5月のコスモポリタンは「グローバル」がテーマ。英国王室でも、ハリー王子とアフリカ系アメリカ人の母を持つメーガン・マークルの交際するなど、異人種間の結婚に注目が集まっています。そこで、異人種間の恋愛や結婚、家族、そして友情を描いた映画をピックアップしてご紹介。シリアスな話題ながらも、様々な「愛」の形に心が温まります。
ア・ユナイテッド・キングダム(2016年 イギリス映画、日本未公開)
1940年代のロンドン。ごく普通の銀行員ルースは、姉に誘われて行った宣教師のパーティーで法律を学ぶ黒人学生と知り合い意気投合。まだ黒人への差別が厳しい時代、彼と内緒で交際を始めるルースだが、ある日彼からプロポーズされる。彼に夢中のルースは求婚を受け入れるが、その婚約は英帝国を揺るがす大事件になってしまう。
実はその黒人学生セレツェはイギリスが植民地支配するアフリカの国家ベチュアナランド最大の民族ングワト族の王位継承者だった…ボツワナ建国の父セレツェ・カーマ初代大統領とそのイギリス人の妻ルース・ウィリアムスの出会いと結婚を描いた実話を基にした映画。
ベル ある伯爵令嬢の恋(2013年 イギリス映画)
イギリスに実在した、褐色の肌を持つ貴族女性ダイド・エリザベス・ベルをモデルにした物語。海軍士官リンジー卿は、黒人奴隷の女性との間に生まれた娘を、伯父のマンスフィールド伯爵夫妻に託す。貴族の血を引き、貴族に育てられながら、肌の色のせいで社交界にデビューする事も許されず、一緒に育った従姉妹のエリザベスとは姉妹のように仲がいいが、周囲は2人を同じには扱わない…。そんな中、ダイドは屋敷に通う若い見習い弁護士と恋に落ちる。次第に自分の生き方を見つけていくダイド、そしてそのダイドを実の子のように愛するマンスフィールド伯爵は、歴史を変えるようなある行動に出る。
マダム・マロリーと魔法のスパイス(2014年アメリカ映画)
伝統的なフランス料理がご自慢の、エレガントなマダム・マロリーのミシュラン一つ星のレストラン。ある日、目の前の空き家にカダム一家のインド料理のレストランが開業する。賑やかな音楽やカラフルなデコレーション、すべてが場違いなそのレストランに反発するマダム・マロリーとそのスタッフ。が、ある日フランス料理に興味津々のカダム一家の長男で料理の天才ハッサンが、マダム・マロリーのレストランにやってくる。ハッサンはレストランの美人の副シェフ、マルグリットに恋してしまうけど、マルグリットはハッサンの才能に嫉妬し、2人の間には溝ができてしまう…。
主演のヘレン・ミレンやシャルロット・ルボンも美しいけど、ハッサン役のマニシュ・ダヤルは今注目の若手イケメン俳優なので要チェック。
しあわせの隠れ場所(2009年アメリカ映画)
実在のNFL選手マイケル・オアーの人生を基にした、マイケル・ルイスのノンフィクションを原作とした映画。ふとしたことから白人家庭の養子になり、アメフトの才能を見出されスター選手に成長していく黒人少年マイケルと、その受け入れ家庭の葛藤を描いた物語。アメリカの格差の問題、差別の問題を取り込みつつ、愛情と信頼に焦点を置いた心温まる映画。