【悶々72】露出狂に呪われた人生ですが。

露出狂は死んでいいと思いますが、そのモノ自体はそんなに憎んではいません。意外と。

人気の記事

見ず知らずのペニスを見たい、とは思わない

中高から30歳くらいになるまで、私はなぜか露出狂にしょっちゅう遭遇する人でした。中高生時代は学校に通う電車の中で、特にJRの乗車区間は有数の混雑区間だったので、座席に座れない日はもみくちゃになるわけですが、この人痴漢ぽいなと思って避けた先が露出狂みたいなことも少なくなく、なんで狙われるのかしら、あ、もしかして背が低いから? 視線の高さがちょうどってこと?みたいに変な納得をしていたのですが、そうした通学生活が終わり告げても露出狂とは縁が切れず、街を歩いていて角を曲がったら露出狂、道端に止まっている車の中を何の気なしに見たら露出狂、みたいなこともしょっちゅうでした。25歳を過ぎた頃からは達観し「またですか」とスルーできるようになりましたが、それでも覚えてしまうあの何とも言えない屈辱感。この世の全露出狂を荒縄で縛って東京タワーにつるし1年間雨ざらしにしてやりたいくらいです。

ADの後に記事が続きます

さて前回に引き続き、今回もネタは『SHAME シェイム』、今を時めくマイケル・ファスベンダーと、『それでも夜は明ける』のオスカー監督スティーブ・マックイーンが、最初に世の中を「あっ!」と言わせた作品です。何しろ主人公がセックス依存症という設定で、ファスベンダーがオールヌードで登場し、過激な性描写が次々とあり、日本で公開できるんだろうか……みたいな作品だったのです。

イケメンがオールヌード!みたいなことで、映画業界はこぞって盛り上がおり、もちろん私も「これは見ねば!」といきり立っていたわけですが、ふと考えてみると何が見たかったのかしら。だって露出狂にあれだけ悩まされた私は、その持ち主がイケメンだろうとなんだろうと、見ず知らずのペニスを「みみみ見たい!」と思ったことなんて一度もありません。

「見世物」か「屈辱を与える道具」か

とはいえ『SHAME シェイム』は日本公開バージョンなのでボカシがばっちり入っているのですが、よく考えたら私、ベルリン映画祭の『ニンフォマニアックVol.1』でも、「無修正バージョン」と聞き「これは見ねば!」と、やっぱりいきり立っていたのでした。そして上映では次々と映し出される何十本ものペニスを、周囲の観客と一緒に爆笑しながら見たのです。それでも見ず知らずのペニスを「みみみ見たい!」と思っていたわけではないことを、私は断言できます。映画を見たかったのは、たぶんそれがめったに見られない「見世物」だったからです。

ところがその一方で、もう最悪に気持ち悪い、こんなもん見せないでくれと思った映画もあります。『ブラウン・バニー』『LOVE 3D』という2本がそれで、個人的には「二度と見たくない」どころか「見たことを後悔」くらいの作品です。そこで感じた不快感は露出狂に遭った時に似て、「誰かに屈辱感を与えるための道具」として描かれるペニスがかわいそうになるくらいです。ああいうの、当の男が嫌がらないのが不思議。

そんなわけで罪を憎んでペニスを憎まずの私ですが、これまでの露出狂遭遇人生の中で、特に印象に残っている経験があります。腰の位置に鈴をわんさかつけたその男は、片手でそれをシャンシャンさせながら歩き、通りすがりの人が何あれ?と思って音源を見るとその横にデローンとご開陳してたのです。もはやエロなのかオモシロなのかわかりません。もちろんもう一度会いたいとは思いませんが、何度思い出しても笑える――ということは、私にとっては、あれは結構いい「見世物」だったのかもしれません。

♥【女子の悶々】記事一覧はこちらでチェック

More from Cosmopolitan Japan:
映画
シェア
話題の映画で再注目! ナンシー・ケリガン襲撃事件の真相
映画界で旋風を巻き起こしたことで、再び当時の事件にも注目が…!
新年に見たい「フィアレス女性」が主役の映画7
映画
シェア
新年にこそ観たい「フィアレス女性」が主役の映画7
新年にこそ観たい!フィアレス(恐れ知らず/大胆な)な女性を参考に、自分に火をつけて!
ほぼ同時期に公開された「そっくり映画」ガチバトル6
映画
シェア
公開時期までほぼ同じ!?「そっくり映画」ガチバトル6選
ヒットしたのは、果たしてどっち?
1997年12月の公開から20年を迎えた映画『タイタニック』。タイタニック号を舞台に、ジャック(レオナルド・ディカプリオ)とローズ(ケイト・ウィンスレット)が恋に落ちる物語で、現在も世界興行収入ランキングで2位をキープするほどの大ヒットを記録した。ジャックとローズは架空の人物で、2人のラブストーリーはフィクション。でも実はこの映画、実在したカップルも登場していることが明らかに。そのカップルとは、一体どんな人物だったのか。US版『カントリーリビング』誌が、2人のひ孫で歴史家のポール・クスマン氏に聞いてみた。
映画
シェア
映画『タイタニック』に描かれていた!実在のラブストーリー
ジャックとローズは架空の人物だけど、あの老夫婦は実在していた!
映画
シェア
キュンとしちゃう♡甘くて切ない「遠距離恋愛」映画8選
濃厚なラブストーリーに、コメディ、ミュージカル…名作を厳選!切ないロマンスに泣けるはず
今回は、ホリデーシーズンに観たいステキな「キスシーン」のある映画9作品をご紹介。キスするシーンは数あれど、一度観たら脳裏に焼き付くような印象的な名場面も多いもの。思い続けた人との初めてのキス、2人の愛情の証のキス、ドキドキセクシーなシーン中のキス…。一度キスしたことがある人なら、心が揺さぶられること間違いなしの映画を集めました♡ 1人でも、カップルでも、観終わった後はどこか温かい気持ちになれるはず。
映画
シェア
彼と見るのもアリ!「キス」が心を揺さぶる映画9
彼と一緒でも、クリぼっちでも。冬のホリデーシーズンには、恋愛気分にどっぷり浸ってみるのもいいかも。
刺激的すぎ!セックスシーンが話題になった映画8選
映画
シェア
刺激強め!セックスシーンが話題を呼んだ映画8選
でも、観てみたい…♡
映画
シェア
「僕の愛する君が、そんなことするはずない」は、愛じゃなくて脅迫
「愛」を盾にすれば、どんな要求でも通ると思ってる、むちゃくちゃな人たち。
映画
シェア
亡きレイア姫への想い…『スター・ウォーズ』キャストが来日
いよいよ公開!本作が遺作となったレイア姫役のキャリー・フィッシャーへの想いも…
映画
シェア
「女性を分断しようとする連中に、私は利用されたくない」
美しく強い女性を演じ続けるジェシカ・チャスティン本人に迫る!