フロリダ在住のジェイミーさん21)は、トランスジェンダーであることを公表している、ミュージシャン志望の男性。ミシガン州の保守的な畜産農家に女の子として生まれ、「ごく小さい頃から、自分が他の人と"違う"と思っていたけど、信心深い家庭で育ったので、家の教え以外のことをよく知らなかったんです」とコスモポリタン アメリカ版に語った彼。「覚えているのは、5歳ぐらいのときに、いつか男性になるんだろうなと思っていたことです」。

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15歳になった頃には、すでに自分が男性だと思っていたジェイミーさん。でも、両親にカミングアウトするのは不安もあったそう。ジェイミーさんは今では(相手の性別に関わらず好きになるという点で)自分がパンセクシャルだと考えているけれど、最初は母親に対して自分はレズビアンであるとカムアウトしたのだとか。ところが、母親の関心の矛先は、彼の性的指向ではなくジェンダー・アイデンティティや外見についてのものだったようで…。「お母さんはこう言いました。『女の子が好きなのはかまわないけど、どうして男の子みたいな格好をしなきゃならないの?』って。僕の性的な指向は関係なくて…それより、見かけが問題だったんです」。

この写真が出て来たので、同じ服を着て、再現してみたくなりました!

最後の一撃は2015年、ジェイミーさんがまだ高校生で、髪を切ったとき。彼の両親や3人の兄弟たちは、ジェイミーさんに対して"我慢できないような反応"をしたため、高校卒業までLGBTの友達の家に身を寄せるしかなかったのだとか。「家では歓迎されていませんでした…他人がどう思うかを恐れて(学校に)行くことも禁止されていました」とジェイミーさん。「彼らは僕に会いに来ようとしていましたが、今では家族とはまったく関わりがありません」。

自分が以前は典型的に"女性らしい"格好をしていたことが、問題をさらに悪化させたのではないか、と考える彼。「街の誰もが、僕のことを田舎のきれいな女の子として見ていました。だから僕が肉体改造を始めたのが信じられなかったんです…僕が精神的に崩壊したとでも思ったんでしょう。これはバケモノだと」。

1年前の今日、僕は髪を切ってカムアウトした! テストステロンの投薬を始めて7カ月半になるけど、今ほど幸せだったことはない! 時間が経つのが信じられないくらい早い。カミングアウトした当時も今も、家族や友達とは大変だけど、一瞬一瞬を自分らしく生きられることが本当に嬉しいよ!

2015年の5月に、女性から男性に性別移行した(アメリカ人歌手シェールとソニー・ボノの息子)チャズ・ボノのドキュメンタリーを偶然見たジェイミーさん。それ以来、トランスジェンダーの人々についてインターネットで調べ、テストステロンを処方してくれる医師を探し始めたそう。そして1カ月後、シカゴにあるハワード・ブラウン・ヘルス・センターで最初のホルモン注射を受け、医学的な肉体改造を開始。母親が彼のSNSをこっそり見るまで、家族は何も知らなかったのだとか。

術後2日目…ちょっとラフですが(笑)。

時間が経つのはあっという間! テストステロン投与8カ月目&今までで1番自分らしく感じる! 左:以前 右:今

その後、LGBTコミュニティで友達やオンラインサポートを見つけたジェイミーさん。SNSのトランスジェンダー・コミュニティには特に助けられたそうで、多くの人々の性別移行前と後の写真を見ては、「物理的に外見を変えられると知って希望がわいたし、テストステロンにどれだけ効果があるかも知りました」。だからこそ、インスタグラムで自分の写真やコメントを投稿して、他のトランスジェンダーの人々の役に立ちたいのだとか。

トランスジェンダーだということをカムアウトして、もう2年目なんて信じられない! たしかに女性の体で生まれたけど、今はそれを恥じてはいないよ。

ついに自分自身でいられるようになったことは幸せだけど、トランスジェンダーのコミュニティから「男性的過ぎる」「男性の型にはまり過ぎている」と非難を受けたこともあるそう。「僕がいわゆる"男性"のようになろうとし過ぎてるって言われるんです」。

だから、ジェイミーさんが伝えたいのは、性別移行は個人的なものであって、外見に注目されるのは(たとえ相手を褒めようとしている場合でも)嬉しいとは限らないということ。「性別移行の結果についてあれこれ言うのは止めた方がいいと思います。自分ではない者になろうとしているわけじゃないんです。これが自分なんです…どう見えるかは問題じゃないとわかってもらいたい。もし、誰か勇気のある人が『私はトランスジェンダーなんだ』とか『僕はゲイなんだ』とか『私はバイセクシャルなの』といったことを口にしたら、彼らを信じて、ただそばにいてあげてください。偏見は崩されるべきなんです」。

※この翻訳は、抄訳です。

Translation:mayuko akimoto

COSMOPOLITAN US