「世界一周の旅」に憧れは抱いても、仕事や予算のことなどを考えると、どこから行動していいか分からないのが現状。でも、長い人生のうちの、たったの1年だけでも世界を周ることができたら、一生の宝物になるはず! そんな思いを実現した、フランス人トラベル・ブロガーの2人に、彼女たちの「旅と人生」への価値観について聞いてみた。

カミーユ(30歳) <L'Oiseau Rose>  トラベル・ブロガー 

これはThird partyの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

27歳のとき、約15カ月間かけて世界一周の旅に出たカミーユ。現在も時間があれば旅に出かけ、トラベル・ブロガーとして旅の素晴らしさを発信している。そんなカミーユが、世界一周に出たきっかけは、社会での生き方に違和感を覚えていたのがきっかけだそう。

―旅に出るまでは、どのような価値観を持っていたの? 旅に出たきっかけは?

毎日同じことの繰り返しは嫌で、自分が幸せだと感じる生き方を選びたかった

小さい頃から、ずっと冒険心がいっぱいの性格だったわ。見たことがない景色、新しく出会う人、他の文化で暮らす人の生き方や価値観など、とっても興味があった。だから、同じ場所や国でずっと生活することは、私には不可能だったの。

そして、大人になって働くにつれて、社会の仕組みに違和感を覚えていた。みんな自分の心の声ではなく、会社やビジネスのルールに沿って生きていて、自分の人生なのに、なんだかそれって悲しいし、私は自分自身で幸せと感じる生き方をしたいと思っていたの。

その時は、2年間小さな会社の従業員として働いていたんだけど、毎朝同じ時間に起きて、同じ人と会って…っていう日々の連続にも、どこか空しく感じていた。そのうちに、どんどん、人生を無駄にしているような不満が溜まって、ある日「生き方を変える!」と決め、約1年間、世界一周の旅に出ることにしたの。

これはThird partyの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

―旅立つことで、帰国後の将来の生活への不安はあった?

やっと自分の人生で好きなことができるのがとても嬉しかったから、不安はなかった。私の人生の中で1番大切なのは仕事ではなく、"愛"なの。だから、この世界一周の旅では、私の彼も「一緒に行く!」と言ってくれて、2人で旅ができて嬉しかったわ。

―旅の最中に大変だったことは?

特に大きな問題はなかったけど、とある国の国境で、入国ビザを得るのに法外な料金を支払わせようとする人もいたから、気をつけないといけなかった。旅の際中では、料金交渉などをきちんとしないと、最後に困るのは自分。だからこそ、自分の主張をする強さも身についていくと思う。

―印象に残っている経験を教えて!

特に、ネパールのポカラという街でパラグライダーをしたときのことかしら。前から挑戦してみたかったんだけど、いざ本番! となると、前日は緊張して眠れなかった。でも、恐怖心に負けるのは嫌で、「限界まで自分を試すのよ」と、自分に言い聞かせていたの。そうやって、いざ飛んでみると…とっても気持ちよくて、感動したわ! なにより、自分の恐怖心に打ち勝てたことが、最高に嬉しかった。

―旅によって、人生観は変わった?

いろんな国に行ったおかげで、世界は思っていたより小さく、行きたい気持ちがあれば、どこにでも行けるということを感じた。その他、帰国後は、家にある必要のないものを捨てたわ。不必要なものに惑わされるのは、もう嫌だったから!

それから、アウトドア活動も多くなった。ハイキングに出たり、自然豊かな場所に行ったりっていうことが日常生活の中で、幸せをくれる時間だと気付いたの。

世界一周をしたフランス人ブロガーが語る「旅と人生」pinterest
©2012-2016 L'Oiseau Rose

―感動した海外での経験は?

22歳のときに、タイに3カ月間滞在して大親友ができたんだけど、帰国するときには、本当に寂しくてたまらなかった。もう一生会えないんだって思ったし、彼女と過ごした暖かい時間から離れて、元のフランスの生活に戻るのが悲しかった。でも、5年後に世界一周の旅をしたときに、彼女に会いにタイに行こう!とひらめいたの。実際にタイに着いて、彼女を見つけたときは、とても感動したわ! 2人の間に流れる時間は何も変わってなくて、一緒に幸せな時を過ごした。本当に心で繋がってる友だちとの間には、距離も時間も関係ない、と強く感じたし、また、いつか絶対会えると確信してる!

―帰国後に、もとの生活に戻ることに違和感はあった?

もう、会社のルールに従って生きたり、毎日同じ繰り返しの生活は送りたくない! と決めていたし、他の人に旅の素晴らしさを伝えたい! という情熱もあったの。だから、旅のブログを本格的に更新することにした。世界一周の旅の話や写真をシェアしたり、お金を上手に使うコツなどのアドバイスもしてる。私の書いた旅の記事が、誰かを新しい旅に突き動かすきっかけになった、という感想を聞くと、本当に心から幸せだと思うわ。

―今、あなたの人生で1番大切だと感じることは何?

後悔しないように、自分の直感に従って生きること

私たちは、少しの勇気を出さなかったことで、後悔することって日常でたくさんあると思うの。だから、他の人の目を気にしないで、自分の直感に従って幸せと感じることを優先していくのが大切だと思う。思いっきり人生を満喫して、穏やかな老後の生活を送って、後悔なく人生を全うしたいわ!

インスタグラム:@loiseaurose

オレイユ(30歳) <Madame Oreille>トラベル・ブロガー、フォトグラファー

2歳になる子どもを抱え、海外へ自身のブログのための取材をしに行くオレイユ。「子どもにも、私にとっても、読者にとっても、娘と一緒に旅に行くことは良いことなの」と、オレイユが主張する理由とは…?

世界一周に出たフランス人女子が語る「旅と人生」pinterest
© 2015 Aurélie Amiot - Madame Oreille

―世界一周をするようになった経緯を教えて。

子ども時代は、いつも旅のドキュメンタリーを見て、素敵だなと憧れていたわ。そして、22歳のときに、できるだけ遠くに行こうと思い、当時の彼氏と一緒にモンゴルに行ったのが冒険のスタート。ロシアでシベリア鉄道に乗ったり、現地民族の家庭にホームステイしたりしたのは、とても良い経験だった。その後は、ビデオ編集者として働いていたけど、27歳で仕事を辞めて以来、頻繁に旅に出るようになったの。私の場合は、一気に世界一周したわけでなく、1カ月行って、帰国して、その後に3週間旅に出かけて、というスタイルで旅をしていたわ。そして、今は2歳の娘を育てながら、月に1~2回、ブログの取材のために旅に出ているの。

世界一周をしたフランス人ブロガーが語る「旅と人生」pinterest
© 2015 Aurélie Amiot - Madame Oreille

―旅に出て、自身の中で変化したこと、また、学んだことは?

多くの人は、旅に出ると価値観が広がるって言うけど、私はそう思わない。旅をしなくても、オープンマインドでいることは可能だと思う。例えば、本を読んだり、映画を見たりすることで、心で旅を味わうことができるでしょ。それに比べ、旅は実体験を通して学べる場だと思う。好奇心を刺激し、世界を知る、1つの方法ね。例えば、日本に行ったとすると、日本人がたくさんいる中に入り込んでこそ、はじめて、自分が礼儀正しい行動をしているか、そうでないかを学ぶことができる。こうして異文化の人に会うことで、旅は私の人格を豊かにしてくれたと思うの。

―旅に出て、大変だったことはあった?

たとえば、ロシアに行ったとき、英語が全く通じなかったこと。でも、そういうところだからこそ、予想外の出来事が起こったときの対応をする柔軟さが身につくわ(笑)。結局は、何か起こっても絶対に解決策は見つかると思う。起こった出来事に対して、パニックになる自分の心をコントロールして、乗り越えることができる、と自分を信じることが大切なだけ。

また、旅をするほど自信がもてるようになると思う。ニュースで見るほど、世界は物騒な場所なんかじゃないしね!

―子どもと一緒に旅をしているようだけど、子連れで海外へ行くのは大変?

子どもと一緒に旅をすることで、人との出会いが広がる

娘との旅は、最高の経験よ! 子どもの食事や昼寝のことを考えたり、というのは大変だけど、お気に入りのオモチャさえ持たせれば、大丈夫! どんな国でも、子どもは大歓迎されるから、子どもを通して、話す機会がない人達と会話を交わせるのが1番のメリットだと思う。以前、娘と日本を訪れる機会があったんだけど、たくさんの人が、娘に「カワイイ!」と話かけてくれて、それがきっかけで日本人の人と話すことができて、とても嬉しかったのを覚えてる。素敵な出会いを引き寄せてくれた娘に感謝してるわ!

よく、子どもに怒る親を見るけれど、子どもだから走りまわったり、泣き叫んだりするのは当たり前で、「じっとしていなさい」と、言うべきではないと思うわ。

娘とは、今まで10カ国以上訪れたの。旅に行くときは、仕事、インターネットは忘れて、娘との自由な時間を100%楽しむようにしてる。ブログでも、そのほうが、心から家族で楽しんだオススメの場所が紹介できるしね。

小さいうちに旅しても、覚えてないという人もいるけど、私は、旅は子どもに何かしら影響を与えると信じている。だから、これからも海外旅行に連れていくわ!

これはThird partyの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

―最後に、将来のプランを、教えてください。

まだまだ訪れたい国はたくさんあるし、5年後は全く違うことをしているかもしれないけど、メディアの仕事に携わるという面では、リミットを持たずに、いろいろ挑戦して精進していきたいわ!

インスタグラム:@mmeoreille