映画の中でも、印象的なシーンになるのが「キス」の場面。観るだけで恋愛感度も高まりそう!
エターナル・サンシャイン(2004年)
別れたことがツラい、だから愛した人の記憶を消す。元恋人のクレメンタイン・クルシェンスキー(ケイト・ウィンスレット)に自分の記憶を消されショックを受けるジョエル・バリッシュ(ジム・キャリー)。同じく記憶を消去する手術を受けることを決意したジョエルだけれど、いざ、手術がスタートすると脳内には次々に2人で過ごした楽しく美しい日々が蘇ってきて、無意識下で消し去ることに抗う―。
それまで『マスク』のようなコミカルなキャラクターが印象的だったジム・キャリーのシリアスな演技にも注目。またミュージック・ビデオ制作の映像制作キャリアの原点になっているミシェル・ゴンドリー監督ならではの、色使いやテンポの良さは観ていて楽しい。何度かクレメンタインの髪色が変わるのだけれど、赤に染めたクレメンタインとのキスシーンとジョエルのキスは、まるで2人の温かい時間を表しているよう。愛していた分、忘れたいという思いが強かった2人。カップルで見れば、相手の大切さを改めて感じることができるはず。
アイズ・ワイド・シャット(1999年)
元夫婦のトム・クルーズとニコール・キッドマンが夫婦共演し話題になった、スタンリー・キューブリック監督の遺作でもある本作。ビル(トム・クルーズ)はニューヨークで開業する内科医で、妻のアリス(ニコール・キッドマン)と結婚9年目。それまで仲睦まじい夫婦だったものの、妻がとある告白をしたことでビルは妻の浮気を疑い始め夜の街を徘徊する。すると、奇妙な出来事に次々と遭遇して…。
起こる出来事、2人の理解しがたい心理に難解な映画とも言われているけれど、どうしても注目してしまうのは当時夫婦だった2人の艶めかしいラブシーンとキスシーン。あまりの濃厚さにドキドキ…"プライベートでもこんな感じだったのかな"と思わずにいられない。
スパイダーマン(2002年)
マーベル・コミックの人気アメリカン・コミック『スパイダーマン』の実写第一弾。
ピーター・パーカー(トビー・マグワイア)は、密かにメリー・ジェーン・ワトソン/MJ(キルステン・ダンスト)に思いを寄せているものの伝えられず、冴えない高校生活を送っていた。ある日、大学の研究所を見学していると遺伝子組み換えされたスーパースパイダーに刺され、驚異的な視力と体力を手に入れ、手首からはクモの糸が飛び出すという体へと変化! スーツを纏い「スパイダーマン」になったピーターは人を救っていく。
このキスは、1度命を救われスパーダーマンに惹かれていたMJが2度目に助けてもらったときのもの。スパイダーマンだからこその"上下逆さまキス"はロマンティックだと話題に。これならラブストーリーが苦手な彼とも、年末年始に楽しんで見れそうな1本!
ラブ・アクチュアリー(2003年)
様々なラブ・ストーリーが描かれる『ラブ・アクチュアリー』。英国首相のデイヴィッド(ヒュー・グラント)、ロック・スターのビリー・マック(ビル・ナイ)、妻を亡くしたばかりのダニエル(リーアム・ニーソン)とその妻の連れ子サム(トーマス・サングスター)など、様々なストーリーがクリスマスに向けて進んでいく、今のムードにぴったりな1本。
中でも印象的なのが、親友の妻ジュリエット(キーラ・ナイトレイ)を密かに思い続けていたマーク(アンドリュー・リンカーン)のエピソード。クリスマスイブに、ずっと好きだったという想いを、手書きのフリップを1枚ずつめくり伝えていくという告白のシーン。ジュリエットがその気持ちに答えることはできなかったものの、その気持ちへの感謝にキスで応えるシーンには、胸がいっぱいに…♡ 好きになることの喜びや切なさがギュッと詰め込まれた場面。
プライドと偏見(2005年)
ジェーン・オースティンの小説『高慢と偏見』が原作の映画。18世紀末、玉の輿婚をするのが女の幸せだと思われていた時代。5人姉妹の次女エリザベス・ベネット(キーラ・ナイトレイ)は、優しく姉妹思いだけれど正義感が強い女性。そんな彼女が舞踏会で大富豪フィッツウィリアム・ダーシー(シュー・マクファディン)と出会う。無口で、一見するとプライドが高いけれど、実は純粋で不器用。そんな2人はなかなか理解し合うことができない。
ダーシーは女心が分からないし、エリザベスも男心が分からないまま、すれ違っていく2人だけれど、最後の最後で2人がやっと素直になれたときに初めてのキスシーンが登場。お互いに実は心の底から相手を愛していたこと、目に見えるものや派手な演出だけが、相手への愛情を表現するものじゃないということが伝わってくるはず。
ブロークバック・マウンテン(2005年)
1963年、ブロークバック・マウンテンの山中での季節労働者として働くことになったイニス・デル・マー(ヒース・レジャー)とジャック・ツイスト(ジェイク・ギレンホール)は友情を深めていくが、ある夜一線を越えてしまう…。契約終了とともに再会の約束もせず一度は離れ、それぞれが家庭を持つも。4年後に再会すると、ジャックは2人で牧場を持ち、一緒に暮らすという話を持ちかける。
同性愛への理解がない時代、素直に愛することができず、感情を押し殺し続けるも本当の自分の気持ちに気づいている2人。溢れる気持ちがぶつけられたキスシーンに胸が苦しくなるけれど、心の機微が見事に描かれた本作は、数々の映画賞を受賞。「愛って何?」と恋愛迷子になっている人にこそ観て欲しい!
ロミオ+ジュリエット(1996年)
シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』の舞台を現代に移し、両家の争いがマフィアに置き換えられた作品。モンタギュー家の一人息子ロミオ(レオナルド・ディカプリオ)は、敵対するキャピュレット家の一人娘とは知らずにジュリエット(クレア・デインズ)に一目惚れ。やがて相思相愛になるも…。
元々舞台演出家として活動していた、『ムーラン・ルージュ』や『華麗なるギャツビー』を手掛けるバズ・ラーマン監督作品だけあって、舞台演出や衣装で作り上げられた世界は、どのシーンを切り取ってみても美しい。当時22歳のやんちゃなレオ様、天使のような透明感あるデインズ(『HOMELAND』での狂気じみた演技とは別人…!)の甘く切ないキスは、まるで絵画を観ているよう…♡
恋に落ちたシェイクスピア(1998年)
16世紀末のロンドン、スランプに陥っていた若かりし日の劇作家ウィリアム・シェイクスピア(ジョセフ・ファインズ)は、オーディションにやってきたトマス・ケントと名乗る青年がやってくる。また裕福な商人の家でその娘ヴァイオラ・デ・レセップス(グウィネス・パルトロウ)を見かけると、ヴァイオラには結婚を決めた相手がいたものの、距離を縮めた2人は恋に落ちる。ところが結婚が迫り「もう会えない」というヴァイオラからの手紙をトマスから受け取ったシェイクスピアは、納得ができずに屋敷に向かうと、彼女こそがトマスだったと知る。創作意欲を刺激されたシェイクスピアは『ロミオとジュリエット』を書きあげ、やがて初演をむかえる。
ダメだとわかっていながらも惹かれ合い恋に落ちるということが、こんなにも切なくロマンティックなのかと思わずにいられない作品。