第74回目となる、ヴェネチア国際映画祭が8月30日~9月9日に開催されました。カンヌ、ベルリンと並び世界三大国際映画祭と呼ばれる同映画祭の魅力は、公開前の映画をいち早く鑑賞できるだけではないんです! 夏の終わりを迎えるこの街では、アート鑑賞、ビーチでのバカンス、水上バスに乗って島巡りなど、滞在を満喫できる理由がたくさん。そんな映画祭とヴェネチアの魅力を現地からご紹介♡
1.一般参加可能のチケットは5ユーロ~!公開前の作品を網羅できちゃう
プレスや映画業界関係者だけでなく、実はチケットさえ購入すれば一般来場者にも開かれているヴェネチア映画祭。上映ごとに販売されるチケット(5ユーロ~)や、26歳以下の人には150ユーロで11日間上映を楽しめるパスもあるんです。
オープンな映画祭だけあって、リラックスムードなのも魅力。ビーチに面したメインの4つの会場付近にはレトロな音楽が流れ、自転車に乗った近所のマダムが立ち寄ってレッドカーペットを眺める姿や、映画について語り合う学生たち、会場前の噴水で遊ぶ子どもたちなど…地元の人の日常風景にも心が和みます♡
2.スターとセルフィーが撮れるかも!?
プレミア上映が開催されるメインの会場、パラッツォ・デル・チネマに設置されるレッドカーペットと、観客の距離がとにかく近い。早めに会場前で陣取ればセレブとセルフィーを撮れる可能性も!?
また、パラッツォ・デル・チネマから歩いてすぐ近くの高級ホテル、エクセルシオールではパーティーやイベントが盛んに開催されているので、こちらも要チェック。さらに、このホテル専用の船着き場では到着するセレブを待ち構えるファンやカメラマンで賑わっています。一方で静けさを求めるセレブが宿泊するのがジュデッカ島にあるベルモンドホテル・チプリアーニ。ジョージ・クルーニーお気に入りのホテルとして有名で、今年はペネロペ・クルスが宿泊したそう。
ホテルや映画祭会場だけでなく、ヴェネチアの石畳の道を歩いていると、ジェラートやピザを食べているスターを見たという目撃情報も!
4.バーチャルリアリティもネットフリックスもウェルカム。最先端を取り入れる世界最古の国際映画祭
今年からVR(バーチャルリアリティ)部門のコンペティションを新設したヴェネチア映画祭。古い歴史を誇りながらも、最先端の映画の手法にも開いていると話題になりました。
VRの上映会場となったのが、リド島からボートで3分ほどの小さな島ラッザレット・ヴェッキオ島。数多くあった映画の中で印象的だったのが、崩壊寸前の世界で新しい土地を求めて冒険するAI少女が主人公のアニメーション『メリタ(原題)/Melita』。専用の眼鏡をかけると360度見渡せ、下を見れば氷山の崖の上から地上を、後ろを見れば銀世界の風景が広がるなど、実際に映画の中にいる錯覚に陥ってしまうほどリアルな体験を味わえました。
また、5月にはカンヌ国際映画祭で物議を醸したネットフリックスに関しても、ヴェネチア映画祭のディレクター、アルバート・バルベーラ氏は、映画業界には"新しい現実"と"新しいテクノロジー"に適応することが大切だと発言。
最先端を取り入れ続けるヴェネチア映画祭に今後も期待したい!
7.どんな作品も絵になる、名作のロケ地を巡ってヒロイン気分♡
ロマンチックな水の都として、数々の名作の舞台になったヴェネチア。老作曲家が美少年に理想の美を見出しベニスの町を徘徊するルキノ・ヴィスコンティ監督「ベニスに死す」をはじめ、キャサリン・ヘプバーンが演じるアメリカ人女性がイタリア人男性と恋におちる「旅情」、アンジェリーナ・ジョリーがミステリアスな美女を演じる華麗なミステリー「ツーリスト」など、街を歩くと映画のロケ地に遭遇して嬉しくなってしまいます。サン・マルコ広場のカフェで名作のヒロインに思いを馳せていると、映画のような出会いが訪れるかも♡
8.水の都の移動は水上バスで。島巡りがたのしい!
ヴェネチアの主な交通手段はバポレット(水上バス)。ヴェネチアングラスで有名なムラーノ島や繊細なレース製品とカラフルな家々で有名なブラーノ島、島の大半を教会が占めるサン・ジョルジョ・マッジョーレ島、7世紀に建てられたと言われる古い教会が残るトルチェッロ島など、見どころ満載! バポレット乗り放題のチケットを購入して島めぐりをするのもオススメです。風を浴びながらカモメや漁船を横切るだけでも、とても気持ちいい♡
10.観光では「ビエンナーレ」の展示やゴンドラレースも
世界中の芸術家やアート愛好家が集まり、万国博覧会のように国ごとにパビリオンが設置される国際美術展ビエンナーレ。2年に1度、5月頃から11月頃までヴェネチアで開催され、メイン会場や街の各所に芸術品が展示されるので、映画祭の時期にヴェネチアに訪れたならこちらに立ち寄るのもおススメ。さらに毎年9月の第一日曜日に開催されるゴンドラのレースとパレード、レガータ・ストリカなど本島でも見逃せないベントが盛り沢山!