宝石の「キラキラ」にも価値がある

主な宝石の特性値一覧表
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前回の4Cにつづいて、今回知っておいていただきたいのが、この一覧表。この中の「屈折率」というのが宝石の「キラキラ」の要因のひとつになっています。

光は物体を通り抜ける際に、その角度が物体の中で変わります。ここで生まれるのが「光の屈折」です。この角度が深く、複雑なほど、その光は私たちの目にキラキラと映るようになっています。この屈折率が高ければ高いほど、石のキラキラが強く見えるようになります。表の中でも、ダイヤモンドの屈折率が特に高いのが分かりますね。

ダイヤモンドが本物かどうかを見極める方法のひとつとして、「一本の線を引いた紙の上にダイヤを乗せた時に、その線がダイヤを通して見えなくなるか 」という手法があります。

これはこの屈折率を利用した見極め方で、ダイヤモンドは特に屈折率が高いので、石を透過する光が複雑に屈折し、透過した下の線は見えなくなると言うものです。(実際はダイヤ以外でも見えなくなってしまう透明石もあるので、完璧な方法とは言えませんが)

ダイヤモンド 屈折率 透過 類似石pinterest
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輝きの角度を科学的に分析し、最も美しく輝くように計算され尽くしたのが、現代のダイヤモンドのカット形状です。

ダイヤモンドに差し込んだ光は、内部で完全に反射し、ダイヤの表面から光を放つようになっています。

ダイヤモンドのカットによる光のかがやきpinterest
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また、光がダイヤモンドを通り抜ける際に、もうひとつキラキラの秘密が生まれます。

光が宝石を通り抜ける時に、白色光は虹色の光に分かれます。それが「ファイア」と呼ばれる光の分散です。

プリズムと7色に分散される光pinterest
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この分散も宝石の種類によって変わり、より大きな分散を出す石は、輝きも美しくなります。

ダイヤモンド以外の宝石については、一覧表にまとめられるような価格基準はないのですが、そこでも色や大きさ、内包物や傷の有無に沿って価格が変わって行きます。基本的にはやはりカラット数の大きなもの、そして内包物の少ないものが外観も美しく、高価になります。

もちろん、ジュエリーとしての価値には、デザインやブランド力も加味されます。石の価格だけがジュエリーの価値になる訳ではありませんが、宝石そのものの価格は、基本的にはこうした鉱物的な特性値に基づいて決まっているのです。