アメリカの子ども向け教育番組『セサミストリート』。番組では、エルモやビッグバード、クッキーモンスターやアーニーなど個性豊かな仲間たちの生き方を通して、友情や多様性に対する寛容さ、ケンカをせずに問題を解決する方法などを教えている。さらに友人を亡くした時の向き合い方など、デリケートなテーマなども扱い、度々話題を呼んできた。
そんな番組が掲げる「すべての子どもの良さに気付こう」というキャンペーンの一環として、新たに自閉症を抱えるマペットが仲間入りすることが決定! 『セサミストリート』のホームページによると、マペットの名前はジュリア。「ジュリアは笑顔が絶えず、好奇心でいっぱいで、遊ぶことが大好きな女の子。そして自閉症を持っている」。4歳のジュリアはウサギのぬいぐるみが大好きなのだそう。
『セサミストリート』のYoutubeアカウントには、TVデビュー前にいくつかの動画が上げられている。
▽テーマソング「Sunny Day」を歌うジュリアとアビー・カダビー。
▽蝶々と遊ぶジュリアとアビー。
楽しそうにしているジュリアに、「何してるの?」と聞いたアビー。するとジュリアは「遊ぶ」と返答。そこで、アビーがいくつかゲームを提案するもジュリアは却下。アビーは「いいのよ。友達だって、好きなものが違うことはあるの。だから、何をして遊ぶか決めるのが難しいこともあるわ。そんな時はふたりが好きなことを探すのがいいわね」と教えてくれる。
▽シャボン玉で遊ぶジュリアとアビー。
アビーが何度か失敗した時、解決してくれたのはジュリア。助け合うことの大切さを教えている。
▽鬼ごっこを遊ぶジュリアとアビー。
飛び跳ねながら鬼ごっこをはじめたジュリア。アビーは「ジュリアが新しい鬼ごっこを考えたわ。すごく楽しい!」と喜び、仲良く遊んだみたい♡
▽ぬいぐるみで遊ぶジュリアとエルモ。
エルモが一緒に遊ぼうとするけれど、はじめはぬいぐるみに夢中なジュリア。そこでエルモは「隣で遊ぼうかな。友達と遊ぶ方法はたくさんあるんだよ」といい、エルモもぬいぐるみで遊ぶ。するとジュリアが興味を持ち、一緒にぬいぐるみで遊ぶように。
ちなみにジュリアを動かしているのは実際に自閉症の息子を持つお母さんで、プロのパペット製作者。番組はジュリアの登場をきっかけに自閉症について正しく理解してもらえれば、と考えている。
「ジュリアを動かしている女性は自閉症の子供を持つお母さんです。だから、本当にそういうことが起こることがあると知ってマペットを動かしています」
「ジュリアは手をパタパタとするのが好きで、音が大きすぎると怒ります。『セサミストリート』を見た子どもたちは、学校で同じような場面に遭遇した時には違う視点で見られるようになると思います。自閉症の子供たちがもっと受け入れられて、認められることを私たちは望んでいます」
また、ビッグバードとエルモがジュリアと初めて出会った時のことを話している。
ビッグバード:「(最初は無視されたから)嫌われているんだと思ったよ」
エルモ:「僕たちはビッグバードに教えてあげたんだ。ジュリアはビッグバードのことが好きだってね。ジュリアは自閉症を持ってるんだよ。だからちょっと時間が必要なんだ」
アメリカではおよそ68人に1人の子供が自閉症を持っていると言われている。さらに<People>によると、自閉症の子どもがイジメにあう確率は5倍なのだそう。そんな状況を改善するために約10年ぶりに新しいキャラクターを登場させた『セサミストリート』。TVデビューは4月10日を予定!