【悶々55】業務化するバレンタインの憂鬱

個々の思い入れの違いとか、必ずしも喜ばれてないとか。

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バレンタインにイモ洗いと化すデパ地下

ここ数年、なぜか年末から2月にかけて妙に忙しく、気づくと家で原稿書いている、テレビをつけてもニュースと仕事関連の素材ばっかり見てる、試写室と取材と家の往復になっているなんてことが多く、あ、でも季節ものの原稿も書かなきゃいけないんだわと思い、にしても季節って何かしら?節分?花粉症?アカデミー賞?なんて考えているうちに、はたと自分の浮世離れに気付くと同時にバレンタインデーに思い当ります。

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そうしてみると、テレビでも電車の中吊りでもお菓子メーカーが毎年恒例の「ガー●で作るバレンタイン」みたい真っ赤なキャンペーンを張ってるし、FBにはチョコレート関連の投稿とか妙に増えているし、心なしか私もチョコレートが食べたいような……とついうっかり『チャーリーとチョコレート工場』を見てしまい、完全にチョコレートなモードになってしまった自分の単純さには驚かされるばかりです。この工場では熱々に溶かしたチョコレートの滝があり、それによって空気を含ませふんわりとさせるという世界中のどこにもないシステムがあり、全身にマシュマロとナッツを付けて私自身がフォンデュされたいという思いにかられます。

最近は大衆的なものから高級なものまで本当においしいチョコレートのバリエーションが多く、これがデパ地下というファンタジック空間に集結しているのも素晴らしいのですが、この時期のその場所には「ど・れ・に・し・よ・う・か・な~」なんて甘い逡巡が存在する余地などまるでありません。完全なもみくちゃのイモ洗いの中、売れ筋のチョコレートと売り子のお姉さんを奪い合う闘技場のようなものです。

義理だし、5000円くらいでいいんじゃない?

仕事の関係で月に一度は地方出張に行く私は、取材班最強のお土産ハンターとしても知られています。酒肴偏重で恐縮ですが、山梨ではワインを、福井ではヘシコを、秋田ではがごめ昆布を、北海道ではイクラを、青森ではシードルを、八ヶ岳では高原野菜をバカみたいに買い込みます。自分で食べきれずに周囲におすそ分けするのもしばしば、つまり必要なわけではないし、東京でも買えることも承知ですが、それでも買うのはその場の空気に乗って買うのが何より楽しいからです。

バレンタインのチョコレートも同じ楽しみがあると思っていたのですが、最近のデパ地下闘技場には、バレンタインだし買っちゃおー!みたいな楽しさよりも、バレンタインという同調圧力の中、今日中に買っておかねば……みたいな必死さが漂います。見聞きするところによれば、もはやバレンタインが心理的なレベルで会社業務化していることは疑いようもありません。そしてその業務に対する個々人の思い入れの違いが、一部の女子たちを憂鬱にさせているのではないかと、私は思うのです。

例えば5人の女子一人頭500円を集めて「みんなで食べて下さい」的にひとつ大きなボックスを買って済ませる的なコンセンサスが成り立っている部署であれば、心和む平和なイベントとしてすんなりと終了します。でも、女子は私だけなのに男は10人もいるんですけど的な部署もあるでしょうし、部署に3人いる女子のひとりが「義理とはいえこだわりたいから」と連帯してくれず、全員にゴディバのトリュフアソートメント2粒×5人分4535+部長に41728円でしめて6263円、つまり「マジですか連帯して一人頭1500円くらいで済むんじゃないかと想像してたのに」的な展開もあるし、「高くついちゃうから連帯したほうがいいよね」という先輩の言葉にホッとしたのもつかの間、「最低限ひとり5000円くらいかな~」という金銭感覚の違いに愕然とし、ちょっとちょっと、義理ですぜ、会社のおっさん相手ですぜ、と反論することもできず……というのも涙なくして聞けない話です。

さらに言うなら、「ホワイトデーに倍返し」というここ10年ほどで定着した不文律によって、男の側もチョコレートをもらうことを必ずしも喜ばなくなっていることにも触れねばなりません。とはいうものの「会社でのチョコレートのやり取りは禁止!」というのもムキになりすぎな感じだし、同時に「男ウケ狙い」でこっそりやる人や、「禁止って言ってんだろうが!」という嫉妬する風紀委員みたいな人を生み出すことになり、なんだかどっちもうっとおしい……。

そんなわけで、恐ろしく悶々とさせられる闇のイベント、バレンタイン。今年も近づいてまいりましたね。

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チャーリーとチョコレート工場 (字幕版)

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