健気な女が主人公の映画、優しい聖母のような女性が主人公の映画もいいけど、心の底では、なんとなく共感できない…密かにそんな風に思っているあなた、あなたは欲張り女です。
考えてみてください、素直に欲を表に出してる女って可愛いと思いませんか? みんなが理解するわけじゃないし、男性はちょっと引くかも。でも、そんなことを気にせず「欲」をトコトン追求する女性が登場する映画を観ていると、じわじわと元気が出てくるはず!
お金持ちになりたい欲、人より偉くなりたい欲、いい男を捕まえたい欲、出世したい欲…様々な欲にまみれた女の映画をご紹介します。
『ココ・アヴァン・シャネル』2009年、フランス映画
稀代の「欲張り女」ココ・シャネルの自伝的映画。才能のない二流歌手のココ(オドレイ・トトゥ)は、美しい叔母アドリエンヌと共にお針子として働く傍、パリのキャバレーに出演している。やがてアドリエンヌが貴族の男性の元に行ってしまい、1人で歌い踊るがぱっとせず。ある日裕福な男エディエンヌがココに接近して来る…。
ワガママで不器用だけど、自分が欲しいのは何かはっきりしているココの生き方が、ある意味爽やか。オドレイ・トトゥ演じるココのファッションと、欲を内に秘めながらもその滲み出てしまう可愛らしさにうっとり。
『シカゴ』2002年、アメリカ映画
1924年のシカゴ。普通の容姿の主婦ロキシー(レニー・ゼルウィガー)は、地元で人気の踊り子デュオ「ケリー姉妹」の1人ヴァルマ・ケリー(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)に憧れ、いつか彼女のようなスターになる野望を抱いている。その思いと裏腹に、ロキシーをスターにすると約束した男ケイスリーに騙され、殺人事件を起こしてしまう。同じ時期、夫を寝とった妹を殺したヴァルマと、刑務所で鉢合わせするが…。
ロキシー、ヴァルマ、弁護士フリン(リチャード・ギア)と、登場人物誰も彼もが嫌な奴だけれど、どん底な状況を自分たちの欲を叶えるネタに変えてしまうロキシーとヴァルマのたくましさが、なんとなく憎めない。
『シャロウ・グレイブ』1994年、イギリス映画
スコットランドのエディンバラ。美しいニュータウン地区のハイソなアパートをシェアしている医師のジュリエット(ケリー・フォックス)、記者のアレックス(ユアン・マクレガー)、会計士のデイヴィッド(クリストファー・エクルストン)。4人目のシェアメイトを探している3人は、何人か面接をした後にミステリアスな男ヒューゴを受け入れることに。が、入居してすぐ、ヒューゴは薬物の使いすぎで死亡。その後、彼が大金の入ったスーツケースを残したことで、3人の関係が狂っていく…。
主役の3人とも不快な役柄であるには変わりないけれど、とりわけ医師のジュリエットの傲慢さ、強欲さの恐ろしさが際立つ。