国によって検閲の基準は違うため、何をもって(性描写などを)露骨とするか、または危険とみなすかも、国によって大きく異なるもの。

コスモポリタン イギリス版では、″国の事情″によって上映禁止指定を受けた映画6作品を紹介。理由に納得のものから「え、そんな理由で!?」と思うものまで、その背景は実に様々。

1.『ブルーノ』 禁止国:ウクライナ 理由:正当化しようのない性器の露出

ブルーノ
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サシャ・バロン・コーエンがオネエ系のオーストリア人を演じた本作だけど、ウクライナの人たちはこの映画のジョークを受け入れられなかったよう。その結果、以下の複数の理由で上映禁止になったのだとか。

「正当化しようのない性器の露出」「露骨かつリアルな手法で同性愛者の変態性を表現しているため」「過激で露骨すぎる同性愛者による性的行為、卑猥な言動、サド行為、反社会的行動の描写」

2.『2012』 禁止国:北朝鮮 理由:2012年に対して不吉な内容だから

2012
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北朝鮮にとって、2012年は故金日成主席の生誕100周年に当たる年できわめて縁起のいい年とされていたのだそう。当時の最高指導者だった金正日も、2012年は「超国家としての飛躍につながる壮大な門が開く」と発言。そのため、その年にありとあらゆる自然災害が発生して世界が破滅するというストーリーがお気に召さなかったのだとか。

3.『E.T.』 一部禁止国:スウェーデン 理由:大人を悪者として描写しているため

ET
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この映画は完全に上映禁止になったわけではないものの、鑑賞可能年齢が11歳以上のみという年齢制限が設けられたのだとか。子どもが楽しめる作品であるのに、なんとも皮肉…。スウェーデンの映倫委員会は、このような決断を下した経緯について「大人が子供の敵として描かれているから」とコメント。

4.『キングコング』 禁止国:フィンランド 理由:ゴリラの描写が生々しすぎる

キングコング
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シリーズの元祖が製作された1933年、当時のフィンランドでは、この映画の特撮効果は過激だと見なされたよう。着ぐるみのゴリラが暴れまくる本作を観てひどいショックを受ける人がいるなんて、今では想像ができないけど…。初上映の際に上映禁止になったものの、その6年後には方針が変わり、結局上映されたんだとか。

5.『ズーランダー』 禁止国:イラン 理由:同性愛的要素が強すぎる

ズーランダー
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イランでは、同性愛者の権利推進するもの、同性愛的表現を描写する行為を厳しく取り締まっているのだとか。ランウェイを舞台に繰り広げられるベン・スティラーのコメディが、対象になってしまったよう。でも、映画自体はゲイをテーマにしてないのに…。

6.クレア・デインズが出演する映画すべて 禁止国:フィリピン 理由:クレアがフィリピンについて「臭い」とか、「不気味」と発言したため

クレア・デインズ
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1999年、クレア・デインズは2人の若い女性が犯罪に巻き込まれてタイの刑務所に送られるというストーリーの『ブロークダウン・パレス』に主演。ただし本作は、実際はタイではなく、フィリピンで撮影されたそう。

彼女は<Vogue>とのインタビューで、マニラは「身の毛のよだつ、不気味な街」とコメントし、さらに<Premiere>とのインタビューでは「ゴキブリの匂いがして、ネズミがウヨウヨしてるし、下水システムも整備されていない」と発言。

フィリピンの大統領はこれらの発言に激怒し、彼女が謝罪の言葉を発するまで、彼女が出演するすべての映画を上映禁止処分にしたそう。これを受けてクレアは声明文を出したものの、その内容は謝罪とは言えない、なんとも微妙なもので…。

映画『ブロークダウン・パレス』のテーマがテーマだっただけに、キャストはマニラの中でもより暗黒な、貧民街を目にすることになりました。私が『Premiere』誌に対して発したコメントはフィリピンの人びとに対するものではなく、こういった地域を表現したものです。彼らはとても心が温かく、親しみやすく、協力的でした。

結局、彼女の謝罪は受け入れられることなく、現在も公開されていないのだとか。

※この翻訳は、抄訳です。

Translation:Rubicon Solutions, Inc

COSMOPOLITAN UK