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現代女性のバイブル的存在になった海外ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ(SATC)』。NYを舞台に恋愛を繰り広げるキャリー、シャーロット、サマンサ、ミランダの4人の女性をモデルにして恋愛心理学を学ぶべく、4回にわたりアメリカの恋愛カウンセラーをインタビュー。第2回目は、アートディーラー、シャーロットの恋愛事情をマドレーヌ先生が分析!

※第1回目のキャリー編はこちら

ケース②:シャーロットの場合

【SATC恋愛心理学】シャーロットから紐解く「幸せな結婚」
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―結婚願望が強い私。家庭を築きたくて焦っています…幸せな結婚ができるパートナー選びをするには?

4人の中で1番保守的で、結婚願望や子どもを持つことを望むシャーロット。"運命の人"だと感じたイケメンの医者トレイと電撃結婚するも、セックスレス、シャーロットの不妊を通しての意見の違いなどを経て離婚してしまいます。その後は離婚調停の際の弁護士ハリーと出会い、再婚することに。結婚願望が強いシャーロットが、焦って失敗せずに幸せな結婚をするにはどうすればいいの?

▼マドレーヌ先生の回答

「世の多くの女性たちが"Have it all(恋も仕事も思いのまま)"を強く願っているわ。キャリアでの成功、愛情いっぱいの結婚生活、幸福な家庭を築くこと…。

でも実際、すべて欲しいものを手に入れるのはかなりの難関。特に、シャーロットのように、キャリアを確立するまで、パートナー探しや、家庭を築くことを片隅に置いてしまうと、なおさら難しくなります。シャーロットはアートディーラーとしての仕事を、トレイと結婚して家庭に専念するために辞めてしまうの。それでも、トレイとのセックスの問題、子どもができないこと、義理母との関係など、数々のストレスや問題に直面し、悩みが尽きなくなります。

もし、そんなシャーロットにトレイとの結婚においてアドバイスをするなら…

仕事を辞めてしまわないこと

子どもが欲しくてもできない夫婦にとって、家族や友達、そして夢中になれる仕事が、人生にポジティブな側面を与えてくれるものです。それに、社会と繋がっていることは精神的に大きなサポートになるんです。

パートナーや、彼の家族についてよく知ってから結婚すること

シャーロットは結婚に対して、とても大きな不安を抱いているんです。結果、トレイが本当に結婚するべき相手か見極める前に、決断をくだしてしまうの。もし、もっと時間をかけて冷静に彼のことを深く知っていたら、2人の間にこれから起こる問題に気が付いて、きっと結婚しなかったはず。アメリカの恋愛を研究する専門家の多くが、結婚前に12年かけてお互いのことを知ることを勧めているわ。

そして、ついにシャーロットはトレイと別れます。その後、彼女とは全く異なるタイプの弁護士ハリーと結婚するの。彼とは宗教(ハリーはユダヤ教徒)も違えば、ハリーは初対面のシャーロットの前で不味いベーグルをティッシュに吐き出してしまうなど、上品なシャーロットとはマナーも大違い。ただ、彼女が本当にずっと幸せな結婚生活を送り続けたいなら、彼は結婚相手としてオススメしたいタイプの男性ね。世の多くの女性たちが理想の男性は"誠実で、思いやりがあって、信頼できることが一番大切"と考えます。ハリーはシャーロットとの関係において、この3大条件をクリアしている男性。そして、たとえ性格に多少違うところがあるとはいえ、2人には大切な部分で共通しているところが多いのもポイント。例えば、2人とも家族を持つことを望んでいて、子どもができなければ養子を受け入れることにも積極的。研究においても、人生への姿勢や価値観が共通しているカップルは、より幸せな関係が築け、長続きすると証明されているわ。

最後に、ハリーはシャーロットに本物の愛を教えてくれた男性。あれだけ"結婚"にこだわっていたシャーロットも、ハリーのことを心から愛し、『結婚なんてどうでもいい。ただ、あなたと一緒にいたいだけなの』と素直な気持ちを伝えてハッピーエンドを迎えます♡」

 thumnail
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お話を伺った先生

Madeleine A. Fugère, Ph.D.,(マドレーヌ・A.フジェル先生)

【SATC恋愛心理学】シャーロットから紐解く「幸せな結婚」

イースタンコネチカット州立大学で社会心理学を教える教授。恋愛関係などを研究し、著書に『The Social Psychology of Attraction and Romantic Relationship(Palgrave 2015)』がある。また、『Psychology Today』という心理学情報専門の雑誌にてブログ記事を執筆中。