アメリカやカナダ、イギリスなどの高校で、卒業シーズンに行われるダンスパーティーとして知られる「プロム」。学生たちにとっては高校時代の最後を飾る一大イベントであり、パーティーには男女のペアで参加することが原則となっているのだけれど…ではもし、参加者のセクシュアリティが一般的な"男女"の概念に当てはまらなかったら?

この点に着目し、今月17日(現地時間)にイギリスのブライトンで「クィア・プロム」という名のイベントを開催したのが、オーガナイザーのヴィッキー・クックさんとジュールズ・ヘイドン・グアイタマッチさん。

コスモポリタン イギリス版が、このイベントの開催を思いついた経緯や、イベントに込められた思いについて、主催者の2人に話を聞きました。

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「LGBTQ+の人々からよく耳にする、プロムにまつわる思い出を変えたいという思いから、このイベントを思いついたんです」と語るヴィッキーさん。「コミュニティの仲間たちに、高校時代のプロムの話について聞いたとき、誰も良い思い出を持っていなかったんです。プロム自体に参加しなかった、もしくは参加したけれど、自分が自認している性やセクシュアリティにそぐわない形だったという声ばかりでした」。

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プロムに参加しなかったという人々が挙げた理由の大半は、一緒に参加したいパートナーが同性だったから、または、ありのままの自分で参加することによって好奇の目にさらされるのを恐れたから、というもの。

そこでヴィッキーさんはジュールズさんと協力し合い、「クィア・プロム」を立ち上げることに。

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2人が掲げるミッションは、LGBTQ+コミュニティのすべての人に、「自分もこの世界の一部なんだ」と感じてもらうこと。「たいていの場合、私たちの高校時代の思い出は羞恥心や疎外感にまみれたものです。現在は昔に較べれば多少進歩したかもしれませんが、それでもLGBTQ+の若者たちは、まだまだ必要なサポートを得られているとは言えない状況です」と、ヴィッキーさん。

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また、現在イギリスの学校で定期的にPSHE(Physical Social Health Education=社会を取り巻くあらゆる問題から、心身の健康を保つ方法を学ぶための授業)の講義を行っているというジュールズさんも、若者たちが置かれている現状についてこのように言及。「性別移行の途中だということを公言している私でさえ、否応なしに望まぬ性別で扱われることが多々あります。だからトランスジェンダーやノンバイナリー(男性・女性どちらにも分類されない)の学生たちがどれほどつらい状況に置かれているのかは容易に想像できます。LGBTQ+コミュニティでは、メンタルヘルスの問題が本当に深刻になってきているんです」。

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そんな中誕生したイベント「クィア・プロム」。参加者たちは皆、ヴィッキーさんとジュールズさんに「やっとプロムが経験できた。これこそ自分たちが求めていたプロムだ」と言ってくれたそう。今回の成功を受け、2人は今後も半年毎に同イベント開催を予定しているとのこと。「現在、スポンサーや支援者を募っているところなんです。そうすればこのイベントをイギリスのあちこちで開催することができるし、チャリティーのためのお金も集めることができますから」と、ヴィッキーさん。

悲しかった高校時代の思い出は、楽しい思い出に作り変えればいい――そんな主催者2人の熱意が伝わってくるこのイベント。それがどれほど素敵な夜だったかは、写真に写る参加者たちの満面の笑みが物語っています。

※この翻訳は、抄訳です。

Translation:伊藤 由佳里

COSMOPOLITAN UK