決まってくるもの。でも、これまでずっと男性が好きだったのに、20代半ばや30代、またはそれ以上の年齢になって突然、女性に魅力を感じたとしたら?

【体験談1】

現在45歳のクロエさんは、34歳の夏に自分が他の女性に惹かれていると感じたそう。相手の女性シルヴィアさんは友達の友達だったとか。「頭の中にそんな思いが浮かぶのを防ごうと、何時間も落ち着かないときを過ごしたわ」と、当時を振り返るクロエさん。結局、クロエさんは2人を引き会わせた友達に自分の気持ちを告白。その友達は酔っぱらった勢いで、シルヴィアさんにバラしてしまったのだとか。当のシルヴィアさんには恋愛感情は無かったそうだけど、クロエさんにとっては「打ち明けたことでほっとした。その特殊な状況がどんな結果になるかは二の次だったの。私が自分に正直だってことが、一番大事だった」そう。

シルヴィアさんとの一件が、真実に目覚めるきっかけになったクロエさん。彼女は今、自分がレズビアンであると自覚し、女性だけと関係を持っている。(結局は実らなかったけれど)シルヴィアさんへの欲望は、歴代のボーイフレンドへの気持ちをはるかに超えるレベルだったそう。「(自分が女性に魅力を感じることは)決して"隠して"いたわけじゃないの」と、クロエさん。「ただ、それがはっきりとわかるのに少し時間がかかっただけ」

【体験談2】

「今思うと、私はたぶん、ずっとバイセクシュアルだったんでしょうね」と語るのはサーシャさん(33歳)。「まあ少なくとも、自分が他の女性に反応してたとは言える。だけど私が付き合う相手は、いつも男の子だった。自分が求めているものに合っていたから」。そして25歳で手ひどい失恋をしたサーシャさんは、女友達にキスをする。「それはちょっと衝撃的な経験だった」そう。「でも私の友達には、結構な割合で同性愛者がいるの。だから次第に『ああ、もしかしたらこれ(=女性を好きなこと)は自分の一部なのかも!』って思うようになっていったんだ」

自分が上司の前で口ごもる理由は、仕事とは関係ないってわかったの…(リーナさん)

【体験談3】

24歳のリーナさんが、自分が女性に興味があることを自覚したのはちょうど1年前。「自分が女性上司の前で口ごもる理由は、仕事とは関係ないってわかったの」と、リーナさんは笑う。「それから少しずつ、私は街中で前よりもじっくりと女性を観察するようになったの。いつから始まったというよりは、徐々にそうなっていったって感じ。(自分が女性に興味があることを)仲間に知らせるのには、少し努力が必要だった。仲間はみんな、同性愛者とバイセクシャルの区別がつかなくて、私のことを同性愛者だと認識してたから。そうじゃないんだけどね…私はこれまでと同じく、男性も好きなんだから」

【体験談4】

ハンナさん(47歳)にとっては決して、一時の気の迷いではなかった。「(女性を好きになったとき)私は40歳だった。それまで女性と恋愛関係になったことは無かったし、そうなったのもこの1度だけ。彼女が彼女だったから、愛しただけなの」。ハンナさんとその女性パートナーは結局4年間交際し、今も良い友達づきあいをしているとか。「夫と出会う前の恋人は女性だった、なんて人に説明するのは簡単じゃない。だけどそれを隠すつもりはないの。人は『君はバイセクシュアルなんだね』と言うけれど、好きになったのは彼女だけ。だから"バイセクシュアル"という言葉の意味を考えると…自分が何にあてはまるのか、わからないわ」

※この翻訳は、抄訳です。

Translation:Captain & Me, Inc.

COSMOPOLITAN UK