食欲の秋到来!主役のシェフたちが作る料理が飯テロを引き起こすこと必至の"美味しい"作品をご紹介♪
ディナーラッシュ(2001)
ニューヨークはトライベッカ地区に実在するイタリアンレストラン"ジジーノ"(本作監督のボブ・ジラルディがオーナー)を舞台にした一夜の群像劇。かつては伝統的な家庭料理を出す店だったのに、天才シェフ・ウードがスタイリッシュなオシャレレストランに生まれ変わらせ、連日大人気のジジーノ。けれどオーナーのルイスは息子のウードを快く思っておらず経営権は譲らないまま。そんな父子の対立を軸にギャンブル好きの従業員が引き起こす事件が思わぬ展開を呼ぶ…。パスタ包みときのこのクリームソースや、ウサギ肉のピエモンテ・ワイン風味チョコ添えなどなど、映画冒頭に出てくる"今夜のメニュー"に心躍るし、実際に登場する料理の美しさに思わずエア舌つづみを打ってしまうこと間違いなし。あっと驚くラストが用意されているのが、まるで上質のデザートをいただいている気分に!
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シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014)
監督・俳優として活躍するジョン・ファヴローが、監督・脚本・製作・主演を担当したほっこり笑える人間ドラマ。主人公のカールはロサンゼルスの一流レストランで総料理長を務め、自分の創作料理には絶対の自信を持っている。けれどオーソドックスなメニューを好むオーナーとは対立、大物料理評論家からは酷評を受け、ついに店を解雇されてしまう。そこでカールは心機一転、トラックを購入してキューバサンドイッチを移動販売することに。元一流シェフが作るアツアツのサンドイッチは瞬く間に評判になり…。キューバサンドとは、軽い食感のキューバンブレッドにローストポークやチーズ、ピクルス、マスタードなどを挟み、熱々のプレートでプレスして作るサンドイッチ。外はこんがりカリカリ、中はチーズがトロ~リ、お肉の肉汁がふわっとジューシー。カールが作ったサンドイッチを食べるお客さんたちの幸せそうな顔が美味しさを物語っています♪
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大統領の料理人(2012)
1980年代にフランス・ミッテラン大統領の料理人を務めたダニエル・デルプシュの伝記をベースにした作品。彼女はフランス大統領官邸(エリゼ宮殿)初の女性料理人です。フランスの地方で小さなレストランを営んでいた主人公オルタンスがあのジョエル・ロブションの推薦(と言ってもかつて名刺を渡しただけの間柄)でいきなりエリゼ宮へ招かれることに。男性社会の中で嫉妬や僻みにも負けず、精魂込めた料理の数々でオルタンスは大統領を魅了していきます。官邸と言ってもフォーマルフレンチではなく、大統領がご所望なのは素朴な家庭料理。牛フィレ肉のパイ包みや黒トリュフのタルティーヌ、ポルチーニ茸のスクランブルエッグなどなど。私たちでもちょっと頑張ればできるかも!? と思わされるメニューもあり。いつでも凛として生きるオルタンスの姿も素敵で、こんな女性になりたい!と思ってしまいます。
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幸せのレシピ(2007年)
ニューヨーク・マンハッタンの高級レストランで料理長を務めるケイトは、確かな料理の腕を持っているけれど、完璧主義者で神経質、ちょっぴり頑な。そんな彼女が急逝した姉の娘ゾーイと暮らすことになって新しい生活に馴染めずにいたところに、副料理長として新しく赴任してきたニックはケイトとは正反対の大らかな性格で、ふたりは何かとぶつかり合ってしまい……。不器用なケイトのコミュニケーションツールのひとつでもある料理。幼いゾーイに出すカスタードのタルトやピザ、ニックとの距離が縮まるきっかけになるお酒を効かせたデザート、レストランで出されるトリュフやロブスター、フォアグラ。本格的な料理も家庭の料理もどちらも目で味わえるのが本作。食材をどうしたら最も美味しく提供できるかを考えているケイトの真剣な瞳には料理人としてのプライドが垣間見られます。ケイト=キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、ニック=アーロン・エッカート、ゾーイ=アビゲイル・ブレスリンのケミストリーも◎!
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マダム・マロリーと魔法のスパイス(2014)
よく音楽に国境はないと言うけれど、美味しい料理にも国境はない! そんなことを思わせてくれるのがこの作品。舞台は南仏。マダム・マロリーが営む、ミシュランで星を獲得している老舗フレンチレストランの隣に、ある日インドからやってきたカダム一家がインド料理のレストランを開業。一家の次男ハッサンが作り出すスパイスを利かせた料理はたちまち評判になるものの、インドの賑やかな音楽や強烈なスパイスの香りは、マダム・マロリーの閑静なフレンチとは大違い。両家は険悪になってしまうが、実はフレンチを学びたいと思っているハッサンと、フレンチレストランの副料理長、マルグリットは惹かれあっていて……。ハッサンの料理を口にしたマダム・マロリーが彼の才能を認めレシピを伝授していく展開は、これぞまさしく異文化交流! と心温まります。ふわふわトロトロのオムレツやスパイスを使用したブフ・ブルギニヨン(牛肉の赤ワイン煮込み)など、伝統料理から斬新なメニューまで、国境を越えた料理のアレンジが楽しい!
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ジュリー&ジュリア(2009)
パリの名門料理専門学校ル・コルドン・ブルー(日本にも東京&神戸にあります!)で本格的なフランス料理を学び、1960年代にレシピ本を出版した料理研究家ジュリア・チャイルドと、彼女の524のレシピに1年で挑戦しようとブログを綴る現代を生きる女性ジュリー。時代を超えたふたりの女性の人生を描いた感動的な実話。ジュリア・チャイルドは"アメリカの料理の母"と呼ばれ家庭の食卓に革命をもたらした著名な料理家。後にテレビ番組に出演し、本番中に失敗しても気にしない飾らない人柄が人気に(今で言うと平野レミさんみたいな?)。ブフ・ブルギニヨンやチキンのクリーム煮、ポーチドエッグなどなど、本格フレンチを家庭でも再現できるようにアレンジした彼女のレシピを、ジュリーが現代で作っていく丁寧な描写は、料理がするのが好きな人、食べるのが好きな人への愛情とリスペクトがたっぷり込められています。本作を観た後は、カジュアルフレンチで食事してボナペティ! と言いたくなることウケアイ♪
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恋人たちの食卓(1995)
テーブルいっぱいに並べられた美味しそうな中華料理に目を奪われてしまうのがこちら。『ブロークバック・マウンテン』などのアン・リー監督が故郷・台湾で撮った作品で、毎週日曜日に集まり食事をする父と娘3人の人生模様を描き出す。父親は台北の一流ホテルの料理長で、週に1度の晩餐は彼が腕によりをかけて用意。魚や鶏をさばき、野菜をカットし、食材が"料理"に変化していく一連の流れがまるで音楽を奏でているようでもあり見事! こんな豪華な食卓を囲んでいるのに、娘たちはそれぞれの悩みに直面していて気持ちもそぞろ。美味しそうなのにもったいない! なんて思ってしまうけれど、家族のリアルな問題や関係性を、食卓を通して映し出していくアン・リーの手法もまた見事。最後、次女が作る生姜のスープを巡るシークエンスは必見です!
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