【SATCの恋愛心理学】ミランダから学ぶ、恋愛で素直になるコツpinterest
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世界中の女性から愛され続ける海外ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ(SATC)』。第1回目の放映から19年がたった今も、彼女たちの恋愛から学ぶことは多い。そこで登場人物4人の恋愛パターンを心理学的に考察すべく、第4回に分けて恋愛カウンセラーにインタビュー。第3回目は、弁護士ミランダの悩みを、ベリット先生が分析。有能なキャリア女子へ捧げる、男性に素直になるためのアドバイスとは?

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ケース③:ミランダの場合

――男性と一定の距離以内に縮めて、親密になることが怖いんです。そのため素直になれずに、最愛の人を逃して後悔しています…。

高収入の弁護士ということもあり、男性から敬遠されてしまいがちなミランダ。そんな彼女も、自分より低収入だけど心優しいバーテンダー、スティーブと恋に落ち、やがて2人には子どもができます。ミランダは「私がお世話をするし、何もしなくていいわ。あなたの問題じゃないし、これは私の決断で、自分が生みたいだけなの」と告げるも、妊娠を知ったスティーブは彼女にプロポーズ。彼女は戸惑って、はねのけます。そしてその後、新しい彼女ができたスティーブを見て後悔をするはめに…。パートナーと距離を縮めるために自分の殻を破って、ミランダが恋愛を楽しめるようになるためのアドバイスとは?

 thumnail
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▼ベリット先生の回答

「ミランダは自分1人で生きていく力があって、とても自立している現代女性。そんな彼女は、心理学の愛着理論でいうところの、『拒絶・回避型』と呼びます。

このタイプの人は、他者から一定の距離をとり、親密な関係を避けてしまいがち。パートナーになる相手を信頼したり気持ちを分かち合うことが難しく、感情を隠したり抑制してしまう傾向があります。そして、苦しみを感じないで済むように感情を深く感じないので、恋愛関係で悩むことも滅多にありません。

また、このタイプの人は、真剣な相手と安定した関係を築きたいという望みも持ちません。人に依存したり迷惑をかけたりすることを避け、"自分だけを頼りにする"よう自分に言い聞かせるのが特徴です。

結論を言うと、自分がきちんと自立できていて、すべてコントロールができているときのみ、安心を感じるのです。

ミランダは、このタイプをまさに体現しています。彼女は、自分の自信を保つため、人に頼らず、すべて自分の力で解決しようとする。そしてもう1つ、ミランダの出会いにおける問題は、彼女が成功しすぎていること。ほとんどの男性が、彼女のキャリアを耳にした瞬間、後ずさりしてしまうという状況です。

【SATCの恋愛心理学】ミランダから学ぶ、恋愛で素直になるコツ
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そんなミランダ・タイプのキャリア女子におくる、恋の成功の秘訣がこちら。

・同じように野心があって成功している男性、もしくは有能な女性とも敬遠せずに付き合えるパートナーを選ぶ。

・コントロールしようとする癖を少しずつ直して。はじめは変わることが怖いかもしれないけれど、大きな課題には一歩ずつ挑むことが大切。ほんの小さなことからはじめるの。例えば、パートナーにランチのレストランを選ばせたり、部屋に置く家具を選んでもらったりなど。

・恋愛にはいつか別れがあることを理解して。別れる可能性を考えずに、相手を本気で愛するなんてできない。この事実を受け止めると、感情を素直に表現することが怖くなくなり、彼との関係に真剣に取り組めるはず。

・論理的ではなく、自分の心が感じたことをもとに、パートナーと話し合うことを心掛けて。このタイプの人は自分の心の中の感情をしっかりと感じ、その感情に従って行動することが大切。

これらを実践してみて、自分の心が『この男性が運命の人』だと感じたら、つい頭の中で箇条書きしてしまうネガティブな要素を一度忘れて。その反対に、もし心が"彼は一緒にいるべき人じゃない"と感じたら、関係を続けるメリットがあるのか、持ち前のロジカルな思考をフル回転させて考えてみて。

覚えておいてほしいのは、恋愛は理屈や論理(だけで)成功するのは不可能だということ!」


お話を伺った先生

Berit Brogaard, D.M.Sci., Ph.D.(ベリット・ブロガード先生)

【SATCの恋愛心理学】ミランダから学ぶ、恋愛で素直になるコツ

マイアミ大学教授、Brogaard Lab for Multisensory researchの取締役。感情、恋愛における理論、認知科学を研究。 Transient Truths (Oxford University Press, 2012)』、『The Superhuman Mind(Penguin, 2015)』など、著書多数。また、恋愛心理学に関するブログを執筆中。