セックスにそこまで真面目か!

ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ 』をネタに、笑っちゃいけないが思わず笑う【SATCセックス図鑑】。2回目の今回は、【シャーロット・ヨーク編】をお送りします。ギャラリーのキュレーターというアートなお仕事と、コンサバなお嬢様ファッション、「運命の人」を夢見る瞳という「おぼこい」系キャラクターは、特に日本の視聴者が最も感情移入しやすいキャラクター――かと思いきや、実のところ4人の中でも最もバラエティに富んだ男性経験を持つのがシャーロットです。

その強みは持ち前の前向きさと真面目さ。「そんなことしたらお嫁に行けなくなっちゃう…!」と言いながら、ほかの3人の「楽しいからやってみるべきよ」という後押しと、「この人こそが運命の人」と信じる気持ちを支えに、付き合った男たちの求める「口」「お尻」「3P」「言葉責め」など様々なプレイにチャレンジ。自分なりの結論を出しながら成長してゆきます。

さらに「セックスにそこまで真面目か!」と突っ込みたくなるのは、シーズン3の「セックスの採点表」というエピソードです。セックスの最中に相手の男に居眠りをされたシャーロットは「私はセックスが下手なのかも…」と悩み、3人を誘ってタントラ式セックス教室に通うことに。セックスの技法を大真面目に教える講義に大爆笑する3人を尻目に、真面目にメモを取り「手技」をモノにしたシャーロットが、居眠り男を「こんなの初めて、君ってすごい」と言わせたのは言うまでもありません。

とはいえ、セックスだけの相手を必要としないのもシャーロット。NYの遊び人の間では知らぬ者がいない"プッシー男"ことミッチ・テイラーと付き合い、その「舌技」にどっぷりとハマった彼女、これで心さえつながれば……とセックス抜きのデートを試みますが、その気がまったくないミッチとはセックスもそれっきりになってしまいます。

かわいい系コンサバファッションのシャーロット、妊婦姿も可愛い。pinterest
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2度の結婚で試される、シャーロットの愛とセックス

つまりは「セックスは愛情あってこそ」のシャーロット、シーズンが進むにつれて「愛はすべてを乗り越える」が彼女のテーマであることが見えてきます。ドラマの中で実現する2度の結婚は、まさにその信念が試されることの連続です。最初の結婚相手、トレイは、エリート心臓外科医で見目麗しい良家の子息、結婚までは身体の関係を求めないという絵にかいたような「白馬の王子様」なのですが、結婚前夜に実はインポだったということが発覚します。シャーロット、今こそセックス・タントラの手技を試すのよ!と私は思いましたが、それも不首尾に終わったのか、医者には「ヴァギナがうつ状態」と診断されるまでに。ところが別居した途端、ベッド以外ならば機能することが判明、トイレやレストランや他人の家などでセックスを繰り返すハメに。「愛さえあれば」と耐え続けたシャーロットが、いい加減うんざりしたのも仕方ないことです。

二番目の夫ハリーは、その離婚交渉を担当したハゲで小太りのユダヤ人弁護士。彼からの猛アタックで「身体の関係」と割り切って付き合いだしますが、その相性の良さとだれよりも紳士な愛の告白に結婚を決意。結婚の許可を得るためにユダヤ教へ改宗し、猛勉強し始めるのです。

ことほどさように愛とセックスの整合性を求めるのがシャーロット。相手を「運命の人」と信じてしまえば、「愛さえあれば」を旗印に禁断の関係に走り、茨の道に乗り出してしまうのもこんなタイプです。良くも悪くも4人のうちで一番のロマンティストであるのかもしれません。

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