あこがれのスターのポスターを子供部屋に飾るというのはよくあるけど、アメリカのアシュレー・ラーソンさんと3歳の娘スカウトちゃんのプロジェクトはちょっとレベルが違うよう。現在話題を呼んでいる2人のInstagramアカウント(@hello.scout)には、ロールモデルそっくりの衣装とポーズをキメたスカウトちゃんの写真が満載。
このプロジェクトを始めたきっかけは、アシュレーさんのお母さんが乳がんと診断されたとき。辛いときでもくじけない女性の姿を娘に教えたいと思ったのだそう。家族のために始まったプロジェクトは、フォロワーがどんどん増えて今では6万人超え。その後、お母さんのガンも無事完治! でもアシュレーさんは、まだまだ撮りたい写真があるのだとか。そこで<Redbook>が彼女に、プロジェクトに関するさまざまな質問について聞いてみました。
――スカウトちゃんはどんな子ですか? このプロジェクトに自分で興味をもったのでしょうか?
スカウトは小さな体に多くの個性を持った子なの。理解力や判断力といった面では年齢以上。写真を見てその通りにマネできて、びっくりするわ。兄と弟がいるので、わたしたち夫婦は、男性ができることは女性にもできるし、お兄ちゃんとも弟とも平等なんだよと教えるようにしているの。スカウトはひょうきんで愛情深くて、思いやりのある性格。まるで小さなお母さんみたい。昔からカメラの前に立つのは慣れているのよ。息子たちは写真を撮られるのをいやがるけど、スカウトは大好きなの。
――コピーするセレブはどう選ぶんですか?
始めのころは、逆境を乗りこえて成功した強い勇敢な女性だけを選んでいたの。いわば、有無を言わせないタイプ。スカウトにはそういう人になってほしいし、特にもともとのこの子の性格がそうだから。そのうち男性も(レパートリーに)加えるようになったわ。男性を排除するようでは、フェミニズムの平等の考えに反するでしょう? 男でも女でも、人として立派な人を選ぶの。撮った人はみんな、わたしが本当に好きで尊敬できる人。スカウトが実際にその人のようにふるまって誇りに思えないのであれば選ばないわ。そしてスカウトが嫌がるようなら強制しない。わたしが衣装を用意して、その人の写真を見せながら説明したうえで、娘に選んでもらっているの。
――服やヘア、メイクはどうしているんですか?
メイクはフォトショップよ。あんなにうまく描けるアイライナーはないもの! やってみたことはあるけど、無理だったわ。スカウトが長いことじっとしていられないし。でも、ヘアスタイリングはわたしがやっています。服は送ってきてもらったものを使うこともあるけれど、もともと持っているものを使ったり、特定の服が必要なときは、ターゲット(アメリカの大手スーパー)で買ってきたものを工夫して使ったりすることもあるわ。
――これまでの写真で一番お気に入りは?
わたしは女優のミンディ・カリングかな、彼女のファンなの。スカウトもわたしにつられて、大好きだと言っているわ。アップした写真をミンディ本人が気に入ってくれたので、スカウトはもうお友達だと思っているみたい。
――スカウトちゃんのお気に入りは?
フリーダ・カーロ(女性をテーマに描き続けたメキシコの画家)の衣装が気に入ったみたい。
――プロジェクトがこんなに人気が出て、何に一番驚きましたか?
フォロワーが1週間で17,000人増えたりしたことね。特に<Buzzfeed>に取りあげられたときはすごくて、一夜明けたらそこらじゅうに拡散されていたの。撮影しているときは、自分と家族のためだけに撮っているんだけど、他の人たちも見て、何かを得てくれるのならとても素敵。
――もっとも反響が大きかったのは?
マララ(パキスタン出身の人権運動家)か、アデルかな。最近のものね。
――こんなに小さいうちからソーシャルメディアで顔が知られていることについては?
娘はソーシャルメディアに出ているなんて知らなくて、自分の顔が有名だとはわかっていないの。あまりそういうことは気にしないでほしいと思っているわ。わたしが一番注意したいのは、いったん出してしまったものは、後から削除しようが、永遠に残るということ。何かアップするとき、それが自分の信じる、胸をはれることであって、ポジティブなものならOK。スカウトはこのプロジェクトで自分というものを表現して、楽しんでいるから、それでいいと思うの。娘は普通の子供だし、普通の子がすることは何でもしてる。カメラの前に立つのは彼女にとって普通の日常の一部。スカウトが個性あるひとりの人間に育っていることを、誇りに思っています。
かしこくて可愛いスカウトちゃんと、娘さんをしっかり導いているお母さん。ふたりのプロジェクトに、これからも注目です。
※この翻訳は、抄訳です。
Translation:Noriko Sasaki(Office Miyazaki Inc.)