9月のおすすめ映画は、"信念のある女子"がテーマ。NASAの歴史的宇宙開発に携わった黒人女性3人の困難を乗り越える姿『ドリーム』、ミステリアス&美貌を兼ねそなえるスピリチュアルな姉妹『プラネタリウム』、ナチスを題材に破天荒女子が繰り広げるユーモアにくぎづけな『ブルーム・オブ・イエスタデイ』など、この秋は極上作品がズラリ。魅力あふれるヒロインたちからパワーをもらって♡
『ドリーム』
決して諦めない。困難を乗り越え偉業を成し遂げる、その強さに心打たれる
公開日/2017年9月29日(金)TOHOシネマズシャンテほかロードショー
ストーリー/1961年のヴァージニア州ハンプトン。ここには、ソ連と激しい宇宙開発競争を繰り広げるNASAの研究所があった。優秀な頭脳を持つ黒人女性たちが計算手として働く"西計算グループ"のひとり、数学の天才的な能力を持つキャサリン(タラジ・P・ヘンソン)。やがて彼女は、黒人として初めて宇宙特別研究本部のメンバーに抜擢されるものの、白人男性だけのオフィス環境は劣悪同然。"西計算グループ"の同僚ドロシー(オクタヴィア・スペンサー)とメアリー(ジャネール・モネイ)もまた、理不尽な壁にぶち当たってしまう。それでも、それぞれ家庭を持つ3人は公私共に毎日をひたむきに生き、国家の威信をかけたNASAのマーキュリー計画に貢献しようと奮闘する…。
見どころポイント/1960年代初頭のNASAの有人宇宙飛行計画。本作では、その歴史的な宇宙開発に携わった、実在の黒人女性数学者たちにスポットライトを当てる。まだ人種差別が強く残っていたこの時代。彼女たちが持ち前の知性、努力、メゲない精神で力強く乗り越えていく姿には感服させられるばかり! 鮮やかな60年代ファッションに彩られ、絶妙なユーモアもあり爽やかにスッと気持ちに入ってくるのもポイント。感動だけじゃない、ポジティブになれる、働く女子必見ムービー♡
監督/セオドア・メルフィ
キャスト/タラジ・P・ヘンソン、オクタヴィア・スペンサー、ジャネール・モネイ、ケビン・コスナー、キルスティン・ダンスト、ジム・パーソンズ、マハーシャラ・アリ ほか
製作国/アメリカ
製作年/2016年
配給/20世紀FOX映画
『プラネタリウム』
野心家の姉。ピュアな妹。狂わされるほどのミステリアスさと美貌
公開日/2017年9月23日(土)、新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国公開
ストーリー/舞台は1930年代の華やかなパリ。アメリカ人のスピリチュアリストで、姉妹のローラ(ナタリー・ポートマン)とケイト(リリー=ローズ・デップ)は、憧れのパリへと向かう。美しく野心家の姉・ローラはショーを仕切る野心家、一方の妹・ケイトは好奇心旺盛で純粋、自分の世界に閉じこもりがち。そんなふたりは、ショーで死者を呼び寄せる降霊術を披露し、話題の美人姉妹として金を稼いでいるのだ。それに目を付けた映画プロデューサーのコルベン(エマニュエル・サランジェ)は、世界初の心霊映画を撮影しようと契約。姉妹のスピリチュアルな力は本物? それとも…。彼女たちの運命は…!?
見どころポイント/アメリカ人でスピリチュアリズムの先駆者・フォックス姉妹、そして、フランスの映画プロデューサー、ベルナール・ナタンと、実在の人物がモデル。活躍した年代、場所も違うけれど、「見えないものを見せようとした」「詐欺師と呼ばれた」という共通点があるのだとか。ミステリアスなものについつい惹かれがちになってしまうけれど、"美"がプラスされるとますます説得力が増すもの。ナタリー・ポートマンとリリー=ローズ・デップ、そしてレベッカ・ズロトヴスキ監督がつくりあげた美しく刹那的な物語にどっぷり浸って。
監督/レベッカ・ズロトヴスキ
キャスト/ナタリー・ポートマン、リリー=ローズ・デップ、エマニュエル・サランジェ、アミラ・カサール、ピエール・サルヴァドーリ、ルイ・ガレル、ダーヴィット・ベネント、ダミアン・シャペル ほか
製作国/フランス、ベルギー
製作年/2016年
配給/ファントム・フィルム
『ジュリーと恋と靴工場』
恋も仕事も全力投球。イマを生きるヒロインに共感間違いなし♡
公開日/2017年9月23日(土)、新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
ストーリー/フランスの田舎町に住む、25歳のジュリー(ポーリーヌ・エチエンヌ)は、就職難の末に、ロマンにある高級靴メーカーの工場で試験採用となる。しかしその工場は、近代化の煽りを受け工場は閉鎖寸前。靴職人の女たちは、リストラされることを恐れて、抗議のためにパリの本社に乗り込む騒動を起こす。巻き込まれてしまったジュリーはクビになりかけるものの、恋の予感も訪れる♡ 自由を求める運転手サミー(オリヴィエ・シャントロー)に強く惹かれていくジュリー。靴工場の閉鎖を乗り越え、果たして本当の幸せを手にすることができるのか…!?
見どころポイント/職も、金も、彼氏もナシ。そのフレーズで、すでにこの作品に興味を持つ女子もいるのでは? ヒロインを演じるのは、『EDEN/エデン』にも出演をしたポーリーヌ・エチエンヌ。イマドキのオトナ女子が抱える悩みを、まさに等身大で演じているのがポイント。まあるいキュートな瞳にもキュン♡としてしまう。コメディ&ミュージカル仕立てで、カラフルな世界観にも引き込まれること間違いなし。まっすぐな彼女に元気をもらえるキュートな作品♡
監督/ポール・カロリ、コスティア・テスチュ
キャスト/ポーリーヌ・エチエンヌ、オリヴィエ・シャントロー、フランソワ・モレル ほか
製作国/フランス
製作年/2016年
配給/ロングライド
『ブルーム・オブ・イエスタデイ』
破天荒なのに憎めない! 愛嬌&ユーモアあふれる女子に夢中
公開日/2017年9月30日(土)より、Bunkamura ル・シネマほか全国順次ロードショー
ストーリー/ナチスの戦犯を祖父に持つ研究者のトト。一方、ナチスの犠牲者となったユダヤ人の祖母を持つインターンのザジ。家族の罪と向き合うため、親族の無念を晴らすため…。スタート地点は真逆だけれど、トトもザジもホロコーストの研究に打ち込み、同じ目標を持っている。そして、アウシュビッツ会議を企画することに。人付き合いが苦手なトトは、最初、フランスからやってきたザジに激しく反発していたけれど、彼女の型破りなユーモアにいつしか生きる力をもらう。互いに強く惹かれていくふたり。けれど、その出会いは偶然ではなかった!? 過去を追いかける旅の途中で、ザジが隠していた驚くべき事実が明かされる。
見どころポイント/"ナチス"という重いテーマにも関わらず、ユーモアと毒舌の嵐に驚き。監督のクリス・クラウス自身、主人公と同じように家族にダークな過去があり、ホロコーストの調査を重ねたそう。その際に、加害者と被害者の孫世代が、歴史をジョークにしながら楽しそうに話している様子からこの映画のアイディアが浮かんだとか! また、ザジを演じたのは、フランスでもっとも期待されている若手女優のひとり、アデル・エネル。破天荒女子・ザジを見事に演じきる♡
監督/クリス・クラウス
キャスト/ラース・アイディンガー、アデル・エネル、ヤン・ヨーゼフ・リーファース、ハンナ・ヘルツシュプルング ほか
製作国/ドイツ、オーストリア
製作年/2016年
配給/キノフィルムズ・木下グループ
『サーミの血』
自由に生きるって難しい。少女は故郷も家族も捨て羽ばたいていく
公開日/2017年9月16日(土)より、新宿武蔵野館、アップリンク渋谷ほか全国順次公開
ストーリー/1930年代のスウェーデン。北部のラップランドで暮らす先住民族の「サーミ人」は、差別的な扱いを受けていた。サーミ語を禁じられた寄宿学校に通う少女、エレ・マリャ(レーネ=セシリア・スパルロク)。彼女は成績も良く進学を望んでいたものの、教師から「あなたたちの脳は文明に適応できない」と非礼な言葉を告げられる。そんなある日、エレにある転機が。スウェーデン人のふりをして忍び込んだ夏祭りで、都会的な少年ニクラス(ユリウス・フレイシャンデル)と出会い、恋に落ちたのだ。トナカイを飼いテントで暮らす生活。そこから抜け出したいと考えていたエレは、彼を頼り街に出る…!
見どころポイント/アマンダ・シェーネル監督は、サーミ人の血を引く女性。また、主演のレーネ=セシリア・スパルロクは現在もノルウェーでトナカイを飼いながら暮らすサーミ人なのだとか。彼女の演技は高く評価され、昨年の東京国際映画祭で最優秀女優賞を受賞しているほど! ナチュラルで表現豊かな姿に、物語へグッと引き込まれる。雑貨やアートなど、北欧の文化が女子を魅了しているけれど、この作品では違った一面を知ることができるはず。
監督/アマンダ・シェーネル
キャスト/レーネ=セシリア・スパルロク、ミーア=エリーカ・スパルロク、マイ=ドリス・リンピ、ユリウス・フレイシャンデ ル、オッレ・サッリ、ハンナ・アルストロム ほか
製作国/スウェーデン、ノルウェー、デンマーク
製作年/2016年
配給/アップリンク